中古市場が拡大、増収増益とのこと。業績が低迷してきたブックオフが宿敵でもあるフリーマーケットアプリ(フリマ)大手メルカリからの恩恵で業績が復調。中古市場が押し広げられる一方で、商品発送など個人間取引の手間を嫌ってリアル店舗に回帰する消費者が増えている。

「メルカリ疲れ」の影響が出ている。リユース市場は17年約2兆円。25年には3.2兆円に拡大する見込み。フリマアプリの台頭で市場が拡大しブックオフも売上高を拡大する構図が浮かぶ。そして同時に進むのがリアルへの回帰の動き。フリマアプリはスマホで手続きが済む手軽さ。買取価格の優位性がある。だが、フリマアプリは個人間の価格交渉や配送、梱包が必要。この手続きを面倒と考える消費者が実店舗に戻り始めた。

メルカリは「ブックオフに利用者が流れている印象はない」と言うがブックオフの買い取り額とメルカリの売上の伸び率から消費者意識に変化があるとうかがえる数値となっている。

業績復調を受けブックオフは都心部中心に書籍・ブランド品買取の小型店舗を広げ、地方都市では大型店舗出店を再開。キャッシュレス化、ポイント還元などの仕組みも導入する。
ブックオフの先行きには懸念もある。積極投資に関わらず顧客が伸び悩めばシステム投資などが重荷になった過去の二の舞になりかねない。メルカリなどが更なる顧客の囲い込みに動く可能性もある。ネットとリアルの間で揺れ動く消費者の獲得競争は激しくなりそう。

企業は経営をやめるまで勝ち負けはない。常に消費者の動向をチェックし、その変化に対応していく。その時うまくいっていても、飽きられたり、疲れてしまったりしてしまうこともある。その変調や兆しをいち早く察知し、その変化に対応する。規模が大きいというのではなく、変化に柔軟に対応できる商売、サービスが今後更に消費者に支持され、生き残っていく。そのニッチなビジネスは、まだまだある筈。

エンジンオイル、メーカー,OEM仲間の経営塾より