『一読、十笑、百吸、千字、万歩』

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内科医、杏林大学名誉教授、石川恭三

近ごろ、情けないことには、
何かしようという気力が俄然衰えてきた。

今さらそんなことをしてもどうしようもないとか、
もうそんなことはできそうにないとか、
いずれそのうちに、
などとすっかり怠け癖がついてしまったように感じられる。

それでもときどきは、こんなことではいけないと
気を引き立てようとするのだが、
結局、しばらくは何もしないでこのままいたら
どうかという怠惰の甘い誘いに乗ってしまうのである。

この気力の衰えにつられて、物忘れが増し、
さらには、理解力も低下してきたようにさえ
感じられるようになった。

さすがにここまでになると、
感度の悪い私の脳信号も黄から赤に変わって、
滞りがちになっている
「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を強化せよと
大号令を発してくる。

一読とは、一日に一度はまとまった文章を読むこと。

十笑とは、一日に十回くらいは笑うこと。

百吸とは、一日に百回くらいは深呼吸する。

千字とは、一日に千字くらいは文字を書くこと。

万歩とは、一日に一万歩を目指して歩くこと。

これは、高齢者の生活習慣の改善のために
私がもう三十年以上も前から提唱していることである。

大脳からのこの大号令を受けて、何はともあれ、
気合いをいれなおして、
「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を実行することにした。

するとどうだろう、不思議なことに、
体の張りが少しずつ甦ってくるように
感じられてきたのである。

どうやらこれでひとまず「やる気」が取り戻せそうである。

エンジンオイルのOEMをするシニアの仲間も健康は大切。
これを参考にしてもらいたい。

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