『奇跡の指導法』

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藤重佳久

「通用するんだよ。
この子たちは大好きな音楽でプロになれる。
でも、それを信じていないから、
普通の社会人になって行くんだ」

この話を聞いて、自分は絶対に後悔しない人生を歩もう、
真っ直ぐに夢に向かって行こう、そう思ったのです。

吹奏楽で全国金賞10回、新赴任先の高校を
1年目で全国大会に導いた、活水学院吹奏楽団音楽総監督、
藤重佳久さんによる、『奇跡の指導法』です。

音楽の「背景」をつかまないと、楽しむことができない

相手に合わせた声の大きさ。相手に合わせた声質。
これらに気を遣いながらあいさつできるかどうかが、
「音楽の質」に直結するのです

生徒が自分の心で感動し、自分の心で喜び、
自分の心で悲しんだことがなければ、
音で表現することはできません。
生徒自身のなかに「伝えたいもの」がなければ、
どんなに優れた技術も意味をなさないのです

指導の第一歩は「いい音」を聞かせること

映像を見ながら、私は生徒たちに
「この演奏はどこがいいと思う?」
「あなたたちの演奏とどこが違う?」と問いかけます。
問いかけると、生徒たちは考えます。
DVDの中の演奏者のように演奏するために、
自分たちはどのような練習を積めばよいのか──。
それを考えるだけで、DVDの中の演奏者たちと
自分たちの「差」は縮まっていきます。
たとえ前年のコンクール優勝校でも
「雲の上の存在」ではなくなるのです

私は、人間としての幸せは、
目標に向かって一生懸命にがんばっている、
その瞬間にあると考えています

意識の低い人には「がんばり方」を教える

個性は「芸術」に必要です。
誰しもが、「あなたはどんな考えで、どうしたいの」って
いうことを聞きたいのです。
そのときにすっと答えが出ない人は、魅力的ではありません

ふと時間が空いたときは、
生徒たちの写真を見ることにしています。
一人ひとりの顔を見ながら、「この子は今日ほめたな」
「この子は、ここ2日ぐらいほめていないかもしれないな。
今日は注目して見てみよう」と確認をするのです

1分あれば練習できる

忍耐力のない生徒にロングトーンを課すのは
的ではありません。
すぐに飽きて、投げ出してしまうからです。
忍耐力のない生徒には、それよりも、
面白い曲をたくさん演奏させるほうが、効果的な指導となります

どうしても勝利至上主義になってしまうのが世の常です。
しかしそれよりも、生徒の今後の人生のために重要なのは、
人間の優しさに触れたり、
本物の感動に出会ったりすることなのです

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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