日本の形

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岡本全勝

日本は、先進国に追いついた。今や、課題は足元で発生する。いじめ、子供の貧困、高齢者の孤立、過疎、空家、耕作放棄地・・・日本は課題優先国になった。高齢化は、日本が先頭を走る。外国に視察に行くのではなく、国内の過疎の村へ行った方が実態が分かる。いや、行かなくても、多くの街で現実は進んでいる。自治体がこの課題を解決し、世界のお手本になるべきだろう。

政府から先進国をモデルにした指示は来ない。手本がないので試行錯誤になる。自治体が先を走る分野もある。例えば、増える定住外国人との共生がそうだ。

地域おこしは、各自治体の手腕が問われている。平成の30年間は、行政にとってもこの国の形を模索する期間だった。
これまで、自治体は先進国に学び、政府の指示を実行する優秀な生徒だった。これからは、自ら考える研究者になり、培った知見を他の国に伝えたい。今度は、世界各国から視察に来てもらおう。

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『影響力と説得のための革命的瞬間』

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ロバート・チャルディーニ

じつはわれわれは、何かをするよう説得される以前に、「設定」にやられていることが多いのです。最初に提示するものが、次に提示するものへの相手の受け止め方を変える
われわれがいかに自分の意志以外のところで意思決定をさせられているか、その実際がよくわかる。

・背景にふわふわした雲を置くだけでソファーに求める要素が快適さに変わる
・援助を要請し、申し出る謝礼の金額を増やすと、
 無料で頼みを聞いてくれる人が増える
・暴力的な映像を見せた後には、
 「毎年百万人以上が訪れている」のコピーが有効になる
・女子生徒が男子生徒と同じ教室で数学のテストを受けると 点数が悪くなる

夕食に払ってもよいと思う金額は、店の名前が「スタジオ97」のほうが「スタジオ17」のときよりも高くなります

ワインショップを訪れた客は、ワインを選ぶ直前に店内でドイツ語の歌が流れていると、ドイツ産のヴィンテージワインを買う確率が高くなります

目標を連想させるきっかけがあらかじめ存在する場所に身を置けば、自分自身を望ましい方向へと向かわせることができます

第二グループの75.6%の人たちが、最初の質問によって冒険心があるという自分の一面へと意識づけられた後、用心すべき状況を無視して、愚かな選択肢に考えなしに飛びついたたまたまその場で目立っているものに、過大な重要性を認める

それは、ただ、ふわふわした雲をウェブサイトのトップページの壁紙にしただけでした。この戦略が使われたサイトの訪問者たちに、ソファーに何を求めるかと尋ねると、快適さへの重要度が有意に高くなりました
雲ではなく硬貨が描かれた壁紙を表示しておいたのです。この壁紙を見た訪問者たちは価格の重要度をより高く評価し、サイト内検索でも主に価格に関する情報を調べ、購入したいソファーとして値段の張らないものを選びました

注目されるものが原因だと見なされるドレッド・リスクというものがあります。これは、見た目ほどの危険がない何かを、たまたまそれに注目したばかりに非常に恐ろしく感じてしまい、その害を避けようとして、かえってリスクの大きい行動をとってしまうこと


身の危険に注意が向いていると、人は群集に交じりたいと感じる
色恋の話に注意が向いていると、群集から離れたいと感じる

ある重要な結果を知らないままでいると、「人はそれ以外のことをほとんど考えられない」

深夜に流すとCMの効果が高くなるのです。長い一日の終わりには、視聴者にCMの示す感情的誘因(感じの良い司会者、熱狂的なスタジオ観覧者たち、どんどん減っていく商品の在庫数など)に抵抗するだけの、精神的エネルギーが残っていないのです

他人を好ましく思うのに最も効果的な関係性は、「おっ、あの人は自分たちと似ているぞ」といったものではありません。「おっ、あの人たちは自分たちの身内だ」という関係です

説得そのものではなく、説得を行う状況や設定に注意を向けると、意思決定の裏側にある意外な「真実」が見えてくる…。

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『集中力はいらない』

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森博嗣

現代の「集中力信仰」を斬る!人気作家の超・知的生産術とは?

