進化できる企業、進化できない企業の違い

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エンジンオイル、OEMの櫻製油所は、
ぶつかり合うほどに意見交換できる場を作りたいと考えます。

『第三世代の経営力』より 横田尚哉・著

人間関係が良く、組織関係の良好な企業は、 
進化できません。

これまでのような進化の芽を摘むような
企業ではないのですが、 
仲が良すぎるのも問題です。
より良い姿を探し求めるというよりも、 
周りとの関係性を保つことを重視してしまう企業です。

人間関係が良好であることは、
いい風土があってよいことです。 
人間関係を悪くしろと言っているのではありません。

本来、組織が有機的に機能するためには、 
個々の経験と知識を相互に作用させていかなければならない。

人間関係を重視するということは、
意見や指摘、あるいは否定といった行動を
自ら抑制してしまうことに繋がります。

問題が発生しても、仲良く慰め合い、励まし合い、 
力を合わせて歩んでいくようでは、あまりにも平和すぎます。

進化には、刺激が必要なのです。 
知恵は、苦労の中から生まれます。 
力は、その限界まで達した時に増えはじめます。 
アイデアは、追い詰められた時に降りてきます。

私が企業に赴いて、そこの問題解決をする時、 
集まっていただいたメンバーの方々に
必ず言うことがあります。 
それは、「遠慮しないでほしい」ということです。 
私にではありません。みんなに対してです。

「自分が発言したところであまり変わらないだろう」とか 
「偉そうに意見することはやめておこう」とか 
「関係が悪くなりそうなのでやめておこう」と
思わないで欲しいのです。

こういった風土は、仲良くするためには
役立つかもしれませんが、 
現状から変わることが出来ず、
進化する機会を失ってしまうのです。

だから、「遠慮しないでほしい」というのです。

遠慮するとクリエイティブな作業はできません。

目の前の問題は解決しません。 
ぶつかり合うほどの意見交換こそが、仲の良い証なのです。 
上辺の仲の良さは、必要ありません。

その場の人同士だけではなく、過去の人との関係も同じです。

前任者が決めたことだから、変更しないというのは 
何の理由にもなりません。

組織としての決定事項を
勝手に次々変える事はありえませんが、 
必要なら手続きを踏んで変えていくべきです。

人と人も、前任者と後任者も、組織と組織も、同じです。 
自由闊達な雰囲気のもと、
それぞれの知識と経験を遺憾なく発揮し、 
相互に意見交換ができる風土が必要だということです。

慣れ合いの仲の良さ、間違いを指摘せず見逃す風土、 
意見の衝突を避ける文化は、企業にとってマイナスです。 
そういう雰囲気のある企業は、
まず進化することはできないでしょう。

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