「職人は良いリーダーになれない」
スポーツの世界でも、クリエイターの世界でも、
よく言われているが、
この定説を覆し、マネジメントに成功する経営者がいる。
カリスマコピーライターとして一世を風靡し、
株式会社ほぼ日を上場させた糸井重里氏も、そのうちの一人。
お金や報酬、恐怖で動かない時代のマネジメント
生き生きと働くとか、楽しそうに仕事をしているとか、
そういうところを大切にする会社にする。
幸福を基準とした資本主義を実現する。
うちのプロジェクトは、誰かが「これをやりたい」と思ったときに、
もう進んでいる。
そして隣の席の人に「こういうの、どう?」と聞いて、
「私は好きです」となったら、さらに進んで行く。
最初に「企画書を出せ」とか「進捗を報告せよ」ということがない。
女の人の井戸端会議は、共感の山だ。
「そうよねぇ」「わかるわ、それ」という言葉だらけ。
ただ、それだけだと居心地はいいけれど、面白くはならない。
「えっ、そうなの?」「知らなかったわ」という意外なものが
混じってくるほうが面白くなって行く。
たとえば試験の問題を解くとき、慣れた人はすぐに解ける問題を片づけて
60点くらい確保してから、答えのわからない問題にかかる。
だけど、わからない問題から解いてみたら、
あっと驚く答えに行きつく可能性もある。
手間がかかって、ほかの問題にかかれなくて、
10点しか取れないかもしれない。
うちは、取れるかどうかわからない40点を大事にしている。
もっと言えば、誰にも解けない1%の難問に、
あえてつっこんでいくことが重要だと考えている。
へんな問題を解いている最中に、「なに、それ?」「どうなの?」と
周囲に人垣ができるようになれば、そこで入場料が取れる。
「いい」「悪い」で判断するようになると、
みんながどんどん同じになる。
一日一ページに書かれたことは「LIVE=ライブ」だけれど、
それをミルフィーユのように重ねていったら「LIFE=人生」になる。
そういう「LIFE」がつまった手帳は、
それ自体が自叙伝であり、伝記でもある。
ではいまは、人は何に動かされるのか。
人によろこばれているという実感だ。
あるいは仲間がうれしそうにしている、ということ
まず「やさしく」が、おおもとの前提にあり、
「やさしく」を実現する力が「つよく」だ。
その上に、新しい価値となる「おもしろく」をどれだけ生み出せるかが、
会社ほぼ日の特徴だ。
自分身が、かつてマネジメントに対して間違った考え方をしていた。
50歳になるのを目前にして、職人のままやっていくことに限界を感じたが、
年齢を重ねたら重ねたなりの成功の仕方がある。
エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

