アメリカにおいては300人以上の人たちが

身に覚えのない犯罪で服役したことが証明されたが、

その4分の3の人たちは

目撃者の間違った記憶のせいだった。

私たちの記憶が変えられる、

あるいは変わるという事実はいいことである。

悪い記憶をそれほど悪くない記憶に、

よい記憶はさらによい記憶にできる。

困るのは、状況にネガティブなところを探そうとする

天性の偏見が私たちにあること。

これは私たちに具わった生存本能に由来するもので、

現実には理にかなっている。

あなたは沸騰している熱いやかんに一度でも触れたら、

二度と触れたくないはず。

あなたが何かオンラインで投稿したところ、

コメントが20ほど寄せられたとしよう。

うち19のコメントがポジティブなもので、

1つだけがネガティブなものであったとしても、

私たちの天性の傾向として、

ネガティブな1つに注目してしまう。

多くの俳優が劇評を読まないのは、

ほとんどの劇評が称賛しても、1つネガティブな評があると、

それが頭の中でぐるぐる回り続けるからだ。

同じようにしてネガティブな記憶は私たちを腐食する。

記憶を追い払うことはできないけれど、

ネガティブな記憶を少しでもよい記憶にすることはできる。

記憶を思い起すとき、あなたは記憶をつくり直し、変え、

思え直している。

記憶とは、思い出すたびに変化するものだ。

思い出す出来事は、完璧に書き直されることは絶対にない。

たとえば、全校生徒の前に、立っているのに、

何を言うつもりだったのか忘れてしまったという

記憶があるとしよう。

その出来事が変わるわけではないのだけれど、

その記憶にくっついた情緒は変えられる。

■斎藤一人

「未来は変えられないけど、過去は変えられる」。

過去を変えるとは、「ああいうヒドイことがあったけど、

あのおかげで今がある。感謝だなぁ」と

過去の記憶をよい方にひっくり返すこと。

過去の、「病気や事故」も、「心を傷つけられたこと」も、

「恥ずかしい失敗」も、「嫌な出来事」も、

みんないい思い出に変えることができる。

そして、 失敗は笑いのネタにする。

そして、いいことは「話を盛る」。

あまり盛り過ぎると嘘つきやほら吹きになってしまうが、

人に迷惑をかけず、自分で明るく楽しむ分には

精神衛生上好ましい。

過去の嫌な記憶をことごとく

「いい思い出」に変えていきましょう。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より