『一言で人生が変わる ほめ言葉の魔法』

Pocket

原邦雄

「ほめ言葉」が、認められたい人の心に刺さるのは、その人を肯定する言葉だからです。「あなたと一緒にいると楽しい」「今日の夕飯、おいしかったよ」「いつも子どもの面倒を見てくれてありがとう」こんな言葉をかけてもらえたら、自分に自信が持てますよね。私は家族の役に立っているんだ。私は認められているんだと感じられます。ほめ言葉は、居場所をつくる言葉でもあるのです。

「自尊心の3大欲求」これはアメリカの心理学者ウィル・シュッツ博士が提唱したもので、「自己重要感」「自己有能感」「自己好感」という3つの欲求のことです。ほめ言葉によって、この3大欲求が満たされるのです。
1.自己重要感。「自分を大事な存在として認めてほしい」という欲求です。「ありがとう」と言われたときに満たされます。
2.自己有能感。「的確な意思決定と行動ができるようになりたい」という欲求で、「すごいね」「成長したね」と言われた時に満たされます。
3.自己好感。「人に好かれたい」という欲求です。「好きだよ」「好感が持てる」などと言われた時に満たされるものです。

つまり、理想的なほめ言葉は、次のような言葉が自然にあふれ出てくることです。「ありがとう」「すごいね」「成長したね」「好き!」「好感が持てる」たとえば、「きちんと挨拶できていたね、すごいね!」と、ほめられた子どもは自尊心が満たされます。
それだけでなく、もっと認められたい、好感を持たれたいと願うようになります。「次はもっと大きな声で挨拶をしてみよう」「もう少し、きちんとした姿勢のほうがいいかな?」「あの人にも、挨拶してみよう」

このように、思考がどんどんプラスの方向に進んでいきます。たった一言のほめ言葉だとしても、相手の自尊心を満たしてあげられれば、その人の心を動かすことができるのです。
大切なのは、「結果」をほめるのではなく、「行動や努力」、そして「人間性」をほめること。
例えば、子どもがテストで100点を取ってきたとき…「100点を取って、えらいね」ではなく、「あの時、テレビを見たいのをガマンしていたよね」「いつもより早起きしてお勉強していたよね」「お友達と遊びたいのを耐えてがんばっていたよね」と言えば、気持ちが子どもの心にしっかり届く。

努力したことや一生懸命がんばったこと、その「過程」をほめることが大事だ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

Pocket