『大富豪からの手紙』

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本田健

誰にでも起きている「偶然の魔法」を、自分の人生を飛躍させるために使えなければ、ワクワクするような人生は望めない「成功に必要なことは、なんですか?」と聞かれることがよくあった。
私は、「決めることだ」と答えてきた。なぜなら「決断することなしには、何も動かない」からだ。進学、就職、転職、結婚、独立などに関して、「決断をせず」に先延ばしにしていると、ごく目先の安全や安定は得られても、心が躍るような人生にはならないんだ「決断した瞬間」に、「その未来は、同時に誕生する」

「決められないこと」は、キミの人生にやってこない
「平面の上で、右へ行くか左へ行くか」という決断ではなく、「1つ上の階層から見て、その意識で決断できるかどうか」で、キミは、まったく違う世界へと、ジャンプできるんだよ

「不安のコスト」=「手に入ったかもしれない最高の未来」

理性ではよくわからないときでも、「心と体で得た直感に、人生をゆだねる勇気」を持つこと大切なのはね、「直感の決断が正しいかどうかは、気にしないこと」だ。なぜなら、「選んだ後に、全力を尽くすこと」が大切で、それさえできれば、たいていの事はなんとかなるからね

この世界には、2とおりの人間がいるんやで。人生の大切なもののために行動できる人間と、行動できない人間や

『自分の器』を超えてお金を手に入れてしまうと、人は不幸になってしまうんだ

キミが持っている中で、いちばんの才能で勝負する

モテる奴は、こちらから追いかけるのではなく、追いかけられるんだよ。『恋も、仕事も、お金も、欲しがって追いかけると、逃げられる』んだ

どんな人にとっても、人生で最高の喜びは、「誰かに何かをしてあげて、感謝されること」であり、それこそが、つまり「仕事の醍醐味」なんだよ。そういう生き方をしないと、人生に意味を見出せなくなってしまう
人を好きになってもらいたい。そして、人に好かれる人になってほしい

「最高の未来」を手に入れるための決断のヒント現時点で「何を、どう決めたらいいか、わからない」ならば、「最高の未来を手に入れる」と決めてしまえばいい
「目の前にある選択肢の中から、良さそうなもの(ベター)を選び続ける」かぎり、心からワクワクする人生は送れない。

最高の未来は、いつも、今の意識の外にある

「僕は本当は「人生はお金じゃない」って伝えたいんです。でも、それじゃ誰も読まないでしょう? だからあえてお金から入って、やがて本田健の著作シリーズを通して、最後に『お金じゃない』って伝えたい」

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『JALで学んだミスをふせぐ仕事術』

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小林宏之

「人と違ったことをしたい」という「欲」がミスを生む私たちは仕事に慣れ、これが軌道に乗ると「これくらいは大丈夫だ」と基本を無視して自分なりのやり方でやってしまったり、確認を怠りがちになる

「あそこで確認しておけば、あのようなことは起こらなかったのに」というトラブルが、多く報道されています
100回やっても1000回やっても間違えない準備をする

もしイメージしていないリスクに遭遇したら、現場の仕事はいったいどうなるでしょう。おそらく行き当たりばったりの対応になり、ミスが発生しやすくなると思います

集中するということは、その他の作業を「いったん捨てる技術」でもある

「機械を使う人がミスをする」という前提に立って、「ミスをしない環境づくり」をしておく

非常時にはたった1つのことを最優先する

〇情報の3原則
・アンテナ 
・スクリーニング 
・行動力

〇4つの目でミスをふせぐ
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」「心の目」
最後は必ず「目視」する

ミスを指摘されたら「ありがとう」を口ぐせにする

〇確実なコミュニケーションのための「5つのC」
clear(明確に)Correct(正確に)Complete(完全な)Concise(簡潔な)Confirm(確認をする)

先人の暗黙知を知ることが、ミスをふせぎ確実な仕事をするうえで武器になる

決断に迷ったら「人に嫌われる」ほうを選択する

緊急時は絶対に100点を目指さない

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『運は人柄』

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鍋島雅治

見返りを考えてかけた恩というものは、
受けた身からしたら少し複雑な気持ちになりますよね。
ありがたいことはありがたいのだけど、
どこか利用されているようでもあって
なんだかいい気はしない。
そんなことでは、「愛嬌」や「可愛げ」には
つながりにくいのです。
となれば、やっぱり見返りは求めないほうがいい

