カーステン・ゲルミス、独紙元東京特派員

フランクフルトの本社にまで、日本の駐フランクフルト総領事がやってくる。慰安婦問題と戦争責任についての当社の記事を抗議する為だった。森友学園の時も、やって来た。安倍首相が自分を批判するメディアを嫌うのは周知の事だ。友好的な一部の記者やメディアに特ダネが流れることも知られている。

日本の記者クラブは、ドイツには無く、メディア操作をしやすい制度だ。今は、巨大与党で、何もしなくても世論を味方に付ける事が出来る。
それなのに、なおメディアを統制したがるのは狭量である。

日本のメディアは、政府と同じ目線で考え過ぎる。東京電力福島第一原子力発電所の事故の後は、日本の報道や表現があまりに慎重だった。
だから、海外報道の方が真相を知り易かった。特定の真実を報道すべきではないと、権力と同じようにメディアが判断したら国民は知る権利を失ってしまう。日本人は、非常に冷静な国民で、過剰反応は起こさない。何が起こったのかを正確に知ることが国民には重要である。

日本のメディアは、政府べったりと、政府批判に分かれており、真相が見えにくい。ドイツと比べ、自民党の政治家は政策の説明や議論をほとんどしない。何を考えているのか、自分の言葉で考えなければ海外では理解されようがない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より