『寝てもとれない疲れをとる』

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中根一

食事、入浴、就寝はどの順番でするのが正解でしょうか?
答えは、「入浴→食事→就寝」の順番。

なぜなら入浴は交感神経モードで、食事は副交感神経モード、
就寝も副交感神経モードで、切り替えがシンプルなほど、
体はスムーズに休息モードに入るから。

ちょっとしたことで結果が変わるのは、
ダイエットも疲労回復も同じですね。

舌の色をチェック
血の気がなく白っぽくなっている→胃腸が弱っています
赤みが目立っている→食べすぎの傾向があります
赤みが黒くくすんでいる→血流が滞り気味です

舌の苔をチェック
苔が黄色っぽい→カロリーのとりすぎです
苔が分厚くなっている→水の代謝が落ちていて、体が冷え気味です
ところどころ苔が剥がれている→胃腸が弱っています

「夜遅くに食べる」をやめるだけで胃腸が蘇る

汗のかきすぎはかえって慢性疲労の原因となることもある。
この理由は、体内の「ミネラル」にあります。
代表的なミネラルとして知られている
マグネシウムや亜鉛、鉄は、
体内で行なわれている様々な代謝に欠かせませんが、
体内ではつくることができません。
過剰に体外に排出されないようにコントロールしながら、
毎日の食事で適切な量を摂取する必要があるわけです。
しかし、たとえばナトリウムは体液や筋肉の働きの調整に
欠かせないものですが、こういったミネラルは
汗をかきすぎると体外に排出されてしまいます。
それに伴って体内の代謝サイクルが滞り、
疲労が抜けなくなってしまうのです

注意が必要なのは、蒸し暑い空間で行なう「ホットヨガ」です

「金属」タイプに効果のあるツボは、
手の下側、手首の辺りです。
刺激する回数は、尺沢は5回、
それ以外は3回程度がオススメです。
・少商(しょうしょう):喉痛、頭がぼーっとする
【手の親指の爪の、人差し指とは反対の生え際】
・魚際(ぎょさい):喉痛、咳
【親指の付け根にある盛り上がりの中央】
・太淵(たいえん):のぼせ
【手首を曲げるとできるシワの親指側のくぼみ】
・経渠(けいきょ):喘息、痔
【太淵から3cmほど、ひじのほうに下がった部分】
・尺沢:肩こり
【ひじを曲げるとできるシワの親指側のくぼみ】

「熱はないのに、熱っぽい」というときは、
体が「陰=休息」不足を訴えている

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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図で考える。シンプルになる。

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櫻田潤

頭で「図」を思い浮かべ、それを見ながら話す
これなら、どんなに緊張しても話す内容を忘れることはないし、
聴き手にも論点が伝わりやすくなります。

図で考えるときは、大事なところが浮かび上がるようにします

人に何かを伝える際には「視点」が必要

小手先のテクニックを磨くのではなく、
図にする対象への理解を深めなければいけません

〇思考を磨き上げる「7つの図」
1.交換の図
2.ツリーの図
3.深掘りの図
4.比較の図
5.段取りの図
6.重なりの図
7.ピラミッドの図

「どのような登場人物が、何を交換しているか」。
これを理解することは、ビジネスパーソンの必須スキル

「交換の図」を使って小売ビジネスの仕組みを見極める
STEP1 登場人物をパーツ化する
STEP2 交換の矢印を書く
STEP3 交換内容を書く

「売上=客単価×客数」という構造を知っていれば、
どちらか、あるいは両方にテコ入れが必要とわかります。
「客単価」アップだけを考えれば、
セット販売の導入などが有効かもしれません。
「客数」アップだけを考えれば、値引きが効果的でしょう。
ただし、それによって
もう片方がダウンする可能性があるので、
気を配る必要があります。
そういったことを考えやすいのも、
構造を「見える化」したおかげです

「共通点」を見つける4つのコツ
切り口1.共通語から考える
切り口2.売り場から考える
切り口3.機能から考える
切り口4.見た目から考える

組織や自分が何を目指すのか。
「ピラミッドの図」を使うと端的にまとまります

結果を出せる人は、フレームワークであれ、図解技術であれ、
アイデア発想術であれ、決まって結果を導き出せる
「ツール」を持っています。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『ある日突然40億円の借金を背負う── それでも人生はなんとかなる。』

