命の授業

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日野原重明

僕が一貫してテーマとしているのは 命の尊さです。難しい問題だからなかなか分からないけれどもね。でも「自分が生きていると思っている人は手を挙げてごらん」と言ったら、全員が挙げるんです。
「では命はどこにあるの」って質問すると、心臓に手を当てて「ここにあります」と答える子がいます。僕は聴診器を渡して隣同士で心臓の音を聞いてもらって、このように話を続けるんです。

心臓は確かに大切な臓器だけれども、これは頭や手足に血液を送るポンプであり、命ではない。命とは感じるもので、目には見えないんだ。
君たちね。目には見えないけれども大切なものを考えてごらん。空気見えるの?酸素は?風が見えるの?でもその空気があるから僕たちは生きている。
このように本当に大切なものは目には見えないんだよ。それから僕が言うのは命はなぜ目に見えないか。それは命とは君たちが持っている時間だからなんだよ。

死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう。どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。
さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしいということです。

「100歳は ゴールではなく 関所だよ」

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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