「物語戦略」

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 岩井琢磨、牧口松二

「君の言っていることは、正しいけれど面白くない。」
それは、「君の提案にはストーリーが無いからだ。」

心に刺さるストーリーの無い戦略では、
上司も顧客も説得できない。
物語には、同じ物でも「他とは違う」価値が
あるように見せる力がある。

タイタニック号沈没でも沈まなかった
ルイ・ヴィトンのトランク
NHKのテレビ小説「マッサン」の主人公のモデルである
ニッカウイスキー創業者・竹鶴政孝の人生
社員が太らないタニタの社員食堂

事実は、小説より奇なり。
事実に裏打ちされた「差別化する力」である。

ルイ・ヴィトンのストーリーは、
セレブに支持された高い品質、技術、ブランド価値を
象徴している。

この種の企業の強みを象徴するシンボリック・ストーリーを
どこの企業も必ずどこかに持っている。

シンボリック・ストーリーを、どう見つけ出して、
ビジネスモデルに活かすのか。
それは、これからますます大切になって来る。

「神話」には、ヒーローの敗北・試練からの勝利・帰還
という法則が不可欠だ。
どの企業も創業者の苦闘にまつわるストーリーは、
「神話」になり易い。

「創業者が、何故それをしたのか、始めたのか」
という情熱は、
製品・サービスの背景にある「理念」となり、
顧客の共鳴にも繋がる。
ここは、シンボリック・ストーリーのツボである。

どの業界、どの企業でも、
参考企業や業界大手に単純に追随するだけの
「面白くない」戦略では、
同質化競争に陥る。未来の展望は開けてこない。

他者とは違うように思わせる、差別化の要素を顧客に
「見える化」することは、喫緊の経営課題だ。

シンボリック・ストーリーは、有効で実践的な
対顧客コミュニケーション戦略ツールになり得る。

現代は、個人は情報の受け手になるだけでなく、
送り手にもなれる。

情報のメディア化が進んでいる。
シンボリック・ストーリーは、あっという間に拡散していく。

シンボリック・ストーリーは必要ですね。エンジンオイルのOEMはもちろん。
マスクの販売にも。

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