本田直之

「人生は壮大な実験だ」です。
今のような価値観の変化している時代には、
他人との比較ではなく、自分で試すことが何よりも価値のある経験になる。

一昔前までは何歳で部長になり、年収はこのくらいで退職したら
退職金と年金でこんな暮らしをしていこう…
というプランが描ける連続性のある社会だった。

その時代は実験よりも、前例に沿った生き方をする方が賢かった。
しかし、今は何が起きるか分からない非連続の社会。
連続していないということは社会にも個人にもどんなことが
起こるか分からないということだ。

決めつけた生き方では可能性を狭めるだけでなく、
変化に弱いライフスタイルになってしまう。
決まりきった正解はなく、典型的な人生もなくなった時代には、
常に実験を繰り返し、前例のない道を歩んでいかなければならない。

期待していた結果が出た時も、出なかった時も、
実験したことでチャンスが広がっていくことは確かだ。
また、テクノロジーの進化によって今後はますます面白いやり方、
思いがけないチャンスが広がっていく。
やってみなければ、結果は誰にも分からない。

シンプルな教訓を大切にしていこう。
日々を見直していくことの重要性。時には強制的に飛び降りることの大切さ。

■矢沢永吉
2種類の人間がいる。やりたいことやっちゃう人とやらない人。
やりたいことやってきたこの人生。おかげで痛い目にもあってきた。散々恥もかいてきた。
誰かの言うことを素直に聞いてりゃ、今よりずっと楽だった。
でもね、これだけは言える。
やりたいことやっちゃう人生の方が、間違いなく面白い。
俺はこれからもやっちゃうよ。
あんたはどうする?

生活の中に小さな変化をつけていくことは、年齢や家庭環境に関係なく試すことができる。
配偶者がいて、子どもがいて、家庭があり、守るべき物が多くなっていたとしても
1年のうちほんの1週間だけでも実験に時間を割いてみる。
自分のためだけに使える時間を作る。
その試みが、次の5年、10年の人生を大きく変えていく。

大事なのは、本気で自分で考えを突き詰め、小さなことから試していくこと。
すると、必ず本人にとって財産になる視点が得られる。
忙しさをやらないための言い訳に使ってはいけない。

■行徳哲男師「変化」
『変化は断続する。切断されているから至るとこに崖がある。
だから、いつでも身軽に翔べることが大事である。
このような時代に重い荷物を持っていては翔べはしない。
ゆえに、いろいろな持ち物を捨てたり忘れたりすることが必要である。
これからは「忘」と「捨」の時代である。
変化は波及する。
波及の時代にあって経営者は経営学の勉強ばかりしていてはいけない。
むしろ経営学以外の勉強をし、裾野を広げることによって
波及する変化をつかまえ、味方にすることができる。
文学や芸術や歴史、そして趣味の世界である。
変化を味方にできる人間こそ、二十一世紀に生き残る人間である』

より先の見えない変化の時代にあっては、「何事もやってみなければ分からない」。
理論や理屈は言えても、未来を正確に見通せる人など誰もいない。
だからこそ、「やってみること」「試してみること」が必要だ。

エンジンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾より