『伝え方の極意』

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トークの帝王、ラリーキング

話し上手になるには、2つの守るべき鉄則がある。「相手に興味を示す」ということと「自分のことを素直に語る」ということだ。

【鉄則1】相手に興味を示すこれは、話し相手に、心から興味を持つという意味である。CNNの私のトーク番組『ラリー・キング・ライブ』を見れば、
私がゲストに関心を持っているということを、すぐに感じるはずだ。
私は必ずゲストの目を見て話すようにしている。そして、ゲストに向かって身を乗り出して、彼ら自身についての質問をする。
番組に招いたゲストには、敬意を持って接するのが私のポリシーだ。それは相手が、大統領であれ、殿堂入りのアスリートであれ、『マペット・ショー』のカーミットとミス・ビギーであれ、変わりはない。
どんな人も、豊富な知識があって、話したくてたまらないテーマを1つぐらいは持っている。
話をしている時には、相手の知識に対して敬意を示そう。相手に「この人は私の話に興味がないんだな」とか、「まったく敬意を払ってくれない」と思われてしまっては、会話がうまくいく筈がない。話している相手が自分に敬意を払っているかどうかは、必ず分かるものだ。
あなたの敬意を感じれば、相手も熱心にあなたの話に耳を傾けるはずだ。

【鉄則2】自分のことを素直に伝える。
これは話している相手に素直な態度で向き合う、という意味である。
私が初めてテレビに出演した時は、緊張していることをリスナーに打ち明けた。「『テレビへの初出演だ!』…そう考えるだけで、私は不安になってしまった。プロデューサーが用意してくれた回転椅子に座ったとき、緊張のあまり、私の体は椅子ごと左右に回転し続けた。
私はこう話した。『緊張しています。ラジオは3年間やってきましたが、テレビは初めてなんです』
こうして正直に話すと、緊張感は消えてなくなった。自分の状況を正直に話せば、緊張することなど無いのである」
「己の欲するところを人に施せ」という黄金律は、会話にも当てはまる。相手に正直に話してほしいと思うなら、あなたも相手に対してそのように話すべきだ。
あなたが相手から聞きたいことは、あなた自身も積極的に相手に話すべきだ。
自分の経歴や好き嫌いについて話すのは、会話におけるギブ&テイクである。私たちはそうやってお互いのことを知っていくのだ。私と数分でも話をしたことがあるなら、私がブルックリン出身だということと、ユダヤ人だということを知っているはずだ。なぜか?それは、私は知り合った人には必ず、「自分の生い立ちの話」をするからである。それが私という人間を構成する核だからだ。
仮に、私が吃音(きつおん)症だったら、私はそのことを相手に伝えるだろう。これで、自分の状況を素直に伝えたことになる。素直に伝えると、自分をよく見せる必要がなくなる。
そうして初めて、自由に会話を楽しめるようになるのだ。相手の敬意を勝ち取ることもできる。会話しているとき、相手がふっと、時計に目をやったり、携帯を見たりするようなときは、「ああ、この人は私の話に興味がないんだな」と思ってしまう。
だから、逆に「あなたに興味がありますよ」というメッセージを伝えるには、
相手の目をみて、「うなずき、相づち、驚きの表情、感嘆の言葉」を、会話の間にちりばめればいい。

エンジンオイル、OEMの仲間たちは、話相手に興味を持つ。
そして自分の事は素直に伝える。これを忘れてはいけません。

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