『生涯未婚時代』

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永田夏来

国立社会保障・人口問題研究所の『出生動向基本調査』によれば、1990年代以降、19~34歳の未婚男女が「結婚相手に求める条件」で最も「重視する」のは男女ともに「人柄」です。
次いで「家事能力」「仕事への理解」が男女ともに重視されています

バブル期の恋愛は女性に地位がないために男性の地位で自分が決まっていた

セックスが「かっこよかった」時代の終焉

雇用や経済が激変した今日、家族にだけ高度経済成長期の機能を期待するのは無理がある
生涯未婚時代において求められるのは、現状を維持する力ではなく、不要なものを整理する力なのではないでしょうか。
親から受け継いだ土地やお墓は愛着があるものですが、それを維持するだけの経済的資源も人的資源も乏しくなっていくのがこれからの宿命です

これまで金銭の問題とされていたことのうちのいくつかは、もしかすると他の資源で代替できる可能性を視野に入れておく必要がある

信頼ベースで成立させる共同体は「うまくいっている」時には問題がないのですが、衝突などが起きた時にはそれを吸収する術がないという点に注意が必要です

結婚をする人生も、しない人生も同じくらい尊い現在の日本社会では、独身のままで社会の「お荷物」にならないように人生を終えようとした場合の選択肢がほとんど示されていない
「性・生殖・愛情」という三位一体が解体する時間の進み方は人によって異なる

家族は以下のうちのどちらかになっていくと予想されます。
一つは、現在「地方に住む若者」が実践しているように、ノイズの少ない閉じた人間関係の基盤として家族が位置付けられる状況です
もう一つの方向性は、自分とは違う他者がたくさんいるという前提で社会の中に身を置き、必要な人間関係をその都度選択するという生き方です

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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仮想コインで資金調達

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IPOは、新規株式公開。企業が上場する際に新株を発行し、広く買い手を募って資金調達をする。
ICOは、イニシャル・コイン・オファリング。企業が株ではなくて、独自の仮想コインを新規発行して個人投資家などから買い手を募る。

IOCで発行するコインに価値を持たせる仕組みは、発行企業によって千差万別だ。それによって、コインの性格も大きく変わる。

新しい決済サービスが完成した後に、そのサービス内で使えるようになるコインなら、クレジットカードのポイントに近い。
開発中の新しい仮想通貨と完成後に交換できるコインなら、通貨のような決済手段と成り得る。
他の企業のICOに投資するファンドの持ち分のようなコインなら、限りなく株式や投資信託といった有価証券に近くなる。

米証券取引委員会は、宣言した。IOCで発行されるコインは、条件によって有価証券に該当する。だから、投資家保護を念頭に規制対象にする。
シンガポールの中央銀行も同じ声明を出した。完全に自由なIOCを許す主要資本市場はなくなる。

世界的なIOC人気は、ビットコインなど仮想通貨の値上がりの連想から、短期の利ザヤを狙う投機熱が高じてしまったからだ。
それに乗じた詐欺や発行企業の破たんが相次いでいる。投資家が、悪貨の横行に懲りれば一過性のブームに終わる。
一方で、IOCが正当な選択後、良貨として広がれば、従来の資本市場を補い、起業家の育成を促す触媒となる。自由と規制のバランス、利用企業の良心が必要条件になる。

エンジオイル、OEM仲間の経営塾より

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シニアの雇用

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シニアには、高度な専門能力が求められる。
それよりも大切なのは、プラットホーム能力である。これは、新しい役割で活躍するための基盤となる次の3つの能力だ。

1.過去にとらわれずに新しい役割に前向きに向き合う事が出来る「気持ち切り替え力」だ。定年前の地位や働き方に固執するようでは、「気持ち切り替え力」は無いという事になる。
2.新しい役割に合わせて人間関係を構築できる「ヒューマンタッチ力」だ。プロの担当者としての役割が求められる多くのシニア社員は、職場の若い同僚と水平的な目線で、人間関係を作る事が大切になる。
3.部下のいない担当者になれば、自分の仕事は自分でする事になる。担当者としては、当然持っていなくてはならないITなどのテクニカルスキルを持っている必要がある。

