私のリーダー論

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 インテグラル代表取締役、山本礼二郎

人の心を動かすことができるのがリーダーの第1条件。反対者がいても、決断に納得してもらい、実行することができる。他人が認めてくれなければリーダーにはなれない。大切なのはどんな状況でも結果を出し続けること。結果が出ていれば、人々の疑念や批判は消え、支持や協力に変わって来る。優れたリーダーは人間的な魅力も持ち合わせている。心を通い合わせることができれば「大変だけどあの人の為に頑張ろう」と周囲も付いてきてくれる。そのためには人の心や全体の状況を敏感に感じ取るアンテナが必要だ。木を見ながら、森も見ることができる。そんなバランス感覚のあるリーダーが率いる組織は勝負にも強い。

苦しんでいる相手の足元を見て、リストラや資産売却を強引に迫るハゲタカファンドのような手法は日本のビジネス風土には馴染まない。私利私欲を優先するだけでは問題は解決しない。

企業経営や投資を動かしているのは人間だ。ウィンウィンの関係でなければ良い方向には進まない。きちんと相手の顔を見て本音をぶつけ合い、しっかりした信頼関係を築く。それが無ければ経営再建は成功しない。力業もできるし、相手に喜んでもらえる存在にもなれる。両方を備えたリーダーを、私は「腕力ある善玉」と呼んでいる。

腕力のある人間は悪玉になりやすい。力を持つと人間は驕りがちになる。奢れる者は久しからずというように良い結果がでない事が多い。

初対面の客と一緒に酒を酌み交わしているうちに、すぐに意気投合してしまった。会話の9割はビジネスに関係ない話題だった。要するに信頼関係を築くことができた。人間は論理だけではない。ハートが繋がることが重要だ。
もともと大阪生まれで、吉本新喜劇などのお笑いが大好きなので、自分の役割はチームの潤滑油だとずっと意識してきた。その場の空気を、どうほぐすか、どうしたら皆に心地よい環境なるか、いつも考えている。経営危機を経験した会社を再建するにはムードの切り替えが効果的だ。

顔が見える経営が理想だ。逆に言うと顔が見えない経営は危ない。企業経営にとって「規模と時間」は大敵だ。規模が大きくなるほど、時間が経過するほど人心が離れやすくなる。
多才なタレント集団なので、プライドも高いし、個性派も多い。そのまま放置していたら遠心力が働きかねない。そこで大切にしているのが、各社員の心を親身になってケアすること。単純なことだが、温かみがあり、安心感が持てる職場だからこそ、初めて個々の社員の能力を上手く引き出すことができる。
所詮、人間は一人では生きていけない。一人でできることも限られている。そんな人生観も私のリーダー論に大きく影響している。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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「コンプラ疲れ」

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飛松純一

「コンプラ疲れ」と弊害まで指摘されているのに、
懸命に対処しても不祥事はなくならない。

多くの上場企業では、将来に向けた法令順守体制は
整ってきている。

だが、既に起きてしまったり、
長期にわたって起こし続けている違法行為を掘り起し、
公表・是正する自浄作用を持つレベルには、
達していないのが現実だ。

周囲の全員が「これまで問題はなかった」とする
社内慣行に疑問を呈することには、非常に勇気がいる。
「忖度する」文化も影響している。

対策としては、内部通報者のさらなる権利保護や
監視・監督システムの一層の充実、
法令違反に対する厳罰化などの方法もある。

しかし、会社法的見地からの対応には、限界がある。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より

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