コーポレート・ガバナンスは企業統治と訳される。
これは不祥事防止策や株主価値最大化の為の
仕組みではない。
経営をする者による支配が正当かどうかの
根拠となる問題である。

そこで求められるのはまず、少数意見の尊重だ。
少数意見も何らかの根拠を持って主張されており、
結果的に多数意見より正しいことも多い。
取締役会や理事会において、
一定数の外部者が必要なのは、
彼らが少数意見を述べてくれるからだ。

「よそ者には分からない」などという感覚こそ
悪いガバナンスの発生源である。
経理や意思決定のプロセスを中心に、
記録を作成して長期保存する体制も重要だ。
これができていない組織には
不正があると考えて間違いない。

昨今の官僚組織の劣化は、この点を見るだけでも分かる。
トップによる公開の場での質疑が保証される必要もある。
トップが記者会見などに出席せず
説明を避けるような対応は、
疑惑の正しさを自ら証明しているようなものだ。
不正行為等に関する通報制度に
第三者を関係させるといった方策も真剣に
検討されるべきだ。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より