命知と天理

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 住原則也

天理教徒には強い使命観があり、それが人の態度や行動に決定的な違いを作り出している。
通念だけでは駄目だ、一般的な事業もまた、強い使命観を持つことが必要であると学んだ。

そして感得した自身の使命観とは水道哲学だ。産業界が生産活動を通じて、水道水のように商品を潤沢に無尽蔵に供給することができれば安い価格になり、貧しい人でも手にすることができる。
これは、貧乏を克服することであり、それこそ産業人として目指すべきである真使命だ。

幸之助氏は、「宗教道徳の精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まって、初めて人生の幸福が安定する。
宗教と産業は、いわば両輪となって広く社会の人々を幸福にできる。産業もまた宗教に負けない聖なる経営である。」と結論づけた。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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細胞に学ぶ人生の意味

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 福岡伸一

生命現象は創発のかたまりだ。個々の細胞はそれぞれ、分解と合成、酸化と還元、吸収と排出を粛々と行っているに過ぎない。

がしかし、ひとび細胞が集合すると、とたんに特異的な形態や運動が生まれる。それぞれの細胞に差異や個性はない。形態も内容も同じだ。細胞はこれから何にでもなり得るけれども、まだ何にもなり得ず、自分の未来も見定められない、完全な未分化状態にある。
それぞれの細胞が持つDNAも、その細胞が将来何になるのか、指令が書かれているわけではない。DNAには細胞で使われるタンパク質の設計図が書き込まれているだけで、未来や運命が記されているわけではない。

しかし、この時点で、細胞たちは極めて重要なことを行っている。顕微鏡で観察すると、細胞の塊は互いに密着し、たえず細かく震えながら、おしくらまんじゅうをしている。実は、細胞たちは互いに自分の周りの空気を読んでいるのである。そして細胞間で交信している。
この会話が細胞内に伝えられ、その結果、それぞれの細胞の設計図において、どの部品が使われるべきなのかが選択される。こうして細胞の個性が決められていく。細胞の運命は、細胞内にあらかじめ宿っているわけではなく、細胞と細胞の相互作用によって初めて決定される。

つまり、生命の創発は、要素の中にあるのではなく、要素と要素の間から生み出されているのである。これは私たちの人生にも似ている。自分が何者であるかの答えは、自分の中にあるのではなく他者との関係性にこそあるのだ。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「コミュ障」だった僕が学んだ話し方

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吉田照美

自分がコミュニケーション障害だったのは、
過剰な自意識が原因だった。
コンプレックスを引け目に感じ過ぎたあまり、
人前でうまく話せなくなった。

背伸びをして自分を良く見せようとしないことが大事。
むしろ、欠点を認めることでプレッシャーは減る。

自慢話は禁句。
失敗談の方が聴く側にも共感される。
コンプレックスにきちんと向き合う事で、
自分自身の欠点を克服できる。

お手本は、いくらでもある。
落語もいいし、方言を使うのもいい。
その人なりの突破口さえ見つかれば、楽に話せる。

上手く伝えようと身構えず、
思っていることを素直に言葉にすれば、
人間関係そのものが円滑になる。

人生に無駄なことなど無い。話し方もしかり。
無駄とされるものが、相手に響くこともあるからだ。
フィギュアスケートのイナバウアーは、
得点にならない演技。
しかし、それが全体の印象を決めたように。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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Hit Refresh

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全体に公開
みんなの日記

サティア・ナデラ(マイクロソフトCEO)変革の時代。
急速な競争環境の変化から、組織の変革が必要だ。

従来と違ったリーダーシップが変革の軸となる。
〇成長に向けたマインドセット
〇社員、顧客からすべてを学ぶ姿勢
〇多様性の重視

著者は、「人に力を与えたい」という
マイクロソフトの魂を再発見した。
ライバル企業の後塵を拝していたマイクロソフトを
再びデジタル革命の主役に押し上げた。

押し上げた要諦は、共感力。
漠然とした顧客ニーズを洞察・共感する力を
全社員にエンバワーし、
新たな企業文化を創り上げることを目指した。

リーダー自身が明確なビジョンを確立する。
共感を軸として企業文化を創っていく事が、
社員をモチベートし、企業の発展を推進する原動力となる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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人への投資

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 翁百合、日本総合研究所理事長

気候変動や格差拡大などの社会的課題を解決しつつ長期的に企業価値の向上に取り組まねばならない。
格差問題では従業員が、気候変動問題では子供たち未来世代がステークホルダーとなる。今後の企業経営では、株主だけでなく、多様なステークホルダーへの目線も考える必要がある。

グリーン投資や人への投資を含む無形資産投資が一層重要になってくる。中でもキーとなるのは、人への投資だ。画期的なイノベーションを起こす人材を育成する高等教育が特に大切で、これは大学に求められる。民間企業にはリカレント教育やリスキル教育が期待されている。

