「他人の庭を掃きに行け」

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土岐文二

STI(スバルテクニカインターナショナル)は
2007年「スーパーGT」に望んだ。
車の相次ぐトラブルに悩まされる。
1つ直せば、別の不具合が出る。
車のポテンシャルは高いのに、それを発揮させれない。
「ここは、こうした方が」「それなら、あそこにも」
社員はもとより、部品メーカーの担当者も、時間を忘れて協議した。
全員が[他人の庭]の様子を気にかけ、心を配り、
会社や部署の垣根を越えて話し合った。

GT第4戦を迎える。残り15週。
ドライバーが叫ぶ。「エンジンがおかしい!」
ピットインすれば、順位は落ちる。
「走り切るしかない」とドライバーに伝える。
チーム全員が、固唾をのんで見守る。車が、皆の思いを乗せて走る。
結果は、5位。
輝かしいレースではなかったが皆、泣いていた。
「目の前の事に全力で取り組み、助け合うから、やりがいが生まれる。
その思いを皆が共有出来た時、ハンディは武器になる。」
車は、翌年。目を覚ましたかのように優勝した。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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