結果は、一番には変わりないものの、
大賞なしのまたしても準入選。
小池先生のお帰りを待ってそのことを報告すると、
先生は嘆息して
「バカだなぁ編集者ってヤツらは、
大学受験みたいに切り捨てるための賞じゃなく、
才能を拾い上げるための賞じゃないか。
すまないな、オレが出席していれば
間違いなく大賞をやれたのにな」とおっしゃったのです。
その言葉だけで感無量で、
大賞を取ったよりもうれしく涙ぐんでいると、
小池先生はわたしの肩に手をあて、
こうも言われました。
「だが鍋島、大賞は1回こっきりの100万円だ。
だがお前は3回受賞して1回50万円。
計150万円で大賞を上回る、いわば“賞金王”じゃないか。
大賞は何人もいるが、賞金王はおまえただひとりだ。
これは威張っていいぞ! 胸を張れ!」
わたしは、涙が止まりませんでした。
小池先生のこのときの言葉が、
のちのわたしの矜持である、
人を言葉で励まして生きていこう、
頑張っている人を応援していこう、
という生き方の芯をつくった

小池先生は、最後にMさんに対して、こう言います。
「おまえは真剣度が足りない。
作家はそれぐらい、どんなことであっても
いちいち深く考えるものなんだ。考えろ。もっと考えろ。
感じてる場合じゃない。考えるんだ」

いろいろな人を幸せにしようということは、
いろいろな人とかかわることでもある。
“縁の引き出し”が多くなり、
結果的にその後の好運やよい流れを
引き込みやすいことにもつながる

目の前の損得などではなく、
「好き」を判断基準にすることも、
運と人柄をよくする方法のひとつかもしれません。
それは継続のなによりの原動力になるからです

以前、高橋先生は、あるインタビューで
「なぜ結婚を考えなかったのか」と問われ、
こう答えていました。
「だって、漫画を描いている時間が人生で一番楽しい時間で、
その楽しい時間で自分の人生を埋め尽くしたんだから、
わたしは幸せ者だったのです」

自分の目を覚まさせてくれたのは、高橋留美子先生でした。
高橋先生はこう言います。
「本当のプロは自分の作品に自信を持つものだし、
読者はきっとそれを理解してくれると思っている」

「あれほどまでに勉強したのだから、
うまくいかないはずがない」
「あれほどまでに練習したのだから、勝てないわけがない」
これは努力さえすれば手に入れられる自信です

そもそも人生なんてそんな楽なものじゃないと思っていて、
「ならば大変なほうを選ぼうじゃないか」と
自らそういう道を選んでいる

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『新しい買い物』

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無印良品コミュニティデザインチーム株式会社良品計画代表取締役会長の金井政明氏と、WEB事業部部長の川名常海氏、無印良品のスマートフォンアプリ「MUJI passport」を手掛けたユニット・ワン代表の勝部健太郎氏による対談。

日本においてモノが売れなくなった時、企業は大きく2つの方向に舵を切りました。ひとつは、ブランドをつくろうという方向、もうひとつは、とにかく値段を下げようという方向です。どちらもそれなりの成果を収めましたが、今はどちらも苦しい。

こうした「企業目線」の考え方(資本の論理)ではなく、「生活者目線」で消費をとらえることを提案しており、「新しい買い物」とは何か、その本質に迫る。

『お客さまには「うれしさ」を売りなさい』「使うとき」がうれしいとき、でも売り手はその肝心の使う時にお客の側にいない、まさに買っていただいてから、お客様がうれしい瞬間をサポートし続けるのが、これからの企業のあり方。

生活者の目線で見たときに、本当にいい商品とはどういうものなのか。つまりは「人間の論理」ですが、むしろそれが「資本の論理」より優先されるべきだと考えたんです(金井)

1個、1個が素なもの、ある意味で「ふつうなもの」であることをめざしています。それぞれが余計な主張をせず、つかう人に染まっていくような……(金井)

