内田和成
個人の作業スピードをどれだけ上げても、
生産性は上がらない。
他者とのやりとりの中で生産性は決まる。
この『右脳思考』は相手を腹落ちさせ、
自らも腹落ちして良い意思決定をすることで、
生産性を上げようというもの。
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実はA「提案の完成度が低い」状態と
B2「気に入られていないので、
ロジカルに反論されている」状態は、
経営者の反応が表面的には同じに見える。
そこに落とし穴がある
新規事業で一番多い失敗の理由は、
プランを考えた人と実行する人が別という場合だ。
論理的に考えたら成功確率が低い道でも選んでしまう。
ユニ・チャームの創業者である高原慶一朗氏は、
まだ会社の規模が小さく女性向けの生理用品が
主力事業の時代に、その何倍もの市場と考えられる
子ども用の紙オムツの市場に後発で参入した。
そのとき、彼の頭の中には女性用生理用品だけでは
市場は頭打ちになる、
紙オムツは当時の日本ではまだ新しい市場で、
P&Gがほぼ市場を独占していたが、
いまならまだユニ・チャームでも間に合う、
と考えた。
失敗のリスクは考えなかったのかという問いかけには、
「まったく考えなかったわけではないが、
それよりチャンスにかけてみたいと思った」と答えた。
生理用品も、おむつも女性が購買の意思決定者である。
あるいは、両製品とも「不快」を「快」に変えるという
共通項がある
正しい答えよりも、うまくいきそうな案件を選ぶ
手堅いかもしれないが、
市場に大きなインパクトを与えられず、
小さなヒットで終わってしまう可能性が高い製品。
一方で、当たるか当たらないかは分からないが、
ヒットした場合は新しい市場をつくる可能性がある製品。
観・感・勘を使うことである。
まず、観察することが観、
次いでそこから何か感じ取ることの感、
最後に「なんかおかしい」あるいは
「これは面白い」と働く勘、この3つのカンである
やることへの不安や懸念が行動をためらわせているとしたら、
やらないと、もっとひどいことになると、
そちらの不安を煽った方がよほど人は動く
自社の商品展開のやり方はスーパーマーケットが
主力チャネルであれば、きわめて合理的な戦略だが、
コンビニを対象としたときには不適合を起こしている。
こうした全体として何か違っているのではないかという
問題意識は、通常のロジカルシンキングでは
なかなか出てこない
優れたコンサルタントは「左脳」から始めない
思いつきを実行可能な企画案にもっていくためには、
次の5つの視点でチェックする必要がある
(1)市場性
(2)競争状況
(3)自社の強み・弱み(経営資源)
(4)ビジネスモデル
(5)実行計画
エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より