『やるなら決めよ、決めたら迷うな』

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石川洋

新潟の岩船郡に木村霊山という、100歳になる尼さんがいらっしゃいまして、2,3回お訪ねをしたことがございました。日本のマザー・テレサと言われた方で、100名以上の孤児をお育てになった方です。

新潟の山奥は、昔は貧しいところで、やはり子どもの育てられない親があります。そういう人が、木村霊山の名前を聞いて、お世話をしていただけますか、預かってくれますかって、連れてくるんです。「ああ、100名以上の孤児を育てて大変だったでしょう」って言ったら、「なんでもないと思ったら、なんでもないさ」なんでもないと思ったら、なんでもない。

この人は師匠運の悪い方で、自分がついた師匠がほどなく亡くなってしまいまして、お師匠さんと早く別れた方です。一所懸命にお世話をなさり、そのお師匠さんが亡くなる時に「ありがとう。よう世話をしてくれたな。短いあなたとの繋がりだけども、きっとこのご縁は返すよ。あんたのそばに必ず生まれ変わってくる」と言ってくださったそうです。
だから彼女は、100名の孤児は、お師匠さんの生まれ変わりだと思っている。

そして、一番弟子の尼さんに、お師匠さんの出家名である「霊秀」の名を付けて、「霊秀、霊秀」と言って、若いお弟子さんを、自分のお師匠さんの生まれ変わりとして仕えてらっしゃるんです。
今、私は、もういつ死んでもおかしくない年ですが、自分にできることは、若い人を先生にするということであります。自分よりも先へ行く人を残そう。木村霊山が自分の弟子に、自分の先生の名前を付けて、自分の弟子を育て、仕えたように。

エンジオイル、OEM仲間の経営塾より

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