ぼくらは、その地域ごとの嗜好性にかかわるようなところで商品をつくろうとしてはいないんです。いうなれば、無印良品の商品は、水のような位置づけですね。世界には、ワインもあれば、ビールもあるし、オレンジジュースも、コカ・コーラもある。でも、そのベースになる水は共通したものでかまわない。ぼくらはそういう存在をめざしたい(金井)

特定の商品のシェアを無理に伸ばそうとすると、どうしても美意識の部分がぼやけてしまう。だから、ひとりの人の生活のなかで、同じ美意識を活かしてもらえる場面を増やしていこうと考えたんです(金井)

もう余計なモノを買いたくないと多くの人が思いはじめているし、いまの10代や20代の若者たちにいたっては、失われた10年だか、20年だかという長い消費不況を経験したり、環境問題への意識が高まったりで、とても堅実でエコ意識も高い(川名)

「最高」「最安」より「最愛」

「買う人」たちはいま、「買い物」を通じて、3つの価値を得ようとしています。それは「共感性」と「体験性」、「共創性」です(川名)

もはやブランドは演出されたイメージによって拵えるものではない(勝部)

「ウケるもの」より「いいと信じるもの」企業はやっぱり、自分たちの商品の先に文化がつくられていく可能性があることを、もっと意識したほうがいい(勝部)

大切なのは、「買った人」がよりよい体験をして、共創を通じて、よりよい価値を享受できるようにサポートしていくこと(勝部)

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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私のリーダー論

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竹内康雄

リーダーは企業の価値を高め、変革する。私がイメージしているリーダー像は何でもかんでも変えることではなく、的確な手を打つ中で企業価値を次々と高めることにある。社員がやる気にならないと企業価値は高まらない。究極的にCEOの役割は社員をやる気にさせること、そして組織を活性化させることです。

オリンパスの規模だと約3万人の社員が世界中にいて、その取引先も含めて一枚岩になってもらう必要がある。世の中に貢献するという目標に向けて、オーケストラの指揮のようにできれば一番強い。
まず企業理念やパーパス(存在意義)、コアバリューを作りました。どんな事業を提供しているかどうかに関係なく、皆で心を1つするためには、やる気が起こらないとできません。そしてやる気を起こしてもらうには、オリンパスで働きたいという気持ちが必要になる。そのためには、オリンパスにはキャリアを作る中にチャンスがあると明確に示すことが重要です。

複数の事業を抱えることで企業価値が下がるコングロマリット・ディスカウントが指摘されていた。
オリンパスは技術発で成り立っている会社のため、事業同士にあまり関連性が無い。一つ一つの事業はしっかりしているので強いが、コーポレートマネジメントとして事業の価値を高める活動をやってこなかった。その結果、オリンパスはサイロ(縦割りの組織)が強くなってしまい、お互いの事業が独立して助け合うことも、お互いを知ることもなかった。販売ネットワークもともかくバラバラだった。全体を考えることが大切だというのは頭で分かっていても、個別最適が大事だと現場は主張する。その姿はグローバル企業のイメージとはかなり違っていた。最大公約数のように理念が作られていた。こうしたオリンパスの課題を何とかしなくてはいけない、とずっと考えていた。

自分自身が経営側に回ったので、あえて逃げられないようにしました。自分にも会社にも高い目標を設けた。日本流の企業統治(コーポレートガギナンス)では、逃げ道をいっぱい作っている。オリンパスもかつてはそんな状態で不正を隠してしまったことで、みんなに迷惑をかけてしまった。
まず経営戦略で営業利益20%という高い目標を設定しました。そのうえで米運用会社バリューアクト・キャピタル出身のロバート・ヘイル氏を社外取締役に迎えました。会社のガバナンスを指名委員会設置会社にし、取締役の多様性を高めた。社外取締役が増えたことで、執行側にとって、ハードルも高くなった。

デジタルカメラなどの映像事業を売却し、選択と集中を進めてきた。
あのまま映像事業がオリンパスの中にあっても、たぶん事業として潰れていただろう。だから、事業としして生きている間に切り離して別の道を行ってもらう。事業の価値を高め、存続してもらうことが重要と判断して実行した。
こうした手を考えてきたことで、医療事業を強化する戦略が、より明確になりグローバル・メドテックカンパニーになると宣言することができた。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『性格スキル──人生を決める5つの能力』