積極的労働政策が何よりも重要だ。失業者や起業に失敗した人が再就職のための研修や教育を受けられる制度だ。これは単なる一時的な金銭的支援に終わらず、より良い仕事への就職も支援する制度だ。
日本はしっかりと積極的労働政策を打ち出し、人を支えながら、将来性のある新産業にシフトさせていかねばならない。

人への投資を行う企業には優秀な人材が集まるという好循環が生まれる。このため、機関投資家は将来性を判断するデータとして起業の人材育成に注目している。
つまり、企業の無形資産投資は、企業価値の向上+社会的課題の解決という一石二鳥の経営戦略だ。企業は人件費をコストと考えがちだが、人への投資と捉え直してほしい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「辛い時、笑いなさい」

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昇幹夫  

これは、ドイツの諺です。

真面目な人の考え方は、すべて「良いと悪い」
「正しいと正しくない」と決めつける事です。
判断するの「判」は、一刀両断、
スパッと切り離すという意味です。

社会に出ると、実際には、それが出来ない事ばかりだと
分かるようになります。
子供から大人になるとは、そういう事ですね。

この世は思うようにならないからこそ意味がある。
と、理解できれば、気持ちが楽になります。

あなたの悩み、困った事は、
あなたにとって試されたことなんです。
その悩みは、後で振り返ると、絶妙な時期に怒ります。

必死になってやるだけやって、
人事を尽くして天命を待つ。
八方手を尽くして、これ以上出来ないというところまで
貴方はやりましたか?

適当な所で、これでいいやと妥協する生き方を、
これまでやってきたのではありませんか?
天は見ています。

望みどおりの結果と言うのは、実は長い目で見たら
あなたにとって決していい事ではなかった。
そんな事が人生にはあるのです。

この事実から目を背けたい、逃げ出したい。
誰だって人生の途上で、それに遭遇します。

辛い事が在っても、日々笑い楽しめば
きっといいことがあります。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「人生劇場の名優を目指す」

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昇幹夫

ネアカであり続けることは、非常に強い意志を必要とします。真面目とは違う「非真面目」というのもあるんです。

氷が溶けたら何になる?もちろん水。でも、他の答えもある。春になる。素敵な感性でしょう。これを日常にも応用するんです。
誰しも自分の人生劇場で、いろんな役をこなし生きている。会社での顔、友人の前での顔、連れ合いの前での顔、子供の前での顔。それぞれ役割を演じている。真面目な人は、どれも同じ顔をしている。自分は、大根役者だと自認しているからだ。

名優の様に、いろんな顔を演じ分けてみよう。人生劇場で、あなたは主役。だったら名優を演じてごらんなさい。
観客にも、あなたの辛さが分かるように、これ以上ないという辛い役をやってごらんなさい。そのままずっと、それを演じ続けられますか。
落ちるだけ落ちたら、笑うしかない。不思議な諺でしょう。どん底まで落ちたら、泣くんじゃない。笑うしかないのです。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「寛容な大阪」

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町田康

作家デビューした当初は、砕けた文体が酷評された。文学と言えば高尚なもので、まず道筋や理屈を書かないといけないと考えてしまいがち。ところが、人間の行動というものは、実は突拍子で説明もつかない。

「ほんでな、ほんでな」と横滑りして行くのが大阪弁の特徴だ。脈絡のない話や行動を何でもつないでしまう大阪弁の口語的な流れが、とりとめのない人間の生き方を表現する上でちょうど良かった。

今の世の中は、社会や人々に「理路整然であること」を求めている。息苦しさを感じている人には、物事を、建前よりも、本音や実感から組み立てる大阪の文化を見習えばいい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「生きてるだけでいい」

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田中宏幸
吉本興業代表取締役専務

歳を取っていても、下っ端でも、禿ていてもいいのだ。
そのどこが悪いのだ、という開き直りが、
お客さんを一番元気づけているのではないか。

言い換えると、人間の多様性を認めることが
笑いに繋がっているのではないか。
どんな格好でも、生きているだけでいいのだという
安心感が底にあるのではないかと感じた。

心は筋肉の様に鍛える事はできないのではないか。
どんなに強そうな人も、
心には軟らかい部分があるように思える。

「笑い」は人間の弱い所や醜い所も全部認めた上で、
生きていく元気をふんわりとくれるものではないか。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「本音、実感の大阪文化」

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町田康

吉本新喜劇は、個人の矮小な欲望が全開だ。
くだらないけれど、笑ってしまう。

長年支持されているのは、
「よくぞ、言ってくれた」と共感できるからだ。

真実というものは、常に瞬間的なもの。
しかし、そのまま口にすると台無しになる。
思想や論理といった建前の後ろ盾が必要だから。

建前ばかりが先に立つと、
逆らえない正論や規制に縛られてしまい、
社会に面白味がなくなってしまう。

大阪人は、誰かが口に出してしまう。
瞬間的な真実に忠実だ。
そんな点では、大阪人はとてもすがすがしい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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