『外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的新独学術』

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侍留啓介

○英語は下手でも「○○重視」で話せばめちゃくちゃ通じる
まずは「親しみ」を持ってもらう英語のスピーキング力を向上させるために最も有力な方法は、英語を話す外国人の友だちをつくることです。
そしてその際、「外国人が呼びやすい名前を自分につける」ことをお勧めします。一般に日本人の名前は外国人には発音しにくいものです。私の名前は「Keisuke」ですが、まずもって外国人は発音できません。よくて「キースケ」か「カイスケ」といった感じです。ファーストネームで呼び合うことが慣習になっている欧米では、相手の名前が呼びにくければ躊躇して(間違った名前を呼びたくはないですから)、そもそもその相手の名前をあまり呼ばないということになります。
これでは親しくなることはできません。そこで思い切って、名前を変えてしまいましょう。私は「Kei」と短縮化しましたが、これによって圧倒的に友人をつくりやすくなりました。ときには、「K」とだけ自己紹介したりもします。ケロッグ社の人気商品にひっかけて「I,m Special K.」と言ったところすぐに覚えてもらえ、一回のパーティーで数十人から話しかけられたこともありました。
ロシア人やアフリカ人も、外国人にとっては名前が読みにくいので、英語圏では名前を短縮しているのをよく見かけます。中国人はJenifferやSabrinaなど欧米風のニックネームをつけたりもしていますが、これも一つの方法です(日本人には抵抗感がある人も多いかもしれませんが)。

○通じさせるには「話題のわかりやすさ」を重視せよ
名前をわかりやすくすることにとどまらず、英語で会話をする際は、できるだけわかりやすく話すことが基本です。日本語ですら難しい話題について不確かな発音と表現で話したら、相手も面食らいますし、混乱します。
とくに日常会話では「少々深みにかけるかも……」と思っても、「日本人以外にも通じるわかりやすい話」「聞き手が少々聞き取れなくても、推測で内容がわかるレベルの話」をおおざっぱに話すべきです。
いきなり「日本人のおもてなしのすごさ」など、ほとんどの外国人にとってわかりにくい話をこまごまと話し始めたところで、相手はまったく理解できません(にこにこと愛想笑いはしてくれるかもしれませんが)。一般に、サービスレベルの優劣は、具体的に体感することが難しく、日本人が思っているほど重要ではありません。

○TOEFLのスピーキングのテストでも同じことがいえます。
TOEFLでは「趣味は何ですか?」といった質問が出ますが、このようなときに「趣味は将棋です」などと答えるよりも、「趣味は野球観戦です。とくにヤンキースの試合を観るのが好きです」というような、聞き手(アメリカ人の試験官)がイメージしやすい回答をしたほうがいいでしょう。
あくまでも英語力のテストですから、ややこしい説明がいらないトピックでシンプルに話すのです。私はアメリカに留学していた際、地元のロータリークラブなどで毎週のようにスピーチをしていたのですが、やはりこのときも「わかりやすい話」を心がけていました。
つたない英語ながらも、おかげでほとんどの出席者に理解してもらえていましたし、受けも悪くなかったように思います。聞き手にわかりやすい話をする技術を身につければ、雑談もうまくいきます。
先日、あるアメリカ人を接待したときも、ヤンキースの話で30分以上盛り上がりましたが(ほとんどは彼が話していたのですが)、これも野球というアメリカ人にとって関心が高そうな話を振ったからです。もし将棋の話なんて持ちだしていたら、おそらく5分も会話は続かなかったと思います(本当は、私は将棋をこよなく愛するファンの一人なのですが!)。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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