「情報過多」というのは、案外つまらない情報が大きな割合を占めている

機械は滅多に失敗しない。コンピュータも計算ミスをしない。よほどのことがないかぎり、人間のようなうっかりミスをしない。よほどのことが起こるのは、たいてい人間が間違った設定をしたときか、機械の指示に従わなかったときくらいだ。そう考えてくると、「集中」とはすなわち、人間に機械のようになれという意味なのだ

「集中」は、好奇心が原動力だろうと思われる。面白いから集中する。楽しいから没頭する。子供は素直だから、自分の頭脳が求めるものに集中し、すぐに別のものへ移っていくのである。そんな子供に対して、大人は、同じことを続けなさい、それが「集中」というものだ、と教えるのだが、実は、もともと子供は本能の赴くままに集中していた

運動に向き不向きがあるように、頭脳の働き方にも向き不向きが当然ある「発想」には、いわゆる一つのことしか考えない「集中」が逆効果である
むしろ、別のことを考えていたり、あれもこれもと目移りしていたりするときの方が発想しやすいことを、僕は経験的に知った。
あえて言葉にすれば、「ヒントはいつも、ちょっと離れたところにある」からだ。一点を集中して見つめていては、その離れたものに気づくことができない

僕は、SNSは、大衆の感情的な情報ばかりを集めるだろう、と考えたので、そこから離れることにした
騙される人は、そのときある一点に気持ちが集中してしまい、周りが見えなくなっているからだ

思考が集中しないから、他視点な価値観を持っている。つまり、自分が少数派であれば、自分以外のグループを理解でき、立場の違う人間を尊重する気持ちが自然に芽生えるはずなのだ。これが、多数派が見逃している大事な点である。

常識というものが、そもそも多数派の価値観にすぎない、ということがある

ストックがないから枯渇しない

時間的余裕を持って完成を見たものは、それを眺めて、評価をする時間がある。これは本当はとても重要なことなのである

問題を見つけるとは、もっと簡単にいえば、どんな作品を書くのかということである。何を扱い、どこに着目するか、そして、それはどう新しいのか、という点を考える。新しさがなければ、書く意味がない

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やる気スイッチをONにする遺伝子

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筑波大学名誉教授、村上和雄

今、世界で最もいいといわれている国はどこかというと、日本はナンバー1かナンバー2なんですよ。それはなぜか。日本は第二次世界大戦という大戦争に敗れて焼け野原になりました。原爆を二度も落とされて、日本はもう立ち上がれないと誰もが思っていたんです。ところが、そこから日本は見事に復興しました。そして、それ以来一度も戦争に関わっていません。科学技術に優れた経済大国になりました。

しかし、それだけではないんです。日本にはお互いが助け合うフォー・アザーズの歴史的な伝統があるんですね。利他的な遺伝子が日本人の遺伝子の中にはある。これが大震災のときに見事に発揮されたと思います。日頃は日本人の悪口ばかり言っている中国や韓国の新聞が、大震災のときの日本人の フォー・アザーズの行動を絶賛しているほどです。私もそのときまで気づかなかったのですが、日本人にはそういう助け合いの精神が確かにある。

それから大自然の働きを素直に認める態度があります。確か震災で被害に遭った高校生の話だったと思いますが、「私たちは天を恨みません」と言っていました。これはまさに日本人が大自然の働き、サムシング・グレートの働きを感じているということです。そういう素晴らしい性分が発揮されたと思います。

科学技術と経済力に加えて、大自然を尊敬し、 フォー・アザーズに生きる日本人に、ダライ・ラマ法王は非常に期待しているんです。おそらく、彼の言うように日本が世界を救うのでしょう。
問題は、私どもがそれを自覚していないということです。日本の高校生は他の国の高校生と比べて自分の評価が非常に低いんですね。自分をどれくらい評価しているか、自己肯定しているかを調査すると、非常に低いという結果が出ています。本来、そんなに低いわけがないんです。私どもがもう少し自分たちに自信を持っていい。日本の国の歴史や伝統に対して、威張る必要はありませんが、もっと素直な評価をすべきだと思います。同時に、自分自身に対しても素直な評価をすべきです。それはあまり他人と比較をしないということでもあります。

そういうことで、21世紀には日本の時代が来るんです。日本の時代とはどういうことかというと、「こういう生き方をすれば幸せですよ」ということを日本が世界に示すことだと思います。幸せな生活をするためには、お金も必要だし、病院も必要です。
しかしもう一つ必要なのは、精神的な豊かさです。大自然に守られ、大自然のお蔭で生きている。自分の力で生きている人なんて誰もいないんです。太陽がなければ、水がなければ、空気がなければ、人間は生きられません。まさに フォー・アザーズの精神で生きているのです。そのことを世界に対して示すことができるのは日本人しかいない、と私は思っています。

