哲学書の読み方

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 野矢茂樹

哲学書を読むには適切なスピードがある。

最初はある程度スタスタ読んでも構わないが、次にはどれだけ遅く読めるかが勝負になる。1歩進む、立ち止まる、半歩進む、また立ち止まる。そして何か問題を捕まえたら、その問題を抱えて、また読む。別の問題が浮上してきたら、その問題を抱えて、また読む。

哲学は物事に対する新しい見方を開いてくれる。今の自分の物の見方や考え方で読めてしまうようなものは、たいした本ではない。だから、まずその哲学が開く新しい世界に入り込まなければならない。

ある程度その世界が見えてきたら、そこからの読み方は遅い者勝ちとなる。もっと深く読めないか、どこか批判できるところは無いか、深読みとあら捜しである。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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