『イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡』

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石田雄太

かつて、自分に与えられた最大の才能は何だと思うか、と
イチローに聞いたことがある。
彼は「たとえ4打席ノーヒットでも、
5打席目が回ってきて欲しいと思える気持ちかな」と言った

メシのタネに野球をやっている選手では、
絶対にここまでは来られないと思う。
野球が生活の手段になってしまったら、
もっと前に進みたいという気持ちは薄れてしまう

何かにくっついている人ではなくて、
自分の力で何かをしようとする人たち、
実際にしている人たち。
『何かになりたい』と思っている人たちではなくて、
『何かをやりたい』と思っている人たちです

強いチームって、個人があってチームがあると思うんです。

個々が持っている力を発揮して、役割を果たして、
それが結果としてチームの力となる。
でも、弱いチームはそうではない。
個人の力が発揮されない、だから勝てない

気持ちよく野球をするためには、環境もすごく大事なんです。
選手って、環境によって思いもしないやる気が漲ってきたり、
とんでもない力が生まれることだってある

そうしたらね、
弓子が、僕が孤独だったら
孤独じゃない人なんて一人もいないって言うんです。
僕ほど見えないところで
応援してもらっている選手はいないって……
僕はそのとき、自分の目で見えるところにしか、
目が向いていなかった

勝てるチームを求めてチームを移るという
考え方もあるでしょう。
でも、そうじゃない考え方だってある。
どっちも正解なんですよ

僕は常に、人のちょっと先を行かなければいけないと
考えています。
何かをする側が後をついていくようではまずいからね

力が抜けることで、
人とは違う雰囲気が出るんじゃないかなって。
それができれば見ている人は楽しいはずです。
『アイツ、次元が違うな』ってなる可能性がある。
それが僕の目指すところです。
数字に縛られているとギスギスして見えるし、
そういう雰囲気は出ない。
数字から解放されて初めて、それを出せるようになるんです

人の心を動かすとか、勇気を与えるとか、感動を与えるとか、
よく言われるフレーズですけど、そんなこと無理なんです。
それは、目的にはできない。
目的となったら、そんなこと、達成できるわけがない。
なるとしたら結果的に、でしかない。
だから僕はそんな想いは持てないんです

破壊を経ないと成熟しないんじゃないかという考え方です。
このまま持ち上げられて、時間が経ったら、
僕はダメ人間になります。
だからいろんなものを壊したい

同じ言葉でも、誰が言っているかによって
意味が変わってきます。
だから、まず言葉が相手に響くような
自分を作らなければならないと考えています

エンジンオイルのOEMも、イチローに負けないように
考えて、頑張りましょう。

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