「第3次アーミテージ・ナイ・リポート」

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廣瀬茂夫 、関西経済同友会事務局長

5年前のリポート「日本が一流国に留まる気が無いのなら、このリポートは読まなくてよい。」

〇消費税再三延期している。
理由は、中国をはじめとする新興国の景気減速リスクに備えるという事だ。
過剰設備や過剰債務といった中国の構造問題が2年以内に解決するとは思えない。インフラ投資を増やして景気を支える今の構図が続けば、歪みは溜まり続ける。財政のリスクは、今後一段と高まるだろう。
日本の経済も毎年の補正予算に支えられている状態だ。2年半後に力強く拡大しているとは考えにくい。リスクに対しては、成長戦略を推進し、不況に強い経済体質に改める事が本筋だ。

〇成長戦略本丸であるデジタル革命への取り組み。
中国や韓国の企業との競争に目を奪われている間に先進国の変化を見逃した。
人工知能やIoTなどの分野で追いつこうという機運は出てきたが、一歩先んじる段階には程遠い。このままでは、いつまでも2番煎じだ。
オープンイノベーションに早く転換していく必要があるが、核となる大学は予算を削られ、やりたい事が出来ずにいる。

〇外交安保法制で一歩前進したが、外交力は乏しいままだ。
抑止力の為に、集団自衛権の行使容認を手に入れたのだから、次のステップは、これを使わずに済むように交渉することである。
だが南沙諸島の現状変更を迫る中国や核を手にした北朝鮮に立ち向かうだけのしたたかさは、日本の外交に感じられない。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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