■「フォー・アザーズ」キリストの教え「どんなときでも他の人たちのことを心にとめなさい」フェリス女学院の教育理念になっている。

■これは、神道の祝詞の中にもある言葉だ。「世のため人のために尽(つく)さしめ給(たま)へと、恐(かしこ)み恐みも白(もう)す」どうか、世の中のため、人のために、尽くさせてください、とここに、つつしんで申し上げます。

■小林正観
たとえ一銭の得にもならなくても、また誰からも評価されなくても、「人のためになるようなこと」をバカになってやり続ければ、 自己肯定感が高くなり、自分のことが好きになる。たとえば、「社内や近所の掃除を毎日黙々とやる」「会う人会う人に気持ちよい挨拶をする」「愛ある言葉をかける」「どんなことにも感謝する」という人を喜ばせる行為。なぜなら、与えれば与えられるからだ。感謝すれば、感謝される。感謝されれば自分に愛がたまる。自分に愛がたまれば、自己肯定感が高くなる。

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『自分さがしの旅』

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斎藤一人

あのな。“いいこと”ってね、いっぱい、やんなきゃダメなんだよ。体にいいもの、といったってな、朝鮮ニンジンだろうが、何だろうが、体が治るまでには相当量、要るんだよ。“いいもの”というのは、食品だろうが、そういうものなの。ところが、悪いものってのは、毒薬ってのは耳かき一杯あれば、ここにいるオレたち全員、死ぬんだよ。アレぐらい、少量でも効くものはない。それと同じように、他人には毒のある言葉だとか、傷つける言葉って、ちょっとでも、すごい効くんだよ。人の悪口とか、いじめって、それをやられた人の心をどのぐらい、傷つけるか。たったひと言、吐いた毒で、簡単に人は傷ついて、オレたち、それを直してあげるのに、どのぐらい、たいへんか。ひと言、吐いた毒で傷ついた心をキレイにしてあげるのに、オレたちは何年かかるか、わかんないんだよな。
だから、一つひとつ、ひっくり返して、ひっくり返す努力っていうのがな。悪いものを“いいもの”にひっくり返す、ひっくり返す努力を自分にやって。それができるようになったら、今度、自分の周りにも、「おまえ、こういうとこで、つかえてんだったら、こういうふうに、ひっくり返したらどうだ?こう思ったらどうだ?」っていう。周りにいる人に、「そんなことないよ、気にするなよ」って、心の重荷をとってあげる。
一つずつ、一つずつさ、「そんなことないよ」って。一人さんなんか、もっと成績悪かった(笑)。それだって一人さん、明るかったじゃないか、って。全部“いいほう”に変えていこうよ、って。おねしょしてたのなら、あなた、自分で「世界地図書いてたんだ」って、笑い飛ばそうよ。そしたら自分は気が楽になって、周りの人も助かるよ、って。

■「自分さがしの旅」とは、自分の先祖だとか、ルーツを探す旅ではない。自分の記憶の中を旅することだ。
「本当の自分って、どんな人なんだろう」と。自分が「できないと思ったこと」や、「親やまわりから言われた欠点や弱点」などをもう一度見つめ直し、それをオセロのようにひっくり返す旅のこと。「未来は変えられないけど、過去は変えられる」。過去は、「ああいうヒドイことがあったけど、あのおかげで今がある。感謝だなぁ」と過去の記憶をよい方にひっくり返すことだ。
過去の、「病気や事故」も、「心を傷つけられたこと」も、「恥ずかしい失敗」も、「嫌な出来事」も、みんないい思い出に変える。失敗は笑いのネタにするのだ。

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私のリーダー論

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ハルメクホールディングス宮沢孝夫社長

それぞれの社員がKPI(評価指標)を意識して仕事する組織に変えた。そのために社員に対して公平公正な評価と情報公開に努めた。曖昧な数値では自分が働いた成果が分かりづらいので士気も上がらない。
KIPを明確にしたことで、社員一人一人が自分たちの成果を客観的に把握できるようになった。明確な目標を立てれば、より集中して働けるようになる。KPIについては社員が納得できなくてはならない。無理難題な数値を押し付けてはいけない。

