『神様に喜ばれるレッスン』

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斎藤一人

お金がないときでも、人にはできることがいくらでもある。まず、笑顔でいようよ。お金はなくても心は出せるんだからね。
たとえば、知らない人に呼びかけるときに、おばさんかな?お姉さんかな?と思ったら、迷わず「お姉さん」と呼ぶの。
お店で食事をしたら、笑顔で「ごちそうさま」って言う。

「お金がないから、やれることがない」わけじゃなくて、「あなたがやらないだけ」なんだ。よく、「一人さんは、どんなお店で食事をしても、『まずい』って文句を言いませんね」って言われるんだよね。
でもね、自分が期待した味と違っていたとしても、その店のお父さんやお母さんは、その料理を出しながら、一生懸命、子育てしてきたのかもしれないんだよ。たとえ、「おいしくない」って、お客さんに言われちゃうような料理だとしても、その味で稼いで、子どもを大学にまでやっているかもしれないよね。
どんなお店にだって、目に見える料理だけじゃない「ドラマ」があるんだ。
人には、1人ひとりに神様がつけてくれた壮大なドラマがある。あなたにも、あの人にもだよ。ほら、そう考えると、コンビニやスーパーのレジの人にも、笑顔で「ありがとう」って言いたくなってくるだろう?

世の中って、本当はすごく単純なの。それを立派なこと言いすぎるから、おかしくなっちゃうの。
私のモットーは、「明るく元気」。40度の熱があっても元気だよ。悪いのは体で、心じゃないからね。あのね、弱気な言葉を出すと、脳が負けちゃうの。
「女房が怖い」「部長が怖い」と言わずに、「女房なんか怖くない」「部長なんか目じゃないですよ」って言ってごらん。ウソでもいいから。
そしたら周囲が安心するよ。みんなが「ツラい」「大変だ」と言ってるときに、「全然平気ですよ」と言ってごらん。そうしたら黒板に1点、白い点が輝くんだよ。

仕事が大変なのは当然なの。人と同じこと言ってちゃダメだよ。関東大震災のあとだって、「もうダメだ」と言ってる人が復興させたんじゃないよ。「大丈夫。まだ負けない」と思っている人が復興させた。
「目じゃない」と言葉にしたとき、「目じゃない知恵」が出るんだよ。

コロンブスはアメリカ大陸を発見しようとして発見したんじゃないの。世界一周の途中で発見したんだよ。一周するぐらいの覚悟がいるんだよ。弱気になったら負け、魅力がないもん。

引き受けた頼まれごとがとても大変なとき、「いやぁ、大変なこと引き受けちゃった」ではなく、「やってくうちに、何だか面白くなってきた」とまわりを明るくさせることを言う人には魅力がある。
どんな厳しい局面になっても、愚痴や文句、泣き言や不平不満を言わないからだ。ふっと、思わず愚痴や泣き言をいいそうになったら、その逆を言うことを練習してみる。
「厳しい」→「おもしろい」「いやになった」→「楽しくなってきた」「忙しい」→「毎日とっても充実している」「バカヤロー」→「ありがとう」
人の心を明るくする言葉、あたたかくする言葉、元気付ける言葉、思わずにっこりさせる言葉、そして、感謝の言葉…。
やせがまんしても、相手を喜ばせることを言う。それが、粋な人。「人と同じこと言ってちゃダメ」粋な言葉を発する人って魅力的でしょ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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