カリスマFP、江上治

人間でも植物でも、成長する力というものは強いものです。

この成長する流れ、成長する力に添い、従うことが、

すなわち「順」であり、その思考がポジティブ思考です。

私たちが生きていくうえで、

まさに「自然な」思考がポジティブ思考なのです。

つねに前向きで、積極的で、肯定的である、ということは、

生物としての私たちの成長する世界そのものです。

遺伝子に組み込まれた思考であり、

だから「無理がない」のです。

成長する流れに従う自然体ですから、

エネルギーが湧いてくるのはあたりまえです。

一方のネガティブ思考はその真逆で、

まさに「逆」の字があてられます。

「逆」の字を漢和辞典で見ると

「大の字型の人をさかさまにしたさま」とあり、

「さかさまの方向に進むこと」といいます。

私たち人間の成長に話を合わせて

考えると、成長することが自然であるとすると、

これに逆らう思考です。

成長に「爪を立てる」思考です。

一方が自然の理に合った思考、

一方がそれに逆らう思考だとすれば、

私たちが採るべき思考がどちらかは明白です。

ポジティブ思考しかないのです。

では、どうしたら、このポジティブ思考を

得ることができるのでしょうか。

それは、「人間はあくまでも成長するために生れてきたのだ」

という事実を、うよく噛みしめることだと思います。

この、私たちの生き方や考え方の基礎となる自然の理を

十分に理解しないと、

ポジティブ思考の本質をつかむことができないでしょう。

そして、ポジティブ思考と似ているのが、楽観主義です。

オプティミズムの訳語で、

反対語はペシミズム(悲観主義)です。

ボトルに半分残った水を見て

「まだ半分もある」と考えるのか、

「もう半分しかない」と考えるのか、

ということがよく言われます。

つまり、危機に陥ったときにどう考えるか、ということです。

楽観主義の人は柔軟性がありますから、

「まだやれる方法がある。こんなやり方があるんじゃないか」

と、あきらめずに考えをめぐらし、

さまざまな問題を乗り切ることができます。

なんとかなると思う人には、知恵が湧いて出ます。

知恵が出るというのは、いろいろと調べるとか、

人に聞くとかの方法が考えつくことです。

成功の反対は失敗ではなく、「あきらめること」といいます。

困難から逃げるのは簡単ですが、

自分の考え方を変えることで、

その困難さえも自分の成長に変え、

運命さえも転換していくことができます。

だから、あきらめずに行動することは、

成功のための第一歩なのです。

楽観主義で乗り越えていく人は幅が広い人になりますし、

人生が広がっていきます。

自分に解決できない問題は起こりません。

問題が起こったかぎりは「解決できる問題」だということ。

自分の可能性を簡単に否定しないことです。

《危機に直面したときこそ、「なんとかなる」と考えよう。

あきらめなければ、どんな壁だって乗り越えられる。

(目の前のことだけでなく、少し遠い先の自分を考える。

きっと明るい運命が開かれるはずだから)》

■工学博士、上原春男氏の「成長」

『人間というのは本来、成長するようにできています。

成長がおぼつかないとしたら、それは外的要因ではなく、

自分自身の姿勢や考え方に原因があるのです。

そもそも、なぜ人や組織は

成長しなければならないのでしょうか。

「成長しなくても、現状維持で十分だ」

という人や企業の経営者がいるとしたら、

それは重大な危機を招くことになります。

成長するものだけが、生き残るのです。

現状維持にとどまるものは、即、衰退に向かうのです。

伸びている会社でも、その現状に満足してしまったら、

その瞬間にその組織は下りの階段を

転がり落ちていくことになります。』

現状維持の反対は、現状打破。

■脳力開発を提唱した城野宏

〇現状を打破の姿勢がある人は、

「主体的(人のせいにせず、自ら動く)」で、

「進歩発展をめざす姿勢(常に、よりよくしていこう

という姿勢)」があり、

「他人の利益をはかる姿勢(協力が得られる)」がある。

〇現状維持の姿勢の人には、

「人だよりで、人のせいにする姿勢

(グチっぽくて、不平不満が多い)」があり、

「現状に甘んじる姿勢

(難しい、困った、出来ないが口ぐせ)、

自分だけよければよいという姿勢

(人をバカにする、尊敬しない)」がある。

つまり、現状打破の姿勢の人は、常にポジティブで、

あきらめず、必ずなんとかなる、と思って行動している。

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