「アメリカンドリームの危機」

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マイケル・サンデル

アメリカでは格差について、人々はあまり心配していなかった。我々は、いずれ上向くという信念があったからだ。貧しい出であっても、のし上がる事が出来る。それが、アメリカンドリームだった。

しかし、今はそうしたケースが急速に減っている。今は、アメリカにおいて貧しい生まれなら、その7割は、中間層にすら上がる事ができない。上位20%の層に入る率は、わずか4%だ。上位の層に上がる率は、今やヨーロッパが上だ。これは、アメリカンドリームの危機と言える。

もし、子供たちに「格差は心配しなくていい。君たちはのし上がる事が出来る」と言えなくなれば、もっと平等や団結といった事に注意を払わねばならない。そんな風潮は、ポピュリズムだけでなく、ナショナリズムも煽る。それが、一番の心配だ。

民主主義を再活性化し、資本主義とグローバリセーションの関係を向上させる。そうして、上位の人間だけでなくて、全ての人が利益を享受できるようにしなければ、重大な危機が訪れる。極端なナショナリズムや、耐えがたいポピュリズムが人々をさらに魅了するだろう。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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