『感謝のエネルギー』

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医師、矢作直樹

《感謝のエネルギーは想像を超えて作用する》

そして大切なこと。それは、過去の自分と比べないこと。肉体は若いうちが華(はな)です。でも若いうちは経験値も低いもの。年を取ると経験値が上がりますが、逆に肉体は衰えます。肉体と経験値はトレードオフ(何かを得ると何かが犠牲になる)の関係にあるのです。
私自身、例えば5年前と比べると確実に衰えました。でも、これが加齢の正しい進展具合だなと実感していますので、今は無理のない範囲で動いています。そして体に感謝するだけで、疲労の回復が早いことは今も実感します。

私の友人に齋藤應典さんという方がいます。彼は映画やドラマの現場に欠かせない有名なスタントマンでしたが、ある日、仕事中に大事故に遭います。
その結果、脊椎骨折を含む全身約30カ所骨折、左腎臓裂傷という状態となり、医師からは再起不能と告げられました。
絶望の淵で自暴自棄となった齋藤さんでしたが、ぴくともしない体への強い怒りを、ある日を境に感謝の思いに変えます。彼は自分の体に向かって、こう言ったそうです。「これまで悪かった。これからは大事にする、だから一緒に頑張って欲しい。いつもありがとう」
関係者の誰もが齋藤さんが再び歩けるようになるなど想像すらできない中、そこから不思議なほど回復を始め、齋藤さんは現在、全国を飛び回る著名なパーソナル・トレーナーとなりました。感謝のエネルギーは私たちの想像を超えて強く作用します。どんなときでも、体に感謝。いつもありがとう、と感謝。体は最期の瞬間まで一緒にいてくれる、かけがえのないパートナーです。

〇筑波大学名誉教授、村上和雄
『自分の体は自分のものだと思っているかもしれませんが、実は私たちの体はすべて借りもの、要するに“レンタル”なのです。レンタルですので、期限が来れば返さねばなりません。これが「死ぬ」ということです』
貸主は神さま。借主は魂。体はお借りしているもの。しかも無料で。どんなに地位や名声があろうと、豪華な家屋敷や、億を超えるお金があったとしても、死んであの世に行くときはそれを持って行くことはできない。同時に、どんなに美人であろうと、鍛え抜かれた体であろうと、あの世へ自分の体は持ってはいけない。つまり、体も、豪華な家屋敷も、お金もすべて、この世にいる一瞬の間のレンタル。
スポーツの選手で、自分の道具を丁寧に扱い、まるで生きているもののように感謝の念を捧げる人は、道具から応援される。これは、体も同じ。体に感謝して大切にすれば、体も応援してくれる。「感謝のエネルギーは想像を超えて作用する」どんなときでも、体に感謝しましょう。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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『打つ手は無限』

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医学博士、帯津良一

西洋医学の常識からいえば信じれないような方法でがんを克服した方がいます。たとえば、当時39歳だった女性です。肺がんを患っていました。
手術も抗がん剤も放射線もできないほどの状態で、何か西洋医学以外の方法をやってみたいと私の病院にやってきました。
彼女には、まだ死ねない理由がありました。幼い子どもがいたので、母として「まだ生きたい」という希望があり、「この子を残していけない」という責任も重く感じていたのです。
漢方薬を飲み、食事療法に取り組み、気功も熱心にやりました。しかし、経過は思わしくありませんでした。帰宅したり入院したりを繰り返していたある日、胸水がたまってきて緊急入院することになりました。腫瘍も大きくなっていて、背中に激しい痛みがあり、食事もとれず、トイレにも行けません。
そんな厳しい状況の中でもあきらめなかった彼女に、まさに神様は微笑みました。どこで情報を仕入れてきたのか、彼女はバケツに粗塩を入れ、そこへ足を突っ込んで、ゴシゴシと揉む治療法を始めたのです。
大病院の最先端治療で良くならず、漢方薬や食事療法などをやっても悪化してきたのに、粗塩で足をもむくらいで良くなるとは誰も思いません。ところが、彼女は、この治療法にかけました。一心不乱に、毎日毎日、粗塩で足をこすり続けました。すると、しばらくして、足のむくみがとれ、体調が良くなってきました。そして、半年後にはニコニコしながら退院していったのです。

粗塩で元気になった女性の話は、すぐに病院中に広がりました。誰もが藁をもつかむ思いでいますから、そういう情報には敏感で、病院のあちこちで、バケツに粗塩を入れて、そこへ足を突っ込んでいる患者さんの姿が見られるようになりました。
この方法で、「私も治った」という人が続出すればすごいことになります。まさしく、がんの特効薬です。ところが、そんな事にはなりませんでした。最初にやった女性のように劇的な回復を見せた人はひとりもいなかったのです。

アンドルー・ワイル博士という、統合医学の象徴のような医者がいます。彼は、30年以上も前に「人はなぜ治るのか」という名著を出しています。その本の中で、ワイル博士は、自分はいろいろな治療法を調べ研究し体験したが、「奇々怪々で、どれがいいのか悪いのか、当惑するばかりだ」と書いています。
そして、彼はこう言うのです。「絶対に効かないという治療法はない」どんな治療法にも可能性は秘められています。「何か方法はあるはずだ」と希望を持って治療法を探してください。「ただし」と、彼は続けます。「絶対に効くという治療法もない」

私は、この話は病気の治療だけでなく、健康法でも長生きの方法でも、もっと分野を広げれば、ビジネスで成功するとか、運気を高めるとか、恋愛が成就するとか、子育て法、人づきあいなどにも当てはまるものだと思います。
どんなに単純で稚拙な方法であっても、うまくいく可能性は必ずあります。しかし、ある人がこの方法でうまくいったからといって、あるいは理論的にもしっかりと構築された説得力のある方法であっても、それが誰に対しても絶対にうまくいく方法なのかというと、残念ながらそうはいかないというのが、この世の真理なのではないでしょうか。

〇『打つ手は無限』(滝口長太郎)
「すばらしい名画よりもとても素敵な宝石よりももっともっと大切なものを私はもっている
どんな時でも、どんな苦しい場合でも愚痴を言わない
参ったと泣き言を言わない
何か方法はないだろうか何か方法はあるはずだ
周囲を見回してみよう
いろんな角度から眺めてみよう
人の知恵も借りてみよう
必ず何とかなるものである
なぜなら打つ手は常に無限であるからだ」

人は、これができなかったら死ぬしかない、というくらい本気になれば、考えられないほどのパワーがでてくる。絶体絶命の境地になった人のパワーはすごい。背水の陣で、決死の覚悟ができ、そこに死力を尽くすからだ。本気のパワーだ。神様が応援したい人は、本気になった人。どんな難事がこようと…何か方法はあるはずだ、「打つ手は無限」と、決してあきらめない。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より

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