キャリアを見直し、プラットホーム能力の面から自分を知り、足りない部分があれば学習する。それは、シニア社員が戦力として活躍するための第1歩である。その取り組みは、定年直前では遅すぎる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「時間を大切にする欧米人」

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斉藤峰明

日本とフランス、両方で生活していると、日本にいる時の方が、あっという間に時間が過ぎて行く。どこか、時間に追われている感覚がある。
日本には、細かい行事が沢山あるからだろう。しかも、自分ではなく他人や組織が決める公的な行事が大半だ。行事の多くが、形式的で受け身になりがちになる。

日本でも、大人数で長時間にわたる会議を多く経験した。それは、報告会なのか、物事を決める場なのか判然とせず、参加が目的になっているものが多い。
欧米では、自分の時間を大切にする。それ以外にも、時間に関する特有な感覚がある。

エルメスでは、革の原価よりも、制作にどれくらいの時間を掛けたかで、バッグの値段を決めるように、時間に敬意を払い重んじる文化があった。
何かを企画する際に、「時に、必要な時間を与えよう」とか、議論が行き詰ると「時が、熟するのを待とう」と、よく耳にする。やみくもに結果を急がない。時には、解決を時間に委ねようという考えだ。今の時間を、けっして無駄に消費しない。

ドイツ人の妻でも、百貨店を20分ほど回り、見つからなければ、あっさり諦める。時間との付き合い方をわきまえ、振り回されずにコントロールするのが得意だ。
時間に解決を委ねたり、振り回されないようにしたり。物事の価値に見合った時間を見極める眼力を重んじる。
時間を有効に使う術を、フランスの生活は教えてくれる。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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銀行の罪

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また、為替デリバティブで会社が倒産した。

これは、一定の条件で通貨を売買できる 先物取引の金融商品。 1ドル=100円で購入するという条件で契約すると、 為替相場が円安になり1ドル=120円となっても、 契約者は100円で買う事ができる。
しかし、得する事ばかりではない。 為替相場が円高になり1ドル=80円になっても、 契約者は100円で買わねばならない。
このリスクを熟知して契約せねばならないのだが、 十分な知識を持たないままに、銀行に契約させられた 中小企業が多かった。

円高ドル安に振れた2010年頃には、 デリバティブの損失が引き金となる倒産が続出した。 大きな社会問題にもなった金融商品だ。

銀行から貰って飲んだ毒を緩和するために、銀行から薬を買う。 そんな危険な金融商品だった。
銀行としては、デリバティブで損失を出したら、 金を借りて、その損失を埋めてくれる。
一粒で、2度美味しい商品だった。 顧客の事は、二の次。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「心が、楽しめと言っている」

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片岡鶴太郎

呼吸を整えて、自然のリズムに鼓動を合わせるとね、やりたい事が次から次へとわき出て来るんです。

嬉しいですね。ありがたいですね。

だから感謝して、一つ一つに真っ直ぐに向き合うんです。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「分かる」ということは、どうゆうことなのか

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池上彰

自分がそれまで持っていたバラバラの知識が一つの理論の下にまとまった時です。言わば、知識と知識の関係を示す補助線を引くという事です。

中学校を卒業して社会経験数年の人にも分かる原稿を書きたい。しかし、現実に実際の新聞やテレビで示されているニュース原稿は、そのレベルからかけ離れた難しいモノだ。
そのギャップを、どう埋めるかという部分で苦心した事が、自分の考え方の整理に繋がった。

