利他の心

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京セラ創業者の稲盛和夫氏の『人間学入門』から

世のため人のために尽くそうなどという、大上段に振りかぶったようなことをいう人があると、インテリであればあるほどそれをせせら笑う人が多いようです。しかし、世のため人のために尽くそうということぐらい立派なことはありません。

私たちそれぞれが生まれてきた人生の目的は、世のため人のために尽くすことです。一燈照隅といいますが、どんな人でも素晴らしい役割を持って生まれてきたわけです。その役割を通じて、世のため人のために尽くすことが大事なことなのです。

世のため人のために尽くそうとすることによって、自分の運命を変えていくことができると思います。同時に自分だけよければいい、という利己の心を離れて、他人の幸せを願うという利他の心になる。そうすれば自分の人生が豊かになり、幸運に恵まれる、ということを仏教では説いているのです。

天台宗の山田恵諦座主に生前何度かお目にかかってお話をさせていただく機会がありました。ある時、「忘己利他」という言葉を教えていただいたことがあります。私はこれを「もう懲りた」と読むようにしています。そして自分だけよければいいという考えには、もう懲りたというように思ってきました。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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