■リーダーに必要な5つの要素
1.構想力
世の中の情勢や変化を見極めながら、どのような企業を目指すのかを考える力。
2.判断力 3.意思
責任と権限を持つリーダーには、最終的な判断を求められる。自分はこの事業をやるべきだと決断する強い意思が無ければ成功しない。
4.人と組織を動かす力
リーダーの言動に部下が納得してついてこなければビジネスはうまく行かない。5.倫理観
リーダーは倫理観を持ち、自分と組織を律することが何よりも求められる。

自分が責任を取るので自由に任せるという美学を持つリーダーは多いがそれは間違っている。上っ面だけの美学で、本当のやり方を知らない。部下に仕事を任せることは、自由放任ではいけない。リーダーシップの根幹として、説明責任がある。部下に仕事を任せっきりにすることは、説明責任の放棄になる。また仕事を任せられた部下にも説明責任が生まれる。お互いにとっての説明責任を果たす意味でも、リーダーが部下の仕事を把握するすることは、任せることを否定していない。部下との話し合いを通じて、納得できない仕事の進め方があれば、軌道修正をお願いしている。説明責任を放棄するのではなく、適切に指導することがリーダーの責任だ。

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『英雄の書』

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黒川伊保子

30代までの脳にとって、「失敗」は、脳のメカニズムの一環で、必要不可欠な頻出イベントである。若者は、いちいち落ち込んでいたら、脳が疲弊してしまう。それではまるで、おしっこする度に落ち込んでいるようなもの。好奇心が萎えてしまい、日々の暮らしの中に埋もれてしまう。40歳を過ぎると、もの忘れが始まる。もの忘れは、脳が無駄を知り、本質を極めてきた証拠。「本質的でない無駄な情報」に電気信号を流さなくなるから起こるのである。当然、人は失敗しにくくなってくる。

とはいえ、新しい世界に挑戦するときは、やっぱり失敗する。逆に、失敗しなくなったら、成長していない自分を嘆いたほうがいい。ときには、失敗を求めて、新しいことに挑戦してみればいい。失敗したら「しめた」と思おう。好奇心を失わず、失敗にタフな大人はかっこいい。若者たちを英雄の道へ導く、いいお手本でもある。

英雄は、誰よりも勘とセンスが働かなくてはならない。だとしたら、誰よりも、失敗を知らなければならない。脳は、体験によって進化している。失敗すれば、失敗に使われた脳の関連回路に電気信号が流れやすくなる。中でも、さまざまなかたちの成功に使われる本質的な回路は、使われる回数が多いので、特に優先順位が高くなる。これこそが、物事の本質を見抜く洞察力の回路に他ならない。超一流のプロたちが持つ力だ。彼らは、この回路を使って、「勝ち手」を瞬時に見抜く。この回路は、成功体験を積み重ねることによってつくられる。

しかしながら、成功体験を劇的に増やし、大切な回路に何度も信号を流して「本質の回路」に昇華させるためには、その前に、十分に、無駄な回路を切りすてておく必要がある。その無駄な回路を捨てる、成功への基本エクササイズこそが「失敗」なのだ。

この世のどんな失敗も、脳の成長のためにある。失敗の数が多いほど、そして、失敗の「取り返しのつかなさ」が深刻なほど、脳は研ぎ澄まされた直感を手にし、その脳の持ち主は輝かしいプロになり、しなやかな大人になる。しがたって、「失敗」は、恐れる必要がない」

昔からよく「若いときの苦労は買ってでもしろ」とか「失敗は成功の源」などと言うが、あれは、単なる慰めでも、結果論でもない。脳科学上、非常に明確な、脳の成長のための真実なのだ。若くても、勘のいい子はいる。たしかにそう。しかし、そんな若者は、子どものうちに、人一倍、試行錯誤を重ねてきた子たちだ。小さなころから世間をなめて、うまくごまかし、失敗を回避してきた脳こそが深刻。

「逃げがうまい要領がいい若者」は、本当に大成しない。一流の場所に一人も残らない。かくも、失敗とは、脳にとって大事なのである。心を痛めた分だけ、脳はよくなる。ネガティブだと思っていた現象が、不可欠であること。脳を研究していると、よく出会う真実である。