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湯澤剛

追いつめられた状況で、
心が弱っているときに意思決定をする場合には、
その動機をよくよく自問自答するべきだろう

創業経営者というのは、ピンチを拡大均衡で乗り切ろうとしがち

創業者というのは、会社を自分の子供のように
育ててきたわけだから、どうしても思い入れが出て、
目が曇る。
合理的に考えれば答えは明らかなのに、
「創業1号店はつぶせない」とか
「この社員は動かせない」といった判断が出てくる

創業者は拡大の中で充実感を持ち出店していく一方で、
撤退するときのことも考えておかなくては
後を引き継ぐ者が大変である

私は日記を欠かさずつけている。
辛いことがあると、もっと厳しい状況を乗り越えてきた
過去の日記を読み返すことで、
目の前の問題に立ち向かう勇気を得られるのだ。
書き続けるうち、辛いことがあった日の日記の最後には
「これも絶対乗り越えられる」と記すのが習慣になった

〇正気を保つ方法
1.自分の心の状態を常に把握する努力
2.言葉遣い
3.自分が見るもの、聞くものに気を配る
4.原因を自分に探すこと
5.宇宙に思いを馳せること

懺悔の念を払拭するには、
がんばっている社員に報いる会社をつくるしかない

「人が輝く」とは、働く仲間が物質的・精神的に豊かになり、
幸せになることである

中小企業は、「大企業になれなかった会社」ではない。
「大企業になる前の段階にある弱い会社」でもない。
私は、社会の一隅を照らすことが中小企業の役割だと
思っている。
「特定の分野に特化していく」といい換えてもいい

「大企業はいいよなって? それは全然違うよ。
自分を卑下することはない。
おまえたちは地域に必要な存在なんだ」

もう一度、立ち上がってみませんか。
「これ以上はとても無理だ、
もう終わりだ、死んだほうがいい──」
そう思っていても、もう一度だけ、立ち上がってみませんか。

経営者は9割メンタルだ

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『京都のおばあちゃんに学んだお金の神さんに好かれる知恵』

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熊谷和海

京都のお金持ちおばあちゃん3人から薫陶を受け、
年収220万円から資産5億円になったという著者

会社経営で年商4億5千万円を実現し、
その後、不動産投資を始めて約5億円の資産形成。

・一万円貯まったら銀行口座に移す
・「お金を貯める日」を決める
・お金の使い道を「受け身」から「自分の目的」に変える
・価値が下がらないのは“燃えへんもん”と“少ないもん”

「何があかんって、そのザルのような生活や。
そっから直さんことには、お金の神さんに好かれるかい」
(金ばあちゃん)

「おまえさんのこうとるもん(買っているもの)は
『ごもくひろい』みたいや。気分次第で、お金をつことる
(使っている)と、お金の神さんに好かれへん。
お金をつことる(使っている)本人が、
お金に振り回されとるんや」
(金ばあちゃん)

夢や未来のためなら、お金が貯められる

「仕事ができる人、気遣いのできる人に
靴下の穴があいとるお人はおりゃしません」
(銀ばあちゃん)

お金に好かれている人のお財布は「3ない」です。
「3ない」とは
「小銭が少ない」「カードが少ない」「レシートが少ない」

お金の使い道を「受け身」から「自分の目的」に
変えたとたん、
くすぶりつづけていた自分の人生が動き出した

「価値の下がらないもんとは“燃えへんもん”と“少ないもん”や。
いざってときのために、
お金に換わるものを身につけておきなはれ」

「先にもらおうとせんと、いま、自分のできることで、
相手にまず喜んでもらいなさい。たらいの水の法則ですわ」
(緑ばあちゃん)

〇京都・信頼の3か条
1.話を聞く 2.ほめる 3.値切らない

自分の家の前、一軒分だけそうじすると、「自分だけの人」。
となりの家の前、二軒先までそうじすると、「嫌みな人」。
一軒半先だと「心遣いのある人」……。

お金の流れをつくるには、順序があります。
1.ひとつの仕事を最低3年は続ける
2.クレジットヒストリー、銀行の信用をつくる
3.貯金と自分に対する投資を意識する
4.銀行から融資をしてもらう
5.不動産投資をし家賃収入で暮らす
6.投資物件をお嫁に出す
7.新しい物件を仕入れる

