ランディ・オルソン
自然現象を解明しようとする科学の議論は複雑だ。
そうした研究の目的や成果を人々に伝える場面で
事実をそのまま並べたからといって
「はいそうですか」とは行かない。
受け手が退屈すれば最後まで付き合ってもらえないし、
混乱すれば誤解を生みかねない。
事実を並べる方程式の説明には物語が欠如している。
そこには、長年人々を魅了する物語について
試行錯誤を重ねてきたハリウッドの知見が活用できる。
古代の「ギルガメシュ叙事詩」以来の物語に
共通の構造をABTとまとめた。
文1→そしてand→文2→だがbut→文3
→したがってtherefore→文4
前提が発展して問題が生じそれを解決する。
日本語でいう起承転結だ。
あれもこれもと欲張りたくなるところ、
大きな1本の筋を通すのもポイントだ。
これこそは人の興味を引きながら
混乱を避ける物語の構造である。
実際、優れた科学論文にも使われている。
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