脳は一秒たりとも無駄なことはしない。失敗は「人生をドラマチックにしてくれる、神様の演出」だ。同じ事象を、「失敗」と呼ぶのと、「やっとドラマが始まった」と思うのとでは、天と地ほども違うからだ。テレビのドラマにおいても、物語がいよいよ佳境に入ると、泣きたくなるような失敗や、大きな困難が起こる。そして、それを乗り越えたとき、そのドラマはハッピーエンドに向かう。

一度の失敗もない、成功しっぱなしのドラマなどはつまらなくて誰も見ない。人生も同じで、山あり谷ありだからこそ、そこに味があり、深さや厚みが出る。すべての失敗は脳を成長させる。

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『運をつかむ人の習慣』

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マーク・マイヤーズ

夢を追って人生の探索を続けていると、すでに自分の身に起きた素晴らしい出来事を忘れがちになる。すでに手に入れているものに感謝することなく、手に入らないものにフラストレーションを感じるのは人間の性だが、それは間違いだ。
ある知り合いの女性は、非常に扱いにくい上司のもとで働いているが、いつも微笑みを絶やさず、親切で、陽気で、快活だ。私は彼女が人に対してかみつくような言い方をしたり、機嫌を悪くしているところなど見たことがない。
ある時、どうしていつも笑顔を絶やさず、気分よく仕事をしていられるのかと尋ねてみた。すると彼女はこう答えた。息子がガンを宣告されて今治療を受けている。そういうことがあると、ほかのことはすべて、それとの比較の問題となってくる。

例えば、ストレスがたまるとか、つらいと思えるようなことでも、本当はそれほど大事件ではないとわかってくる。そんなことは一週間もすれば忘れてしまっている…。もしあなたが、運の強い人間になりたいと本気で思うなら、これまでに自分がやり遂げてきたことについて真剣に考え、それに感謝できなくてはならない。だからといって、「夢をかなえることなど考えず、現状に満足して黙って座っている」と言っているのではない。今まですでに得ているものもたくさんあることに気づき、もしかすると、一夜にして今よりずっとひどい状態になることもあり得るのだということを自覚すれば、人生に対する態度は変わってくるだろうということだ。

もしあなたが自分の持っているものに感謝し、「健康」や「家庭」や「自分の能力や技術」を有り難く思うことができれば、多少運の悪いことが起きたからといって苦悶したり、思うように物事が運ばないからといってあきらめることはないだろう。反対に、「自分はなんと幸運なのだろうか」と考えることができ、さらに幸運を招くことに意識を集中できるようになるに違いない。
視野を広げ、人生をバランスのとれた見方ができるようになるには、新聞の国際ページを読むのも一つの方法だ。アフリカ諸国では罪もない人たちが虐殺され、生活を破壊されていることは周知の事実だ。そういう記事を読んだあとで「買い物に行ったらレジに長い行列ができて待たされた」とか、「仕事で失敗した」、「職場で嫌なことがあった」と言って腹を立てたり嘆いている人がいたら、あなたはどう思うだろうか。私たちのように繁栄している国に住んでいる平均的な人間がこうむる“つらいこと”など、彼らの悲惨さの比ではない。

■朝比奈宗源老師(魂をゆさぶる 禅の名言)より
『老師の知り合いの僧がある寺に住持していたという。彼は博打が好きで、村の人の集まりで博打をやっては負けて帰ってくる。それを見て、老師は 「あいつもやがて死ぬやっちゃ」と独り言をいっていたという』ひどい仕打ちをうけたり、言動を浴びせられても、その人もやがて死んでしまうのだ、と思えば腹も立たない。今、20歳を過ぎた大人なら、100年後はほぼ誰も地球上には残っていない。そう考えるなら、すべてのことは取るに足らない小さなことに思える。

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『勇気をくれた言葉』

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田中和彦

■《年寄りになったからって 賢くなるわけじゃありませんよ。 用心深くなるだけですな。》アーネスト・ヘミングウェイ「武器よさらば」より。
僕は子供の頃、大人は、なんて物知りで、判断力があって、何でもできるんだろうと思っていた。しかし、大人になってみると、そんなことはまったくなかった。未熟な存在だということを思い知ったのだ。
そして今度は、歳を重ねたミドルは、なんて賢明なんだろうと思っていた。しかし、それも幻想だった。歳を取ると、人は失敗しなくなるのではなく、上手に失敗を避ける術を身につけていくのだ。つまりやれることしかやらなくなる。省エネモードな生き方を選択するというわけだ。そこには、失敗もないが、挑戦もない。挑戦のない人生ほど寂しいものはない。精神の老いは、挑戦しなくなることから始まる。

