『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』

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マイケル・ピュエット、クリスティーン・グロス=ロー

ほとんどの人は、自分の心をのぞき込み、
自分が何者かを知り、
自分の人生がどうなるべきかを決めるのは
いいことだと思っている。
だから、どの職業が自分の個性や気質に
もっともふさわしいかと思いをめぐらし、
どんな相手が自分に似つかわしいかと思案する。
そして、本当の自分や、就くべき職業や、
運命の相手が見つかれば、
充実した人生を送れるものと信じている

自己を定義することにこだわりすぎると、
ごくせまい意味に限定した自己──
自分で強み、弱み、得手、不得手だと思っていること──
を基盤に未来を築いてしまう恐れがある。
中国の思想家なら、これでは自分の可能性の
ほんの一部しか見ていないことになると言うだろう

ありのままの自分だけが自分なのではない。
いつでも積極的に自分自身を
よりよい人間へと成長させることができるからだ。

<礼>を通して新たな自分を見つける

あらゆる生きものにはなんらかの性向がある。
つまり、ものごとに決まった反応をする傾向があるということだ。
花に太陽のほうへ向かって伸びる生来の性向があり、
鳥や蝶が花を求める傾向を示すように、
人間にも性向がある。
人間の性向は、他者に感情的に反応することだ

行動パターンを打破することは、
自分以外の人も鍛えようのある柔軟な存在だと
気づくきっかけになる

わたしたちの言動の一つひとつは、
仁を実践するか、仁を損なうかのどちらかだ

唯一の規範は仁だ。
孔子にとって、仁を修養し実践することが、
倫理にかなった人になるただ一つの方法だ

偉大な人物になる人とそうでない人を隔てるのは、
やみくもに感性のみや知性のみに従うのではなく、
「理性+感情」である心に従う能力だと孟子は説いた。
心を修養することで、賢明な判断をくだす能力が育つ

はっきりした指針や安定した世界があるという
観念を捨て去れれば、
わたしたちに残るのは道案内をしてくれる心だ。
心がすべてであり、
わたしたちはともにすごす人たちとの関係を通して
それを育てていく。

心はものごとを正しく感じとり、成長のための地ならしをし、
自分にあるものを生かすのを助けてくれる。
そうすれば、自分はこういう人間だと思っていたものが
すべて変わりはじめるはずだ

宇宙のあらゆるものは、出現したとき
はじめは柔らかくしなやかだ。
つまり、最初に生じたとき、万物は子どものようなものだ。
まだ道にとても近いため、
若木や草の葉のように柔らかくしなやかだ。
ところが、ときとともに万物は硬くなり、
ほかのすべてのものから分化する。
世界を分化したものと見なせば見なすほど、
道からかけ離れていく。
世界を相互に関係のあるものと見なすほど、
道に近づいていく。
道に近づくことで力が手に入る。
しなやかさと弱さの力を利用できるからだ

なるほど、仏教に近い考えや。
東洋哲学やもんね。
エンジンオイルのOEMも、これで行こう。

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