『2040年全ビジネスモデル消滅』

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牧野知弘

オペレーショナルアセットというのは、自らの商売のためにハコを作って、顧客を呼び込む、あるいはそのハコを利用して自らの商売を円滑にさせる、といういわば「商売道具」としての不動産。
不動産の世界もただハコモノを作って稼ぐスタイルは終わりに近づいている。

当時の日本では、牛肉はぜいたく品。ビフテキを食べることができるのは上流層だけ。庶民は、年に一回口にできるかどうかという時代でした。
そんな中、マクドナルドが提供する「ハンバーガー」は、100パーセントビーフのパティ。一個80円という値段は、当時国鉄山手線の初乗り運賃が30円、タクシーが130円で、決してお手軽に食べられるものではなかったのでしょうが、ビフテキに比べれば、80円で口にできる
本格ビーフの味は当時の日本人の「手に届く憧れ」の対象になったのでした
同時に売り出された「マックシェイク」に至っては、日本人にとっては革命的なデザートでした。アイスクリームなのか、ミルクセーキなのかわからない
みんなが同じような生活をする、という中に、マクドナルドでハンバーガーを頬張るという「幸せ」な行為がしっかりと位置付けられていた

住宅は、既に消費財になっているのです。人々はより良い立地の、設備仕様の良い住宅を選び、これを使い倒すことを知り始めています}
新築マンションの価格はうなぎ上りです
価格上昇は、マンション需要が盛り上がっているからと考えがちなのですが、
実は建物建設費の値上がりが主な原因です

オフィスビルのテナントがビルに求める条件は、賃料だけではなくなりました。つまり、ビルというハコの中で、どんなサービスを提供してもらえるのか、
このビルは本当に安心安全なのか、BCP(事業継続計画)への対応は
十分なのか、多くの要素が問われるようになっています

「量的充足」のみを追い求めた、マクドナルド型ビジネスモデルの先行きに黄色信号がともる中、ホテルや物流施設といったオペレーショナルアセットに、投資マネーの目も向けられ始めている
アメリカのニューヨークのオフィステナントの業種で、今非常に伸びているのがTAMIというセクターです。TAMIとは、テクノロジー(Technology)、広告(Advertisement)、メディア(Media)、情報通信(Information)の頭文字をとったものですが、このセクターは今や銀行や証券などのファイナンスセクターを上回る成長を見せています。
このテナントセクターに属する企業の多くは中小企業です。そしてここで働く人々は大企業の枠組みにはとらわれずに自由な服装で、少人数でAIやITを活用して知恵を出し合いながら、高度なビジネスモデルを構築していく人たちです

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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