■「年とったから遊ばなくなるのではありません。遊ばなくなるから年をとるのよ」(ヘレン・ヘイズ/女優)
挑戦も同じで、年をとったから挑戦しなくなるのではなく、挑戦しなくなるから年をとる。挑戦には失敗がつきものだ。失敗を恐れる人は挑戦ができない。そして、年をとっても挑戦する人は…ワクワクする心、ふざけること、いたずら心、遊ぶこと、冒険心、好奇心をいつまでも忘れない。

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『美しい人に』

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渡辺和子

■真山美保さんの作品に「泥かぶら」という一人の顔のみにくい子どもの話がある。みにくいが故に村の人々から嘲られ、子どもたちから石を投げられたり唾をかけられたりした。それを口惜しがっておこる少女の心はますます荒み、顔はみにくくなる一方だった。
ところがある日のこと、その村に一人の旅の老人が通りかかり、竹の棒をふりまわして怒り狂う泥かぶらに向かって、次の三つのことを守れば村一番の美人になれると教え、自分はまた旅をつづけていくのであった。その三つのこととは、いつもにっこりと笑うこと自分のみにくさを恥じないこと人の身になって思うことであった。
少女の心は激しく動揺するが、美しくなりたい一心でその日から血のにじむような努力がはじめられる。決心は何度も中断され、あきらめようとするが、また気をとり直してはじめる泥かぶらの顔からはいつしか憎しみが去り、その心はおだやかになってゆく。明るく気持ちのよい少女は村の人気者となり、子守にお使いにと重宝がられる者となったのであった。
そんなある日、同年輩の娘が人買いに買われてゆくのを知った泥かぶらは、喜んで身代わりとなり連れられてゆく。道中でたのし気に村の様子を話し、自分がかわいがった村の赤子たちについて語る少女の心はいつか狂暴な人買いの心を動かし始めたのであった。
彼は前非を悔い、置手紙を残して立ち去ってゆく。その手紙には、「ありがとう。仏のように美しい子よ」と書かれてあった。そしてその時泥かぶらは、かつて旅の老人が約束した言葉を理解したのだった。

■人の顔の美しさというものは目鼻立ちの良さよりもやはり自分が努力してつくってゆく美しさであり、生きている美しさだと思う。整った顔とか、形のよい顔というのは生まれながらのものかも知れないが、美しい顔というのは、生活の中に生まれ、彫りきざまれて出来たものである。
男女の別なく顔はその人の心の生き方のあらわれだ。年をとっていよ増す美しさ、また素顔の美しさを、もっと大切にしてゆきたい。ほほえみは、お金を払う必要のない安いものだが相手にとって非常に価値をもつものだ
ほほえまれたものを豊かにしながらほほえんだ人は何も失わない
フラッシュのように瞬間的に消えるが記憶には永久にとどまる
どんなにお金があっても、ほほえみなしには貧しくいかに貧しくても、ほほえみの功徳によって富んでいる
もし、あなたが誰かに期待したほほえみが得られなかったら不愉快になる代わりにあなたの方からほほえみかけてごらんなさい実際 ほほえみを忘れた人ほどそれを必要としている人はいないのだから
とかく期待したほほえみや、あいさつ、やさしい言葉が得られないと不愉快になり、自分からも相手に「してやるものか」という気持ちになりやすい。しかしよく考えてみると、できない相手こそ、それを私から必要としている人なのだ。ここに思いやりがあり、相手の出方に左右されない主体的な生き方がある。

■『『ある日、弟子たちがキリストに向かって、「先生の説いておられる愛とはどういうことですか」と尋ねたところ、
キリストは、「自分にしてほしいと思うことを他人にすることだ」と答えた。
理解されたいと願う人は、理解する人になること、慰められてうれしかったら、他人にもやさしい言葉をかけること、愛された喜びを他人に分けることが愛である』
自分からは何も出さず、「ちょうだい、ちょうだい」とまわりに何かを要求ばかりする人は多い。自分のことを認めてくれない、誰もやさしい言葉をかけてくれない、誰も誘ってくれない、という「くれない族」だ。

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