ベンジャミン・R・バーバー
消費資本主義の落とし子、キッザルト(子供大人)。
消費資本主義は、消費を常に刺激し、
ニーズを生み出す事を駆動力とする。
そこで産み落とされるのがキッザルトだ。
消費する能力を持った大人と、
欲求にしか突き動かされない小児の混合物である。
アメリカの青年向けに、広告業界は年100億ドル以上を
費やす。
市場では食料・飲料水産業だけでも、年500近くの
新製品が投入される。
その結果、人口の1割弱が衝動買いを止められない
中毒症状に罹っている。
人々のニーズを満たす「プル(需要)型」ではなく、
ニーズを創造する「プッシュ(供給)型」の資本主義は、
社会的な成熟を妨げる。
そして、「簡単」「単純」「早い」ことだけを消費基準とする
キッザルトを必要としているのである。
貧者は消費ニーズがあっても、それを埋める糧が無い。
富者は糧があっても、もはやニーズを持っていない。
そうした眩暈のするような非対称性が
デモクラシーを蝕んでいく。
お金持ち相手の商売も難しいですなあ。
満たされていて、何もかも持っているから。
エンジンオイルのOEMは、オイルが消耗するから
成り立っている。救われまんな。