全ての病気は「口の中」から!

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歯科医師であり、米国抗加齢医学会認定医(歯科医師として日本初)としても活動をしている、森永宏喜氏に「食品と健康」について話を伺った。

〇ヘルシーで健康な食事とはなにか
「健康によい食事ということについての意見は、ときには文化論に置き換えられていたり、しっかりとした科学的根拠に乏しかったりする。」
「健康の敵のように思われがちなコレステロールを例に挙げれば、その医学的根拠とされているものは古いものが多く、主として1990年代の論文なのです。信頼性に疑問があるものも多い。」さらに、その食品の売上にかかわる関係者の発言がベースになっている。本質的な生化学レベルの、また臨床実態に合った食事法について論じる必要性がある。

〇 バラエティーに富んだ食材を摂る
気に入った料理があると、毎日でも食べ続けたいという人がいる。ところが同じものを大量に長期にわたって食べ続けているとしたら考え物である。栄養が偏るモトになることと、食物アレルギーになり易いからである。
「さまざまな食材を食べることは、それだけたくさんの種類の栄養を取り入れることです。ひと口にタンパク質を摂るといっても、牛肉、豚肉、鮭、青魚、大豆、牛乳など、食材が違えば、含まれる栄養素は色々です。同じタンパク質でも、食品によりアミノ酸の種類や量も違います。」
また、バリエーション豊かな食材を組み合わせることで、おいしく効率よく、栄養を摂ることができるようになる。
「唾液の働きを良くするのには亜鉛が有効ですが、その亜鉛の吸収を高めるためには、クエン酸とビタミンCを一緒に摂るのが効果的です。亜鉛がたっぷりのカキにはレモン汁をたっぷりかけて食べると、味わいだけではなく栄養的にも優れているのです。」

〇ファーストフードはやはりNGだった理由
忙しい現代人が簡単にエネルギーを摂る方法。それは精製度の高い食品を短時間で口にすること。ファーストフードが好まれている理由は、その手軽さにある。しかも、素早くカロリーが補給できて、その形状は柔らかく加工度が高いので、あまり噛まずに食べられる。
「HFCS使用の甘いドリンクをセットにしたら、さらに健康を損なうことになります。HFCSは『異性化糖』『ブドウ糖果糖液糖』とも呼ばれています。HFCSが使われたドリンクは病気のリスクを上昇させるという調査結果もあります。」厄介なことは、国が定めた表示義務は成分が分解されていれば、表記義務がないことにある。「異性化糖」「ブドウ糖果糖液糖」は原材料を分解していることから、遺伝子組み換え等の表示義務はない。
米国では、肥満や糖尿病などの原因となり健康を脅かすことから使用禁止運動が広がっている。
「また、ファーストフードやコンビニの加工食品の油脂は、酸化している危険性が大きく、摂取すると体内で活性酸素が発生しやすくなります。ファーストフードの摂りすぎには注意が必要です。」

〇歯科は健康のゲートキーパーである
「近年国内外で、口腔の機能を良好に保つことが生活習慣、食習慣と相まって全身の健康維持に深く関わっているという研究成果が明らかになりました。
しかも、異常が表に表れる前の『未病』状態で歯科が関与すれば、病気の発症を未然に防げる見込みが大きくなってきたのです。
医療・福祉政策もこの方向性に大きく舵を切りつつあるので、歯科がゲートキーパーとして最適という潮流はますます加速していくのではないかと思います。」

エンジンオイル、OEM、アルコール、除菌、マスク。これらをする前に健康の維持は必要不可欠です。そのためにも生かしてもらいたい知識ですね。

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