佐々木閑

スマホが普及して個人データが、
ネット上にどんどん蓄積されていく。
その結果、ささいな失敗や失言で
炎上した時に個人が特定され
いつまでもその事を責められ続ける。

ネットカルマが起きている。総てが記録され、1回の過ちで
人生が壊れてしまう。
しかも、犯した罪以上の処罰が
私刑の形で社会から加えられる。
ここでは失敗を糧に成長すると言う事が許されない。

人の行いは業という潜在的なエネルギーとなって保存され、
いつか当人に報いをもたらす。
それがブッダの時代の考え方だ。

そんな因果システムが現実化したのがネットである。
技術は安楽さや快適さを目指すものであり、
その裏には人間の欲望が在る。
欲望に邪念がある以上、
万人を幸福にする技術はあり得ない。

ネットの負の側面に苦しめられている人に
少しでも楽になってもらいたい。
ブッダの教えは、業の中で苦しむ人間への対症療法だ。

心の平安を保つ事が、まず必要だ。
解決策は、ネットカルマに苦しんでいる人たちが
連帯する仕組みを作る。
過ちを叱って許すという方に社会通念を
変えて行かねばならない。

ブッダの教えからすると、
「自分の価値観から脱しなければ
生きる苦しみは消えない。
今、必要なのは気を散らす情報を遮断し、精神を集中する事。
それがカルマから脱出する第1歩だ。」

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より