知ったつもりになっていたけれど知らなかった事について、調べて行く作業を続けると考える力が付き、インプットが効果的になって行く。
自分は何が分からないのかを知る事も必要だ。
分かりにくい事を効果的に図解すると情報が整理され、理解が進む。

ネット情報は、翌日の新聞の目次のようなものと位置付ける。新聞で、ニュースの背景などの理解を深める。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『強みを活かす』

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曽山哲人

人は他人に金を払ってもらってもそこまで真剣になれないけれど、知人に払ってもらったら真剣になる。

・どんなときに楽しさを感じるかを聞く
・マネジメントのバリエーションを増やす
・仕事以外の共通項をどれだけ持てるか
・キャリアプランよりキャリアオプション
・率直に、結論を一つだけ言い続ける

自己効力感を高くするにはどうすればよいのか。それは、「強みを見つけ、活かすこと」
一番成果を出す人に任せる
貢献の意識が高い人のほうが応援したくなり、結果として人望が集まりやすい

私がその人の強みの源泉を理解するために、面談や雑談でよく聞く質問があります。それは、「どんな時に楽しさを感じる?」という質問です。「どんな時に嬉しいと感じる?」と言い換えたりもします
面談などにおいてその人をもっと知りたいと思ったときに、「キャリアライン」を書いてきてもらうことがあります。これはモチベーショングラフとも呼ばれるものですが、自分のこれまでの成長ストーリーを書き出してもらうものです

逆説的ですが、仕事における信頼関係の度合いは、「仕事以外の共通項がどれだけあるか」で決まります。仕事だけの関係は、仕事という一点だけの関係なので、つながりが弱いのです

月イチ面談で強みが見える役に立つのが、文末にすべて「かも」と付ける方法です。書きにくいことや言いにくいことには全部、「かも」を付けて話す。
これを私は「かもトーク」と呼んでいるのですが、書きにくくて言いにくいことを、書きやすくて言いやすくする工夫です

マネジャーが成果を出すための三つの習慣があります。それが、「目標」「役割」「評価」。「目標をもたせる」「役割を与える」「定期的に評価を伝える」ことが大事だと伝えています

キャリアプランよりキャリアオプション

面談では「ここを直してほしい」とはっきりと言います
本来の役割とは違う仕事を依頼するときには、「ごめん、いつもの役割と違うんだけど、お願いしてもいいかな」と、正直に言う

セカンドチャンスがあると、チャレンジが生まれる

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『小さな習慣』

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スティーヴン・ガイズ

なぜメルマガを13年続け、ダイエットも続けられるのか。その理由は、「挫折しない方法」を知っているからです。
その方法というのが、じつは『小さな習慣』。

この本を毎日最低2ページずつ、最後まで読み続けてください
何かを少しだけでもする方が、何もしないよりずっと価値は大きい

毎日少しずつする方が、1日にたくさんするより大きな変化をもたらす

小さな目標は大きな目標より優れている

たった1回の腕立て伏せが、30分の筋トレに発展

小さな習慣は、よい習慣を長く続けるためのもの
小さな習慣は、馬鹿馬鹿しいほど小さなステップから成り立つ
デューク大学の研究によれば、私たちの行動の約45パーセントは習慣で成り立っている

ストレスを抱えると、習慣化された行動をとることが(よくも悪くも)多くなると分かっています

行動が習慣になるまでにかかる日数は平均66日──これはあくまでも平均値で、実際には18日から254日と大きな幅がありました
習慣をつくるには、前頭前野が望んでいることを脳の他の部分にも好ましいと思わせなければなりません
モチベーションに頼っても習慣は身につかない

誰にでもいつもほど元気が出ない“不調”の日があります。そうした日には、何か自分のためになることをしようとするモチベーションも低くなります

自我消耗の原因の上位5つは、努力、困難の自覚、否定的な感情、主観的な疲れ、血糖値だとわかりました

小さな習慣は目標達成までの期日を設けません。習慣になるまでどのくらい時間がかかるか分からないからです。
その代わりに、行動が習慣になる兆しを見逃さないようにすることが大切です

