丸岡守、小高朋子

総合スーパーがネットとの戦いで苦しむなか、じつは一部の食品ス
ーパーは堅調な売上をキープしています。

顧客を教育し、一緒に良い商品を育てていく経営は、まさに商人の鏡。

自分が良いと思ったものを売ることができない商売に、いったい何
の意味があるのでしょうか。私はこの疑問を解くために生涯をかけ、
どんなに苦労があっても真っ向から挑み続けようと決めたのです

商品の知名度とおいしさにはまったく関係がない

旬の野菜や果物は、そのときだけしか手に入らないものがあっても
よしとします。少量生産しかできない商品は、欠品したら次の入荷
まで切らすのは仕方がないのです。
「次にその商品に出合える日や季節が待ち遠しくてたまらない」
そう思っていただけるような魅力あるものを揃える努力をしています

私たち小売店の役割は、日々忙しいお客様に代わって個性的で魅力
ある生産者を見つけ出し、その価値をお伝えすることです

ほんのひと握りでいいのです。まるおかを選んでくださる個性的な
お客様にとって、最高の店であることを目指しています

こだわり抜いた商品を適切なサイズで売る──当たり前かもしれませ
んが、とても大切にしていることです

一品一品に真摯に向かう姿勢の積み重ねこそが信用を育む

☆まるおかが考える良い食品の基準
1.食味 2.原料と製造方法 3.添加物や農薬の使用

国産品か輸入品かで区別することはありません。商品に物語性があ
り、本来の製造法である手づくりに近いものが望ましいと考えます。
また、その土地柄や風土から生まれる希少性の高いものなども大切
にしたいところです

まず私は、一般的なブロイラーの鶏肉の取り扱いを廃止することを
決めました

「奈良漬の粕は洗わないでください! おいしさを流してしまいま
す。新六の奈良漬は、新しい酒粕を4度も、水を使わずすべて手作
業で漬け直しをしています」と書きました。

「味覚は10歳までに完成する 子どもには本物の味を」

商品に実印を捺す

「高いな……」そう思う貧乏ぐせは、親から子どもに間違いなく伝わ
るのです。しかし、子どもたちに本当に教えるべきことは価値の判
断基準であり、味の素直さやおいしさです。価格よりも、生産地や
生産者のこだわりや苦労など、教えるべき大切なことはたくさんあ
るのです


必需品であるはずの食品が「売り切り御免」できるようになったと
いうのは、おそらく人々が豊かになり、量より質を求め始めたから
でしょう。

時代が変わった今、中小小売のあり方は大きく変わりつつあります。

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