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鶴光太郎・慶應義塾大学大学院商学研究科教授

最近の研究では、学力や偏差値のような「頭の良さ」(認知スキル)だけでなく、むしろテストでは測れない「性格スキル」が人生の成功に影響することがわかっている
「性格スキル」には、いわゆる「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる5つの要素(「開放性」「真面目さ」「外向性」「協調性」「精神的安定性」)がある

日本の親は、ともすれば認知スキルを上げることばかりに執着しがちですが、実際の成功は、この「性格スキル」が握っています。
アメリカと日本で、「協調性」が成功に与える影響が違う

性格スキルの獲得は8~9歳から10~11歳が最も大きい
性格スキルは認知スキルに比べ後年でも伸びしろがあるので、青年時の矯正は性格スキルに集中すべき
性格スキルと認知スキルの関係については、ヘックマン氏らは、性格スキルが高ければ認知スキルは伸びやすいが、その逆は必ずしも明らかではないことを強調している

恵まれない環境に育ったり、行動に問題のある若者に対しては、学力や知識といった認知スキルを向上させることよりも、前述のようにその根源にある性格スキルを伸ばしてあげること

性格スキルの賃金への影響は認知スキルの賃金への影響のなんと2.5~4倍に及ぶことがわかった
それぞれの因子と仕事の成果との平均的な相関係数をみると、「真面目さ」の0.22に対し、「外向性」は0.13、「精神的安定性」は0.08、「協調性」は0.07、「開放性」は0.04となっており、関連の強さではビッグ・ファイブの中で「真面目さ」が一番高い
明るさ、社交性を示す「外向性」と仕事の成果との相関係数はプロフェッショナル(学者、医師、弁護士等)の場合、マイナスであるが、管理職、営業職では0.18、0.15と業種の中では最も高い

性格スキルの年間所得への影響については、日本の場合、男性では年間所得に対し「協調性」が正の相関関係であるのに対し、アメリカでは男性、女性とも負の相関関係となっている
社交性は飲酒に結びつきやすいが、喫煙とは関係がない

犯罪を起こさないためにも「真面目さ」と「協調性」を高めることが重要
「真面目さ」、「開放性」が高い人ほど学歴も高くなる
「社会的優越」、「真面目さ」、「精神的安定性」、「協調性」は長い人生を通じて伸び続けることがわかる。
一方、「開放性」、「社会的バイタリティ」は10代で伸びるが後の人生ではむしろ低下

重要だったのは、「困難に負けずに立ち向かう」「絶対にあきらめない」という態度

〇労働市場の評価に大きな影響を与える躾(4つの基本的なモラル)
「うそをついてはいけない」
「他人に親切にする」
「ルールを守る」
「勉強をする」

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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お金・時間・他人にコントロールされない生き方

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望月俊孝

人生は、3つのことだけすればいい
ステップ1 まず、「私には価値がある」と自覚すること
ステップ2 その価値を味わうこと
ステップ3 その価値を広げていくこと

「本人以上に、本人の明るい未来と可能性を信じる」
僕が、人に会う時に必ず心がけていることです

問題や目的を明確にすれば、具体的な質問が生まれる。具体的な質問さえすれば、適切な答えがやがて見つかります人生の問題は、たったの3つ
問題1 「過去の残像」にとらわれて生きている
問題2 「未来の不安」を先取りして生きている
問題3 「現在の安住」の中に、がんじがらめになっている

安心領域を「確かなものにする」人生です。
その人は、安心領域を「広げていく」ことを選びます。この行為を「冒険」と呼びます。当然、行動・選択・人間関係の幅は格段に広がっていきます

段々と狭いコミュニティに入っていく人も出てきます。その狭いコミュニティゆえに、絶えず仲間の目が氣になります。いつしか彼らの承認や言動に価値を置いてしまうようになるのです
主体性とは、幸せのスイッチを自分で持ち続けることである

〇古今東西、あらゆる人々が関心を持つ人生の3大テーマ
A パートナーシップ
B 健康
C 豊かさ
1.あなたが得られるものは、あなたのエネルギーの高さで決まる
2.たとえ何かを得ても、受け取るあなたが健康でエネルギッシュでなければ、   すべてを失うことになる
「リスクを背負う提案」だけが相手を動かす