幸福感は抽象的な思考を刺激し、物事の全体像を思い描かせるのに役立つものの、具体的な思考を必要とする目標の追求には妨げになる

本当の自己管理というのは、誰かに腕立て伏せをするように命令してもらうのではなく、自分でいつするかを決められるようになること

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『塑する思考』

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佐藤卓

世の中のほとんどの仕事は不特定多数の人々のための営為であって、自分の「好き」のために世の中が回っているわけではない。
ところが自分の「好き」を基準にしてしか仕事ができない。
つまり「我欲」をコントロールできないまま社会人を続けようとしてうまく行かずに悩んでいる人が多い。
そんな悩める人に向かって「好きなことを自由にやればいいんだよ」などと、世間は無責任な追い打ちまでかけるので、悩みが解決するはずがない。

とかく「個性」が強調される世の中ですが、著者はこの個性について、こんな興味深い考え方を示しています。
一般には、目に見える表現に個性があるとされがちですが、それは違います。表現以前のその人その人の思考、ひいては生き方や思想に個性は確実に潜んでいます

「塑(そ)」というのは、外部から力が加わって凹んだら、そのままでいる性質のこと。
自分の形などどうでもよく、その都度変化しても構わない、という性質のことで、これが仕事やデザインに活かされる。

発想とは、今まですでにあったのに、繋がったことがないもの同士を繋ぐことです
ある形を持っていなければならないと思い込んでいる自分の思考が変われば、何のことはなく、どうしようとも自分は自分であると分かるのです
石は石であり、デスクに置かれても石そのものが何ら変化するわけはないのに、書類が風などで飛ばないように押さえておく必要上、拾って帰った石ころがちょうどいい重石になってくれた。
これは、人が石に価値を付け加えたのではなく、自分と石との関係性の中で石がもともと持つ価値を発見したのであって、言うまでもなく、付け加えるのと見出すのとでは、意味がまったく逆です

才能の才は、中国古代の甲骨文では在と同じ字で、もともと在るものを意味します。能とは働きであり、力の意味ですから、才能とは、すでにそなわっているものを働かせる力のことなのだそうです

商品じたいは変化しない1つの情報ですが、そこから受け取っているものは、人それぞれ違います。
その商品と、まあ浅く付き合っている人もいれば、それはもう深く付き合ってきた人もいる。その両者に応えることこそが、リニューアルの仕事というものではないのか

デザインの危険性は、とかく表面を美しくしてしまえるところにあります。
つまり対症療法ならいくらでもできるのです。

「とりあえず」という言葉が、日本人はとても好きです。飲み屋に入って「とりあえずビール」はいいとしても、仕事においての「とりあえず」は対症療法に過ぎず、問題の先送りしか意味しません
「意識」は美しいを求めてい(るふりをしてい)ても、「本能」ではそうではない何かをも素直に求めている

美味しそうに感じてもらうとは、過去の美味しい経験の記憶を呼び起こす、あるいは美味の経験を改めて編集することなのです
不特定多数の人に手にとってもらえるもののデザインは、老若男女、誰にでもちゃんと分かる顔つきにしなければいけない

どのような意見でも、いいかもしれないと思えるものは、どんどん活かしてデザインに取り入れます。そのほうが、意見を交わし合っている人全ての参加意識も高まる。この時も、赤い色にこだわっていた自分の気持ちの狭さを気づかせていただいた

全ての仕事は「これから」のためにある。それは一瞬先かもしれないし一年先かもしれず、もしかすると百年後なのかもしれません
秩序と無秩序、国と国民、伝統と現代、人と人、人と物事……。それらのほどよい関係を見つけるためにこそ、人の営みにはデザインがあり続けるのです

全ての仕事は「これから」のためにある、つまりこれからのためにならない仕事は仕事ではない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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