「知らないあいだに余計なものを支払っていないか?」
「高い契約のまま、ほったらかしにしているところがないか?」

人間は、現状維持の生き物ですから、
お金まわりは時々見直すことが必要です。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『クルマを捨ててこそ地方は甦る』

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藤井聡
第2次および第3次安倍内閣・内閣官房参与で、
防災・減災ニューディール担当

クルマ社会化=モータリゼーションが進めば、
鉄道やバスなどの公共交通産業が打撃を受け、
駅前は寂れ、
郊外型の大型ショッピングセンターだけが繁栄する。
ところがその大型ショッピングセンターは
地域外の大資本であって、地域経済への還元率は低い。

つまり、地方はクルマ社会化することによって、
富をどんどん地域外に流出していた。

筆者の研究室の調べでは、地元商店街では
使ったオカネの5割から6割が地元に還元されるのだが、
大型ショッピングセンターでは、
1割から2割程度しか地元には還ってこない。
その大半は、地域外に流出するのだ

道からクルマを追い出せば、人が溢れる

歩行者を対象とした心理調査により、
「商店街でクルマとすれ違うことで、
楽しい気分が失われてしまう」という実態が
明らかになっている

「歩行者天国」の最大の魅力はクルマがない、
ということだが、そこにはもう一つの大きな魅力がある。
それは「賑わいがある」ということだ。
賑わいとは、人がたくさん集まり、活気ある状況をいう

そもそもクルマが走っているような道では、
親は子供の手をつないだり抱っこしたりしておかないと
危ない。
結果、子供たちは好きに歩き回る自由が制約されてしまう。
お母さんたちにしてみても、
子供を守るためにずっと「緊張」していなければならない

歩道拡幅の効果は、それだけにはとどまらない。
その結果、より多くの人々が四条通りを訪れるようになった。
歩行者調査によれば、四条通りの毎月の歩行者数は、
歩道拡張前と比べて1~2割程度増加している

日本中で最も「高密度な都市」が形成されている
東京23区では、
現在、すべての移動に占める、クルマでの移動の割合
(一般に、自動車分担率といわれる)は、
わずか11%にすぎない(平成20年時点)。
つまり、東京の人たちの移動の実に9割が電車か徒歩だ。
一方で、全国各地で同様の調査を行なったところ、
地方都市圏のクルマでの移動のシェアは、実に58%に上る

広く薄い都市化と税収減で「行政サービス」が劣化する

富山市は街の中心部に約90億円弱のLRT投資を行なって、
それを「軸」として薄く広く拡大した
市街地のコンパクト化を図った

言うまでもなく、こうした新しい人の流れは
「新しいビジネスチャンス」を生み出す。
実際、富山港にある国指定重要文化財である
北前船廻船問屋「森屋」の入場者数は、
LRT開通後、一気に3.5倍に増加している

平成28年1月時点で、環状線(セントラム)沿線を中心に、
4.9~7.5%もの地価上昇率が確認されている

人口減少時代に「集中」するというのは、
戦略的には正しいと思っています。

強者は日本国内で弱者をいじめるのではなく、
海外に雄飛して外貨を稼ぐのが本来の筋であり、
地方のマーケットは地元の中小零細企業に任せておくのが良い。

実際、著者の研究でも、地元で消費する方が地方経済への
還元が大きいということがわかっている。
(大資本のお店で消費すると、富が流出してしまう)

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『京大式DEEP THINKING』

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川上浩司

「深く考える」とは、たとえば未知のものを目にしたとき、
それは何かを、考えて考えて考え抜いたすえに、
まったく新しい概念が自分の中に形作られることだ

既知のものであっても、新たな面を見ようと
思案する道筋そのものが「深い思考」となり、
それによって発想の転換も促される

ビジネスパーソンは、決して「ライン生産方式」で
働いているつもりはないだろう。
少なくとも「何も考えない歯車になりたい」と
夢見る人は滅多にいない。
だが皮肉なことに、便利さと効率ばかりを追求していると、
ビジネスパーソンも日々の仕事を
「ライン生産方式」かのようにこなすようになってしまう

点を取るには大量の知識をインプットする「勉強」が必要で、
深く考えていたらその効率は下がる。
「本当か?」と深掘りしている時間があるなら、
問題集の答えや解法を鵜呑みにして量を稼ぐほうが得策だ。
結果として、「深く考える」ことが
おろそかになってしまいがちである