〇「癒し」の力を身につける究極の3つのステップ
ステップ1 過去の自分と対話する
ステップ2 未来の理想の自分と対話する
ステップ3 今この瞬間の自分と対話する
信じるなら、未来の自分だけを信じよう

人間は、生きている限り自信やエネルギー、目標が必要になるもの。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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世界最高の人生戦略書 孫子

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守屋洋

テクノロジーの進化に振り回されず生きる超AI時代の基本

経営をしていると、つい強気になったり虚勢を張ったり、無理なことをしてしまいがちですが、『孫子』はそうした行為を強く戒めています。

〇『孫子』の兵法の大原則
一、戦わずして勝つ。
一、勝算なきは戦わず。

松下幸之助の『道をひらく』が、素直になるための基本書だとすれば、『孫子』は、慎重になるための基本書と言っていい。

勝てない相手は選ぶな百戦百勝するのは、ある意味で簡単なことだ。相手を選べばいいのである自分の勝てない相手を知る──これこそ「彼を知る」の意味にほかならない
敵を攻め破り、敵城を奪取しても、戦争目的を達成できなければ、結果は失敗である
戦上手は、無理なく自然に勝つ。だから、勝ってもその知謀は人目につかず、その勇敢さは人から称賛されることはない
万全の態勢を固めて敵の不備につけこむ者は勝つ
敵が大軍であったら、分断して連絡を断ち、そこに攻撃をかける。これなら彼我の兵力比を逆転させることができる

「恒勝に五あり。
主を得て制を専らにすれば勝つ。
道を知れば勝つ。
衆を得れば勝つ。左右和すれば勝つ。
敵を量り険を計れば勝つ」
(孫ぴん兵法)

最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破ってこれを封じ込めることである。
これに次ぐのは、敵の同盟関係を分断して孤立させること。
第三は戦火を交えること。そして最低の策は、城攻めに訴えることである

戦争のやり方は、せんじつめれば、「正」と「奇」の組み合わせにすぎない
勝算がなければ撤退せよ
利に合するのは簡単だが、利に合しないときの対応こそ、成功と失敗を分ける鍵勝算もなくやみくもに戦う軍は必ず敗れる
長期戦は避けよ
わざと遠回りをして敵を安心させ、敵よりも早く目的地に達し、不利を有利に変える
補給なくして勝利はない
敵を追いつめてはならない

協力し合うことや、シェアすることの重要性が強調される今日ではありますが、人間の社会から競争がなくなることは考えにくい。であれば、やはり処世術として、戦略は学んでおくべき。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『「捨てる」「思い切る」で人生がラクになる』

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精神科医、斎藤茂太

「人の集まり」の中で活動するときは、「我」は捨てたほうがいいものの1つだろう。いつも「我」を出していると、「自分勝手」「傍若無人」「わがまま」などの、ありがたくない評価をちょうだいし、ケンカの火種となりやすい。たくさんの人たちの中でうまくやっていこうと思ったら、人と折り合ってゆく努力をしなければならない。

ただし、「我」は捨てたほうがいいけれど、完全に捨て去ってはいけない、とひと言つけ加えておこう。「過剰適応」という言葉がある。我を捨てて、周囲に自分を合わせようとがんばり過ぎた結果、心身の健康に支障をきたすようになる…心の病のひとつだ。人と一緒にいるときは元気にふるまっているが、ひとりになるとどっと疲れ、不安感につきまとわれ、わけもなくイライラして、ひどくなると夜眠れなくなり、頭痛や動悸がおこり、息苦しくなり…ひと口でいえば、自律神経の働きに問題が生じてくるのだ。とくに日本人は、この過剰適応を起こす傾向が強いようだ。それは日本が前にならえ、横にならえの社会であることが大いに関与していると思う。

ちなみに過剰適応を起こしやすい性格的な特徴は、次のようなものだ。
「人に好かれたい、いい人でありたい、という気持ちが強い」
「人の言葉や流行、マスコミなどに影響を受けやすい」
「がんばり屋さんで、神経質」
「リラックスして人と接することができない。緊張する」
「趣味がない。自分ならではの世界や楽しみがない」

