「寛容な大阪」

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町田康

作家デビューした当初は、砕けた文体が酷評された。文学と言えば高尚なもので、まず道筋や理屈を書かないといけないと考えてしまいがち。ところが、人間の行動というものは、実は突拍子で説明もつかない。

「ほんでな、ほんでな」と横滑りして行くのが大阪弁の特徴だ。脈絡のない話や行動を何でもつないでしまう大阪弁の口語的な流れが、とりとめのない人間の生き方を表現する上でちょうど良かった。

今の世の中は、社会や人々に「理路整然であること」を求めている。息苦しさを感じている人には、物事を、建前よりも、本音や実感から組み立てる大阪の文化を見習えばいい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「生きてるだけでいい」

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田中宏幸
吉本興業代表取締役専務

歳を取っていても、下っ端でも、禿ていてもいいのだ。
そのどこが悪いのだ、という開き直りが、
お客さんを一番元気づけているのではないか。

言い換えると、人間の多様性を認めることが
笑いに繋がっているのではないか。
どんな格好でも、生きているだけでいいのだという
安心感が底にあるのではないかと感じた。

心は筋肉の様に鍛える事はできないのではないか。
どんなに強そうな人も、
心には軟らかい部分があるように思える。

「笑い」は人間の弱い所や醜い所も全部認めた上で、
生きていく元気をふんわりとくれるものではないか。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「本音、実感の大阪文化」

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町田康

吉本新喜劇は、個人の矮小な欲望が全開だ。
くだらないけれど、笑ってしまう。

長年支持されているのは、
「よくぞ、言ってくれた」と共感できるからだ。

真実というものは、常に瞬間的なもの。
しかし、そのまま口にすると台無しになる。
思想や論理といった建前の後ろ盾が必要だから。

建前ばかりが先に立つと、
逆らえない正論や規制に縛られてしまい、
社会に面白味がなくなってしまう。

大阪人は、誰かが口に出してしまう。
瞬間的な真実に忠実だ。
そんな点では、大阪人はとてもすがすがしい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「辛い事を面白がろう」

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犬山紙子

辛い事を人に共感してもらって、
ちゃんと分析して、その後思いっきり笑う。

友達に愚痴る時に、如何に笑いに代えるか、
最終、ゲラゲラ笑えるようにもっていけるか。
ここであります。

笑えなかったら、愚痴った後に後悔が付きまとう。
愚痴は面白くなくてはならない。

共感して貰うのは、「辛かったね」だけで済む。
その他は、笑っていられればいい。
落ちをつけてみたり、突っ込んでみたり。

私の場合、それを文章にしてお金に換えるので
よりスッキリであります。

これをやらず、嫌だった気持に蓋をしてしまうと
事あるごとに思い出しては辛くなって、
ずっとウジウジして、自分が自分で面倒くさくなる。

マザー・テレサばりに器が大きければ、
昇華なぞしなくても平気でしょうが、
私たちは、そこまで徳を積んでいません。

己の力量に合った乗り越え方が、
それぞれあると思うのです。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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「苦しい時こそ笑おう」

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近藤勝重

 「苦しい時に笑うなんて無理だ」と考える方もいるでしょう。
しかし実は、悲しみの中でこそ、人は笑いを求めるものです。

不安と孤独を抱えながら生きる人が、
笑いの共同体に身を置けたら、
どれだけ救われるか分かりません。

ここでの笑いに求められるのは、話術ではありません。
毒舌や皮肉でもない、優しさです。

相手を笑顔にしよう、という思いやりに基づく、たわいもない冗談。
これなら、芸人並みの技術などなくても、誰にでもできる。

優しさには、強さも必要。
人を元気にしたいのなら、
自分の中にもパワーがなくてはならない。

そこで、自分で自分を笑わせることも重要になって来る。
でもそれは、簡単だ。
面白い事を積極的に見つけ、多く笑うだけでいい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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