「即応即答」で考える力はつかない

「目の前のものは、すでに自分の中にある概念と同じだ」と
認識・確認する作業が、一般に私たちがいつもしている
「考える」作業のほとんど
これは乱暴にいえば、目の前のことと
自分の知識の答え合わせみたいなものだ。
だから、「考える」だけなら時間はかからない反面、
新しい着想は生まれにくい

「深く考える」とは「一工程、意識する」こと

「セル生産方式」といわれる
すべての工程に1人の人間が関わる進め方だと
1から10まで自分が関係することになるので、
各タスクの意味が自分事としてわかる

ユニークという要素とは「価値がある答え」に不可欠なもの

約束事が不可欠な仕事の世界に、
鉛筆でメモを取るという「物との約束」を介在させるのは、
意外にも信頼感を補強する方法として合理性がある

「人との約束」がどこにもかしこにも入り込んでいる世界。
いつなんどき、「嘘」になっても不思議はない世界。
これは脅しでも冗談でもない。
私たちはこれから、そういう世界を生きることになるのだ。
いや、すでに生きているのである

「実感」は「意識する」ことにつながり、
「意識する」ことは「深く考える」ことにつながっていく

「客観と主観の切り替え」で説明レベルを上げる

「減る」というのはまさに「物のコトワリ」だから、
自分とモノとのインタラクション(関わり)において
実感を乗っけてくれる

「手段」を引いて一瞬不便にすることは、
「何か自分で工夫しよう」
と能動的かつ深く考えるチャンス

「より信じるために少し疑う」という姿勢を持とう

断片的な事が多く、体系的な「DEEP THINKING」と
いうものは存在しないことがわかります。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『頭に来てもアホとは戦うな!』

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田村耕太郎

皮肉なもので、人は学べば学ぶほど、
他者の至らない点が目につくものですが、
それをアウトプットしてしまうと、
人生においてはかえってマイナス。

学んだ人ほど、「アホ」と戦わない技術を
身につけるべきなのです。

・怒りとか憤り、ましてや仕返しなど無駄で後ろ向きなこと
・悪い奴ほど出世する
・日本のような嫉妬社会ではアホが出世しやすい
・アホと戦うのは人生の無駄
・責任感を感じているなら、組織のためならば、
戦ってはいけない。
 相手を気持ちよくさせて組織のために誘導しないといけない
・成功する人の共通の特性は、常に「自分を見失わない」

悪い奴ほど出世する。どうやら真理と善悪とは別である。
私が知る限り、少なくとも
成功する人は善悪ではなく真理を追求している。
いい人生を送りたかったら、
善悪の判断はできた方がいいが、
善悪、もっといえば勧善懲悪にこだわってはいけない

悔しい過去にこだわり、未来を犠牲にするか、
それとも、成功するための真理に集中するのか

残念ながら、日本のような嫉妬社会ではアホが出世しやすい。
能力がある人格者は、出世する途中で
多数のアホに足を引っ張られて潰される可能性が高いからだ

「質の高い仕事をする」というプライドを持ち、
手抜きをしたい自分と戦いながら仕事を続けていけば、
相手が馬鹿にしてくるようなことはないし、
それでもなめてくるような相手とは仕事をしなければいい。
プライドやメンツをつぶされた? それがどうした?
そんなものどうでもいいのである

成功すると、いろんな意図を持った人が持ち上げに来る。
そういう称賛の声は素直に受けた方がいいが、
決して真に受けないことだ

ライバルへの仕返しは、相手の力を利用して
こちらにメリットがあることを実現してしまう方が建設的だ

実のところ、生意気な人間が好きな人は、
限りなく少ないと思う。
たいていの人は従順そうな人間が好きなのだ

忍耐といってもずっと我慢しろというわけではない。
即答、即応してはいけないといっているのであり、
まず嫌なことがあっても、グッと受け止めることに
忍耐力を使うべきである

伝説のボクサー、モハメド・アリが最大のライバルであった
ジョージ・フォアマンに対して使った戦術である。
彼は、ずっとやられたフリをしてフォアマンを調子づかせ、
疲れさせ、最後の最後で全力で反撃して相手を驚かせ、
狼狽させながらKOで仕留めたのである

