「アメリカは、こうして21世紀を呼び込んだ」

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 三品和弘
神戸大学大学院、経営学研究科教授

関西経済同友会、
関西版ベンチャーエコシステム委員会での講演

アメリカは大量生産を最初に実現し、
そして最初に決別した国である。

大量生産は、大量消費があって成立する。
しかし、これが難しい。

第1次世界大戦後の不況で、
過剰在庫の問題に直面し、
アメリカは、大量生産のリスクに気付いた。

大量生産は、別の国に任せ、
自らは、それをサポートする側に回ればいいと考えた。

日本企業は、さらなる大量生産の為に、
海外でM&Aをするが、
利益を得るのはアメリカである。

自動車が売れて、一番儲けているのは保険会社。
次が、石油会社。
いずれも、米英が掌握している。

日本は、モノ作り大国と言っているが、
本当に儲けているのは米英。
小作農は、いつまでも小作農だ。

しかも、小作農役を担う国は、海外に沢山ある。
日本も、そろそろ地主、殿様になる道を考えるべき
時期に来ている。

ビジネスの食物連鎖の中で、
もう1段上にポジションを移していく道筋を
作って行かねばならない。

ボストンも1970~80年代に、考えていた。
「このままでは、いけない。
次の産業を見つけねば」と。

その頃、半導体革命が起きた。
そこで、ボストンの有力企業を集めて、
「ROUTE128」を発展させた。
これは、当時の「西のシリコンバレー」に対置された。

現在のボストンは、バイオに注力している。
中心部に金融センターを作り、
バイオテックに集中投資するベンチャーが闊歩している。

関西は地盤沈下が懸念されている。
それが次の産業に目を向ける好機となれば、
逆説的に結構な事だと思う。

転機は、早ければ早いほど良い。

関西経済同友会はカジノ法案を提案しましたが、
海外のカジノ、IRはコロナでボロボロですね。
これしか見当たらないので安易に飛びついてしまった感もあります。
うちは、エンジンオイル、OEMの他に、アルコール、除菌、マスクなど
商品群の幅を広げていますが、これも前途多難です。

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