笑いのプロ、村瀬健
ご存じの方も多いでしょうが、
漫才は「ボケ」と「ツッコミ」で形成されます。
常識とズレた発言をするのがボケ。
そのズレを指摘するのがツッコミ。
漫才の笑いは、ボケを起点として生まれるわけです。
職場においても、適度にボケることが必要です。
なにしろ、「ボケる人=おもしろい人」ですからね。
誰だっておもしろい人には、すすんで会いたくなるものです。
ボケる人には注目が集まり、結果として人間関係がよくなり、
ビジネスがうまくいくのです。
それに職場では、プロの芸人のように、
大笑いさせなくても大丈夫。
相手をクスッとでも笑わせれば、
「おもしろい人」と思ってもらえます。
一度でもそう思わせたら、すでにこちらのものなのです。
自分からどんどんボケていると、性格も明るくなります。
テレビで引っ張りだこの人気女性コンビ、
ハリセンボンの箕輪はるかさんは、
「性格を明るくしたいから」と芸人を志したそうです。
現在も明るいとは言えないかもしれませんが、
ご本人は「当時と比べたら、はるかに明るくなった」
と言っていました。
人を笑わせたことがきっかけとなって、
性格が変わった芸人はたくさんいるのです。
そのための第一歩が、ボケること。
ボケとは「自分が考えたことを、勇気を出して発表する」
ということでもありますからね。
ボケることを習慣にすれば、
度胸がついて、あらゆる場面で積極性が出てきます。
「でも、スベったらどうしよう…」
そんなふうに不安になって黙っていたら、損をします。
むしろ、大勢の前でスベったとしたら、
そのこと自体が貴重な経験です。
一度でも失敗を経験すれば、恐怖心が小さくなります。
それまで以上に積極的に、
自分を表現することができるでしょう。
ビジネスに直結する大きなミスは、
場合によっては職を失うほど深刻です。
ですが、ボケるときにどれだけミスをしても、
その場で失笑されて終わりです。
スベることを恐れていたら、いつまでも変われません。
それにプロの芸人でさえ、
実はトーク中にスベりまくっています。
テレビ番組でもあとから編集で、
スタッフの笑い声を追加しているのです。
積極的にボケることは、精神力強化のための投資。
「お金のかからない自分磨き」なのですから、
絶対にやるべきなのです。
あなたが勇気を出してボケたのに、
相手に気づかれないこともあります。
これは往々にして、
「この人は笑わせるタイプの人だ」という
「前フリ」が弱いのです。
相手に笑う準備ができていないんですね。
この場合の前フリとは、あなたのイメージと思ってください。
たとえば、爆笑問題の大田さんがボケたときは、
すぐにボケだとわかります。
普段から、ボケまくっているイメージが強いからです。
一方、渋い俳優さんがボケても、
ボケだと気づくのに時間がかかります。
笑っていいものかどうか、微妙な空気になるときもあります。
こうした事態を避けるためにも、
普段から、ボケるところを見せておいてください。
少しずつでもボケておけば、
相手に「この人は笑わせるタイプの人だ」
というイメージができあがります。
それが前フリとなって、ボケが伝わりやすくなるのです。
ボケ慣れしていない人は、1日に3回はボケてください。
これを毎日続ければ、
ボケることへの抵抗がなくなっていきます。
すべてのボケをアドリブで出す必要はない。
エンジンオイルのOEMですが、
人間関係をよくする魔法の潤滑油も作ってみたいですね。
アブラカダブラは魔法の潤滑油(笑い)を作ろう。