仕事に敵という発想はいらない

事を成すために、経営者だろうが、学者だろうが、
政治家だろうが、行政官だろうが、必要な能力がある。
それは「相手の気持ちを見抜く力」だ

困っていなくても困った顔をせよ

間違っても負け組に乗らないこと

人生は学んだだけでは成功できない。
スキルを磨いてもなお、人間という壁がある。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『2022年、「働き方」はこうなる』

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磯山友幸

本当に「正社員」は働き手にとって素晴らしい制度なのだろうか

長期休暇を阻害する「一斉休業」

新卒から四十歳までの雇用は保障するが、
そこから先は自己責任。
四十歳までにスキルを磨いて
労働市場の中でひとり立ちできるように頑張るのです
(柳川範之教授の論)

ただし、四十歳で「新たな勝負」をするためには、
重要なことがある。「学び直し」だ。
報告書でも「生涯教育」として、
常にスキルアップすることの重要性が強調されている

青野氏が社長を務めるサイボウズはユニークな働き方を認める
企業として有名だ。
「人は人らしく生きるために働くのではないでしょうか。
ところが今の社会では、会社という『法人』が
生身の人間に様々な命令を出してくるわけです
『何時から何時まで働け』とか、
『転勤せよ』とか、『副業はするな』とか。
なぜ、『法人』がそんな権限を持つのか、
注目して考えるべきだと思っています」

企業が終身雇用を守り続けることが難しくなってきた今、
会社員自らが「五十代のリセット」を選択できるような
生き方をする。それが新しい働き方かもしれない

社長を辞めたら、さっさと会社を去って、
むしろ他の会社で社外取締役などになった方がいい

「人手を使うサービス」は、
価格を引き上げていくことになるだろう。
良いサービスは高い、というのが当たり前の時代になる

野村総研の調査では、「代替可能性が低い」職種も
列挙している。
アートディレクター、アナウンサー、エコノミスト、医師、
作曲家、教員、テレビタレント、ソムリエ、美容師、鍼灸師、
料理研究家、旅行会社カウンター係、レストラン支配人などなど

サービス職でも「人が直接対応することが
質・価値の向上につながる
高付加価値なサービスに係る仕事」は増える

「人しかできない事」「人がやって高い料金を得られる事」に
思い切って人材をシフトしていこう

柳川範之教授の「40歳定年制」と、
正社員雇用を疑うこと、
そして「50歳からの起業」
よく考えたら、人は大学を卒業して社会人になったら
「あとは自分で稼げ」と言われるわけで、
これがサラリーマンを40歳までやって、
「あとは独立して稼げ」になってもおかしくないわけですよね。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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〈ITのしくみ〉を知ればできることの範囲が変わる

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古瀬 幸広

ここ数年、とても気になっているのが、
この社会にITをきちんと学ぶ機会がないことです。
ITは、社用車を颯爽と運転して
仕事をこなすのと同じような役割を果たすのに、
教習所もなければ、わかりやすいテキストもない。
企業の管理職や経営者といった年代の人たちにとってみれば、
インターネットという言葉にやっとなじんだかと思うと、
もう「クラウド」ですから、
右往左往した上、
すべての関連情報を拒否したくなるのもわかります。

若い世代も不幸です。複雑なシステムを
いきなり提示されるから、
学ぶにも、どこから手を付ければいいか分からない。
どの世代にとっても、若い社員も経営者も、
系統立ててコンピューターやITを教わる機会がないのが
不幸だと思います。

その点では私は幸運で、大学生のときに、
生まれたてのパーソナルコンピューターと出会いました。
シンプルな構造の8ビットCPUの時代です。
そこから16ビットCPU、32ビットCPU、64ビットCPUと
進歩し、システムも複雑化するわけですが、
自分自身の知識もコンピューターの進化に伴って、
徐々に増えています。

インターネットについてもそうで、
パソコン通信の時代から通信になじみ、
インターネットと出会い、
ウェブ技術がまだ生まれていないときから、
コンピューターをネットにつないでいます。
もう、時代がカリキュラムそのもの。
ITを基礎の基礎から学ぶことができました。

