法然上人、中道の教え

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■『徒然草』より
法然上人は、わが国、浄土宗の開祖である。ある人が法然上人に尋ねた。「念仏をしているとき、どうも眠くなって困ります。どうしたらよいのでしょうか?」すると、法然上人はこう答えられた。「それなら、目が醒めたときに念仏をされるとよい」これは私には嬉しい答えだ。『徒然草』でも、この法然上人の言葉を「いと尊かりけり」と評している 。

■『一百四十五箇条問答』法然上人の問答集より
「酒を飲むのは罪でしょうか?」 といった質問に対して、「本当は飲まない方がよいのですが、世の中の習いです《真には飲むへくもなけれとも、この世の習ひ》」 と答えられた。

修行中、睡魔におそわれたら、股に錐を突き立てて睡魔と闘い、猛烈な修行をつづける人もいる。その態度は立派だ。また、仏教では飲酒が戒律で禁じられているから、絶対に飲まない人もいる。その人もまた立派な修行者である。
しかし、普通の人には、そのような道は歩けない。とうてい、私にも無理だ。そんな私たちには、法然上人の言葉が安らぎになる。ちょっと居眠りをして、目が醒めたらまたお念仏を唱える。そんな姿勢で、人生を歩みたい。

ゼロかイチかという極端な考え方とは別に、その中間の考え方もある。それが、仏教でいう「中道」の教えであり、「いい加減」な生き方と捉える。何が何でも前に進む必要はない。それが、「いい加減」な「良い加減」の生き方。

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