「企業不正は国民性」

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山折哲雄

日本伝統の価値基準では、
正邪や善悪を行動の基準にしない。

一神教で神を恐れるような、
厳しい正邪善悪の感覚を日本人は持っていない。
むしろ日本の社会では、共同体の中での
義理、人情や勇気といった価値観を大切にする。

今日で言えば、会社の為に、
多少悪い事をしても、それで全体が良ければいい。
これが日本人の考え方だ。

ただし、小さな悪は、この程度ならいいだろうと
高をくくっていると、途方も無く肥大化する。
各企業で噴出する問題は、こんな風に
いつの間にか拡大して行ったのだろう。

そもそも大企業こそ、企業戦士たちが
世界中で売りまくっていた際、
常に正しい手順でやってきた訳ではあるまい。

相手を出し抜くのも方便だ。
全体で帳尻が合えばよかったのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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