『一瞬で忘れられない人になる話し方30のコツ』

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書店「読書のすすめ」店長、清水克衛 

私の友人のフリーライターの話です。あるパーティーではじめて会って、名刺交換した編集プロダクションの社長から、数日後電話がかかってきたんだそうです。挨拶して数分立ち話をしただけなのに、なんだろうと思ったら、いきなり著名人のインタビューをして欲しいという依頼でした。

もちろん、快く引き受けて原稿を納めたのだすが、その時彼は、その社長に聞きました。「なんで、1回しか会ったことのない私に、これまでの実績も聞かず、こんな大事な仕事を任せてくださったんですか」

そしたら、社長はこう答えたそうです。「たくさんライターさんは知ってるけど、あなたに会った瞬間に、あ、なんかこの人すごく明るくて、一緒に仕事したら楽しそうだって思ったんです」このご縁で、彼は、それからその仕事以降も、その編集プロダクションとはずっと良好な関係だそうです。

物を売る商売に置き換えて考えると、彼は、彼が売る商品の説明も一切なしで、それを売ることに成功したわけです。要するに彼は、この社長に「好かれた」わけです。

「人に好かれる」そうひと言でいっても、実は、これがとってもむずかしいんですね。「好き嫌い」というのは、どうしても感情に大きく影響されれます。それではどうすれば、人から、「あ、あの人、ちょっと好きかも」と思われるようになると思いますか?

もっとも理想的なのは、「憎めない人だなぁ」多少おっちょこちょいでも、失敗しても、笑って許せてしまう。そんな人になることだと思います。それに必要なのは、話し方のうまいヘタなどではなく、ズバリ、【愛嬌(あいきょう)】です。

松下幸之助氏は、松下政経塾の面接試験の選考基準を聞かれて、「運の強そうな人と、愛嬌のある人やな」と答えたそうです。愛嬌のある人というのはつまり、「いつも笑顔で、挨拶ができる人」です。自分が上司なら、部下は理屈をいうヤツよりも愛嬌があるヤツのほうがいいでしょう。「そうおっしゃいますけど、私はこう思います」なんて、自分の考えをスパッというのが、理屈では正しいかもしれません。よく学生にそういう人がいるんですけど、そういう人は社会に出たら嫌われちゃいますよ(笑)。

エンジンオイル、OEMの仲間の勉強塾より

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