ITを使いこなすには、仕組みの理解、本質の把握が必須です。
いまではマウスでアイコンをクリックするだけで
いろんなことができるけれども、
情報を二進数で表すこと、
つまりデジタル化の本質がわかっていないと、
コンピューターを上手に使えない。

例えば、メールの文字化けの理由も、
見当がつかないわけです。
トラブルが起きたときにも差が出る。
仕組みがわからないと、リスクの管理もできない。
サイバー攻撃にも無力だし、
個人情報漏洩で会社を倒産の危機にさらしたりします。
この状態はしばらく変わらないでしょう。
「だいたいITが不完全すぎるのだ」と批判したくもなりますが、
正確には、ITを学ぶカリキュラムの不在を
批判すべきなんです。これは業界の怠慢だと思います。

コンピューターのさまざまな可能性を切り捨てて、
特定の用途に使えればいいと
割り切ってしまうやり方もあります。
これはこれで、投資対効果がはっきりしていて、
なかなかいい。
例えば、昔のワープロ専用機ですね。
用途がはっきりしていて、効果も見積もれる。
コンピューターも、「ワープロソフトと表計算ソフトしか
使わない」と決めてかかれば、
ワープロ専用機と同じように使えます。
仕事の内容によっては、そういう使い方でもいいわけです。

つまり、ITには大きな選択肢がふたつある。
第一は、特定用途の道具と割り切って、
その範囲内で使うこと。
第二は、情報漏洩などのリスクをマネジメントしながら、
創造性を発揮する道具として使うことです。
どちらがいいという問題ではない。
この二つを意識して使い分けるセンスが、
経営者に求められています。

カリキュラムの不在を、自分たちで補う努力も必要でしょう。
ひとつのアドバイスは、「社員のスキルを疑え」です。
ある会社にExcelのプロによる講習会を勧めたことがあります。
経営者の返答は、
「教えてもらわなくても、
うちの社員はExcelを使えている!」でした。
私はその会社の社員の様子を見て、勧めたのです。
Excelで方眼紙を作り、数字をセルに記入した後、
電卓を叩いて結果を入力していましたから。
Excelが画面に表示されているからといって、
上手に使いこなし、知的生産性を高めているとは限りません。

ある意味、Excelは試金石になるシステムでしょう。
特定用途の道具と割り切ることも、
創造性を発揮する道具として使うこともできる。
分かれ目は変数です。
変数にすべきところは変数にしたシートを作ることで、
売上予測やシミュレーションに活用できます。
消費税が5%から8%に変わっても、
「消費税率」を変数にしておけば、
一カ所の変更で帳票全体の数字が
正しく修正されるようなシートになる。
変数を適切に使いこなせないと、
なにかあるたびにすべてやりなおしです。

経営者自身が、Excelを「創造性を発揮するツール」であると
認識することが重要です。
でないと、「きれいな表をつくるのに便利なソフト」という
位置づけで終わる。
特定用途の道具として使い始めながらも、
創造性を発揮する道具として使いこなすことを
目標とすべきでしょうし、
それを意識できれば、
ITに詳しい若い世代をがっかりさせることもないはずです。

脱線しますが、「ヒトだけが火を使える」と
よく言われますけれども、
もうひとつ重要なことを見逃している。塩です。
動物の中で、塩を使いこなせたのも、ヒトだけです。
塩を使うと食べ物を保存できるだけでなく、
発酵食品という形で、
微生物を体内にとり入れることができました。
微生物が腸内で消化を助ける共生関係ができ、
消化の負担が減り、
血液を脳の進化に回すことができたわけです。

進化した脳は次に車輪を発明します。
ヒトが使う道具の多くは自然界にモデルがありますが、
車輪はオリジナル。
いまでも活躍していますね。
そして、蒸気機関の発明と石炭・石油のような
低エントロピーのエネルギー資源の開発が
世の中を変えました。これが産業革命です。

こうした文明史的な目でみると、
情報の二進数化、すなわちデジタル化と
そのネットワーク化こそが、産業革命に匹敵するような
知的産業革命を引き起こす大きな変化のように思えます。
コンピューターを使ったら便利だとか、
能率がよくなるといった矮小な評価にとどまるから、
教育への投資もつい節約してしまう。
そうではなくて、構造変革が引き起こされており、
その波は間違いなく自分たちの組織も巻き込んでいる、と
認識することが重要です。

