ある日、いつも通っているスポーツクラブで

チェックアウトを済ませた私を、

受付スタッフの一人が追いかけてきた。

私は少し驚いて、何か忘れ物でもしたのかと思った。

ところが、彼は私に追いつくと、

近々転職するのでお別れの挨拶をしたかったのだと言うので、

私は驚いた。

彼が受付で働いていた1年間、

彼とは一度も会話したことが無い。

入っていくときに笑顔で「こんにちは」と挨拶し、

出ていくときに「ありがとう」と言う以外、

私は何もしていない。

それにもかかわらず、「いつも親切に接してくださったので、

お礼が言いたかったんです。

あなたがクラブに来られるたびに、

僕は幸せな気持ちになりました」と彼は言う。

特別なことは何もしていないのに、とそのときは思った。

しかし、その翌週、他の会員がチェックインや

チェックアウトの時にどうしているのかを注目してみると、

受付スタッフがそこにいないかのように振る舞う人が

ほとんどであることが分かった。

ボソボソとつぶやくだけの人もいれば、

何も言わず、目も合わせずにメンバーカードとロッカーの鍵を

放り投げる人もいる。

どうりで彼が私の後を追ってくるわけだ。

「目をまっすぐ見て心を通わせる」ことが大事だ。

人と会うときや話をきくとき、

相手の目をまっすぐ見て応えると、

人間関係が必ず良くなるからだ。

人間関係の中で最悪な状態は、「存在の否定」だ。

相手の存在を無視したり、「出ていけ」とか「死ね」、

「バカ」とかの相手を否定する言葉を言ったり、

相手に暴力を振るうことだ。

その反対の「存在の肯定」は、

相手の「目をまっすぐ見て心を通わせる」ことであり、

「笑顔」や、愛ある優しい言葉、和ませる言葉、

元気づける言葉をかけることだ。

人は誰でも、自分の存在を認めてもらいたくて仕方がない。

ほめられたり、感謝されたり、愛されたり、

頼りにされたり、「かっこいい」とか

「素敵だね」と言われたり。

そして、「人から必要とされている」とか

「役に立っている」と感じることで、また頑張れる。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より