医師、矢作直樹

《人には「お役目」があると気づけば、嫉妬は遠のく》

■あの人はいいなあという憧れがいつか、

「なぜアイツが」という

負のエネルギーに変わることがあります。

これが嫉妬であり、嫉妬は相対感、

つまり他者と比べることで生まれます。

お金、容姿、地位・立場、実績、家族、恋人、

キャリア、人望など、

嫉妬にはさまざまなものがあり、

その強さも大きかったり小さかったりします。

いずれにせよ、劣等感を勝手に感じ、

自分を信頼していない状態です。

そこで、自分が劣等感を抱く理由、嫉妬する理由を、

少し考えてみましょう。

なぜ腹が立つのか?

なぜ執拗に避けるのか?

なぜ陰口を言いたくなるのか?

自分の中にある淀んだ感情に注目し、

その感情の構成要素を分解してみるのです。

例えば成功者と言われ、

メディアにもしばしば登場する起業家がいるとします。

実家は資産家で容姿も整い、有名大学を卒業し、

大手企業を経て独立・企業、会社は上場を果たし、

といった人物を

目の当たりにして嫉妬する人は多いでしょう。

嫉妬の要素は家庭環境、容姿のコンプレックス、

学歴コンプレックス、

大手企業への就職、独立起業、上場という

絵に描いたような成功者といったあたりでしょうが、

人は人、自分は自分です。

私たちがこの世に生れてきたのは

「個として学ぶ」ためであり、

これが人は人、自分は自分です。

成功者と呼ばれる人にも、それをテレビで見る人にも、

違うお役目があります。

自分のお役目に気づき、お役目をまっとうすることが

唯一の使命です。

誰かに対して劣等感を感じるのではなく、

今の自分をよくチェックしてください。

仕事は楽しいのか、恋愛は楽しいのか、

親や子や友人と一緒にいて楽しいのか。

もし楽しいと感じないなら、

どうすれば楽しくなるかを想像してみてください。

今の自分が楽しければ、誰かに嫉妬することもなくなり、

相対感は自然と消えるのではないでしょうか。

過去を後悔する時間があるなら、

これからの生活をイメージしてください。

誰かにSNSで「いいね!」するのと同じように、

もっと自分に「いいね!」できるはずです。

■『これまでの著書で私は、

この世への輪廻転生について書いてきました。

人間は皆、転生を繰り返すものであり、

それはこの世でいろいろと学ぶため、と。

一人ひとりが異なる条件を背負ってお役目を与えられ、

日々精進している、

というのがこの世の実相と考えています。

そう考えれば、たとえ苦境におちいって

一時的に落ち込むことはあっても、

その落ち込みを引きずって生きる必要はありません。

落ち込んだ経験は、あの世に戻った時の土産話の一つ

となるにすぎないのです。

ですから、一つのことに落ち込んだままでいることなく、

多様な経験をすべきだと思います。』

■「人生とは何ですか」との問いに今東光氏はこう答えた。

『人生というのは冥土までの暇つぶしだよ』

人生には、辛いことや、悲しいこと、嫌なことや、

猛烈に嫉妬することもある。

しかし、輪廻転生があると思うなら、

すべてのことは、この世で学ぶために起きたこと。

だからこそ、「このことがあってよかった」

「これがあったから今の自分がある」と感謝することもできる。

そして、そんなこんなを、面白おかしく楽しむことができたら、

「冥途までの暇つぶし」の境地に達することができる。

『人にはそれぞれ「お役目」がある』

自分のお役目に気づき、自分の使命をまっとうしましょう。

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