とても卑近な例では、注文の変化ですね。
いまどきウェブページもなく、メールも届かないようでは、
発注も来ないでしょう。
一昔前、ファクスが普及したのも、同じ理由でした。
今回はその上に、社員一人ひとりの知的生産性の差異が
つきつけられています。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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怒りは本当に敵なのか

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米山 公啓

カッとなって判断力が鈍り、感情的な決断をしてしまう
というのはよくあることだが、
本当に怒りはいけないものなのだろうか。

〇怒りで脳はどうなっているか

感情が高まるとき、脳の中ではノルアドレナリンが
過剰に分泌される。
本人の感覚では頭がカーッとなっている感じである。
そんな時には冷静な判断ができなくなって、
かえって損な選択をすることもある。
だから「怒りは敵と思え」ということになる。

しかし、怒りによって脳の働きは活性化されて、
うまく利用すれば普段の能力よりも
すばらしい結果をもたらすこともできる。
扁桃体と呼ばれる脳の部分があり、
ここは感情センサーであり、
コントロールをするところでもある。

例えば、考えている時間がない危機的な状況では、
考える前に行動しなければならない時もある。
誰かに襲われそうになったら戦うか逃げるかと考えるが、
扁桃体は運動神経に命令を送って
体を反応させることができる。
大脳皮質まで情報を送って分析していたら
遅くて間に合わないとき、
即対応しなければいけないときには、
脅威に対して怒りで反応する扁桃体の働きが
重要な意味を持ってくるわけだ。

〇長い怒りは脳にマイナス

カッとなって怒ってしまうが、
そのあとは根に持たないという上司であれば、
部下もむしろ安心して仕事が続けられる。
怒りをずっと持ち続けることは、
脳にとってストレスを生み出すことになり、
脳の機能も落ちてきてしまう。

怒るときはあくまでも一時的な行動であると認識すべきだ。
常に怒っているという状況は部下にも自分にも
大きなストレスを作ってしまうことになり、
脳の機能は低下してしまう。

〇悔しさをうまく使う

怒りより、悔しいという感情は
もう少し弱い状態であろう。
これは「悔しさをバネにして」という言葉があるように、
仕事などへのモチベーションとなっていく。

大きな成功を得た人は必ずといっていいほど、
自分の悔しさを仕事へのモチベーションに切り替えている。
これは脳にある否定的な感情を、
うまくドーパミン系の働きに切り替えているからだ。
悔しさを晴らすことが快感となっているので、
仕事への情熱が継続するのだ。

〇怒りを忘れてしまった現代

現在では、感情にまかせて部下を叱れば
パワハラということになってしまい、
なかなか部下を叱ることができなくなった。

しかし、人間の感情はそう簡単に抑えることができない。
理性を作り出す大脳皮質は、
扁桃体から送られてくる怒りの感情を
必ずうまく抑え込めるとも限らず、
時には机を叩き、相手に怒鳴り散らしてしまう。

上に立てば立つほど、怒りたくなる場合が増えてくるが、
それをコントロールして直接部下にぶつけるのではなく、
自分の脳の中の葛藤にすべきである。
優秀な上司ほど感情をコントロールできるのだ。
ある意味、精神的にタフな脳が必要になってくる。

世界のトップに君臨するプロテニスプレーヤーは、
自分の感情を常に抑え、失敗に対しても顔色一つ変えない。
あのすばらしい精神力がなければ、
トップにはいられないのだ。
怒りは決して悪いものではないが、
それをコントロールする脳を持っていてこそ、
優秀な経営者たりえる。

〇怒りのしずめ方

(1)口にする前に6秒待つ

怒りが持続するのは想像以上に短いので、
ちょっと間を置くことで、感情的にならないですむ。

(2)その場から離れ、10分歩いてみる

ノルアドレナリンが過剰に脳の中で出てしまえば
コントロール不能となるので、
素早くその場から離れ、ウォーキングしてみる。
歩けばセロトニンも増えて、脳が冷静さを取り戻す。

(3)怒る理由や価値を考える

なぜここで怒るのか、感情を表す前に、
その理由を考えることで時間が経ち、
怒りも収まってくる。

(4)怒ったあとのことを考える

部下を叱ってしまったあと、
それを修復するには時間もかかり、
いま我慢する方がずっと楽だと思えば、
感情は収まってくる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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