もちろん人とうまくつき合い、世の中と上手に折り合うことは大切だ。しかし、心のどこかに「私は私よ、みんなが私と違う考えを持っていたとしても知ったことじゃない。ほっといてよ」という心境を持たなければならない。これを口に出して表明せよ、というのではない。そういう「我」は、心の中に納めたまま、大切にしてほしい。刃を鞘(さや)に納めるように、である。

『ピカソは、「オレの絵をどう思う?」などとは聞かなかった。「オレの絵をどう思うかは、おまえの勝手だ」と言っていたという』
我々はつい、人の評価や評判を気にし、ちょっと批判されたくらいで、クシュンとなってしまいがちだ。いい人でいたい、という思いが強いからだ。しかしながら、全ての人に好かれることなど絶対にできない。普通は、5割の人に好かれれば、5割の人には好かれない。どんなに人格者であろうと、批判者は常にいる。ときには「我」も必要だ。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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『競争からちょっと離れると、人生はうまくいく』

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曹洞宗徳雄山建功寺住職、枡野俊明

座禅をしていると、いろいろな気づきがあります。ふだんは気づかなかった、小鳥のさえずりや風のそよぎ、季節の香りといったものが感じられるのです。「風がこんなにあたたかくなっていたのか。そうか、もう、春だからな」「キンモクセイのいい香りが漂ってくる。秋を連れてきてくれたんだな」と、そんな思いが心に広がります。

日常生活の中で、心はどうしても「なにか」にとらわれています。仕事のことであったり、家族のことであったり、恋愛のことであったり…。そのことがとどまっていて心が縛られてしまっている、といってもいいでしょう。じっと座っていると、とどまっているものが溶け出していき、心がふ~っとゆるみます。禅語でいう「身心脱落(しんじんだつらく)」。ここでいう「脱落」とは「解脱」という意味で、一切合切を放下(ほうげ)し、なんの執着もない、という「自由無碍(じゆうむげ)」の境地を指します。なにものにもとらわれない、心をとどめない自在な状態になるのです。ですから、気づかなかったことに気づくことになったり、見えなかったものが見えてきたりするのだと思います。

それとは逆に、心を縛りつけるのが「競争」です。「同期に負けてなんかいられない。課長ポストを最初に手に入れるぞ」「お隣よりいい車を買わないと、プライドにかかわる」「ブランド品の数では彼女に絶対勝たなくっちゃ」…他人と競う思いが心を縛るのです。しかし、必ずしも思いどおりになるとは限りませんから、今度は屈辱感や挫折感、嫉妬心、無力感といったものが、心にのしかかってくることになります。

心を縛るものからどう解放されるか。「あきらめる」ことがひとつの方法かもしれません。ギブアップするのではありません。うまく「手放す」のです。「勝ちたい」「負けたくない」という思いをいったんあきらめる。少しのあいだ脇に置いてみる。ちょっとそこから離れてみる。すると、必ず、気づくこと、見えてくるものがあるはずです。

道元禅師の言葉に、「放てば手にみてり」というものがあります。欲や執着を手放したとき、本当に大切なものが手に入る、ということです。たとえば、ポスト争いに躍起になっていたときには気づかなかった、自分の仕事のすばらしさに気づくかもしれません。「自分が売っていたこの商品は、顧客にこんなふうに喜ばれていたのか。よし、もっと自信をもって営業に回ろう」お隣と競い合っていたときには見えなかった、家族の本当の幸せといったものが見えてくることもあるでしょう。「高級車を買ってローンの支払いに頭を悩ませるなんてバカげているな。いまの車を大事にして、ときには食事に行ったり、旅行に出かけたり、家族で一緒に過ごす時間をたくさんつくろう」あるいは、ブランド漁りをしているときには知らなかった、ものへの愛着が芽生えるかもしれません。「本当に気に入ったものを大切に使うって、こんなに心地のよいものなんだわ」

どうやら、上手に「あきらめる」ことには、座禅にも匹敵するような作用があるようですね。禅は実践。ぜひ、すぐにも上手に「あきらめる」ことに取りかかってください。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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