カルビーは、顧客からのクレームを消費者からの

貴重な情報提供の機会として捉え、

会社全体して、それらを経営に活用する精神を貫いている。

それは言葉づかいにも表れている。

カルビーでは顧客からのクレームを、

ご指摘と呼んでいるほか、

指摘に対して行う行動を処理ではなく対応と呼ぶ。

クレーム処理と考えているうちは、

顧客の不満を鎮める行動になるのに対して

ご指摘の対応と考えると

顧客に満足感を提供する行動に繋がる。

物事をどう捉えるかでその後の動きは大きく変わる。

苦情を寄せてきた客が製品や会社から離れて行くのではなくて

逆にそれをきっかけに信頼を深め、

これまで以上にファンになってくれるという

望ましい循環に持って行くこともできる。

カルビーもこうした考えが最初からできたわけではない。

2000年代初めに起きた2つの大きな失敗の経験を経て

顧客の信頼や信用を取り戻すには

どうすれば良いのかについて知恵を絞り、

苦闘した経緯があったからこそである。

その結果、企業活動は顧客に支えられていることを再認識し、

お客様相談室の体制を再構築するきっかけとなった。

本社から支店への情報伝達のルール、

顧客への報告までの各種プロセスなども整えた。

顧客から寄せられる様々な意見や要望について

社内で共有する仕組みを整備し、

商品改善や品質向上につなげている。

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