小林正観

20代後半の独身の女性が、私のところに相談にきました。

相談の内容は、次のようなものでした。

よく当たると評判の、ある占い師のところに行ったら、

「あなたは2年後にとても素敵な男性と出会って、

3年後には結婚します」と言われたのだそうです。

彼女はとても喜びました。

そして、さらに確信を得ようと、

また別の、よく当たると大人気の占い師のところに

行ってみてもらったそうです。

すると、その占い師には、

「あなたは2年以内にとても大きな病気をし、

3年後には命にかかわることになるかもしれません」

と言われたというのです。

彼女はとても落ち込んでしまって、

「どちらを信じたらいいのか分かりりません。

そのことばかり頭の中をぐるぐるとめぐってしまうのです。

私は幸せになれるのでしょうか、

それとも死ぬのでしょうか」と相談にきたのでした。

私の答えは簡単です。

その占い師の、まわりにいる人たちを見ればいい。

まわりにいる人たちが、笑顔で、幸せそうで、

楽しそうに過ごしているかどうかを、見ればいいのです。

聖なる占い師は、見た目は普通の格好をしています。

そして、まわりには、笑顔で、

幸せそうな人たちがいっぱいいます。

とてもいい仲間に囲まれている。

そして、いつも「楽しくなる予言」をしています。

一方で、当たらない占い師は、どういう人か。

過度に荘厳で、重々しく、

威厳に満ちた姿、形、格好をしている人が多いのです。

そしてまわりには、笑顔で幸せそうな人はいない。

どこか不幸そうで、悲しく、まったく笑顔のない人たちに

囲まれているのです。

「楽しいことを予言」する占い師さんのまわりには、

たくさんの幸せそうな人たちがいる。

なぜかというと、その聖なる占い師さんは、

いつも人が「楽しくなるように、幸せになるように」と

いう願いを投げかけているからです。

だから、その占い師さんもとても笑顔に満ち、

幸せな人生を送っているし、

まわりにいる人たちも

とても幸せそうな人生を送っているのです。

一方、「悪いことを予言」する占い師さんのまわりには、

たくさんの不幸そうな人たちがいます。

悪い予言をした瞬間、予言をしたその人は、

無意識に相手の身にそれが実現するように

期待してしまうのです。

そうなってもらわなければ、自分の占いが当たりません。

当たるようにと願って、悪い予言を口にする。

当然、投げかけたものは返ってくるので、

その占い師自身も幸せにならないし、

まわりにいる人たちも面倒な人生を歩むことになるのです。

その法則がわかったら、

どちらの占い師を信じたらいいのか、答えは明白です。

幸せになりたいのなら、幸せな予言をしてくれる

占い師さんを信じればいいのです。

「楽しいことを予言」する占い師さんのまわりには、

たくさんの幸せそうな人たちがいて、

「悪いことを予言」する占い師さんのまわりには、

たくさんの不幸そうな人たちがいる、という法則は何も、

占い師に限った話ではない。

楽しいことや面白いことばかり言っている人のまわりには、

幸せそうな人たちがいて、

暗くて悲観的なことばかり言っている人のまわりには、

不幸そうな人たちがいる。

「友を見ればその人が分かる。

人脈というのは、いわば偏差値であって

レベルの高い人の周りには、それだけの人が集まる。

そしてその欠点をカバーしてくれる仲間を持つ」

と言ったのは松下幸之助(パナソニック創業者)氏。

本書では、それを、

「人の悪口を言わない人には、

悪口を言わない友人が集まってきますし、

人の悪口ばかりを言っている人には、

悪口ばかりを言う友人が集まります。

毎日が嬉しくて楽しい、と思っている人は、

そう思って過ごしている幸せな友人に囲まれる。

私たちは、自分にちょうどいい人に囲まれています」

と書いている。

自分の配偶者も、友だちも、会社も、すべてが、

自分にちょうどいい人に囲まれている。

いつも、笑顔で、幸せそうな仲間に囲まれる人に。

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