小林正観

人間は、そもそも「たいしたものでない」のに、成長していくにつれて、心の中に「3つの感情」が芽生えてきます。

1. 自己顕示欲

2. 復讐心

3. 嫉妬

です。この3つは、人からもてはやされて、高い評価を受けるようになった頃に出てきます。

これらはすべて「マイナスのエネルギー」であり、神様から嫌われる性質です。

自分のことを「たいしたものだ」と認識したいと思うから、「自己顕示欲」が湧いてきます。

みんなが自分のことを「たいした人だと認めるべきだ」と思っているから、そうならないときに、「嫉妬」が芽生えます。

他の人がちやほやされているのを見て、「どうして自分にはそうしないのか」という思いが、「嫉妬」です。

また、人から何か気に入らないことをされたとき、それを「5倍、6倍にして徹底的に嫌がらせをしてやるぞ」と思う気持ちが、「復讐心」です。

先日、高い技術を持った人にお会いしました。

その人の実力は、たしかに誰もが認めるところです。

しかし、話を聞いていると、「自分がどれほどすごい人か」という話に終始していました。

自分の話ではなく、「技術」の解説をしていたら、聞いている人はさらにその人を尊敬したでしょうし、その人は、さらに「喜ばれる存在」になっていたでしょう。

ところが、「雑誌に紹介された」「有名人と知り合いだ」という自慢話が続いたのです。

どれほど「すごい実力」を持った人でも、口から出るのが「自分がどれほどすごい人か」という自己顕示欲、「自分はこんなにすごいんだけど、別の人が評価されているのは許せない」という嫉妬、「いつか見返してやるんだ」という復讐の言葉ばかりなら、誰も話を聞きたいと思いません。

「自己顕示」「復讐心」「嫉妬」の3つの感情を持つ人は、損をしている。

とても、もったいないと思います。

「どれほどすごい人物か」というのは、自分から話さなくても、伝わるものです。

「すごい実力」を持っているのだったら、ただ黙って行動で示せば、誰もが認めてくれるでしょう。

「自己顕示 自己嫌悪 わたしの こころの うらおもて」(相田みつを)

自己顕示とは、自分を実際以上に大きく見せかけることであり、自分の存在を目立たせ、他人の注意を引くことだ。

他人に必要以上にアピールすることは、人にもっと認めてもらいたい、ほめてもらいたい、という承認欲求の表れ。

人は、少しうまく行きだすと、どうしても偉そうにしてしまう。

人の話を聞かず、自分の話ばかりしたり、他人の批判や悪口が多く、人に譲ることをせず、いつも主役でいたがる。

復讐心が強い人は、自己中心的な人だ。

自分を正当化し、人をゆるさず、攻撃的に人を責める。

「なぜ、あいつが!」「今にみていろ、俺(私)だって」という感情だ。

《一瞬だけ幸福になりたいのなら、復讐しなさい。 永遠に幸福になりたいのなら、許しなさい。》(フランスの聖職者 アンリ・ラコルデール)

嫉妬とは、自分よりすぐれていたり、恵まれていることにたいして、うらやんだり、ねたんだりすること。

「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちにはなりません」という、 イギリスの元首相、 マーガレット・サッチャー氏の有名な言葉がある。

嫉妬心や復讐心は、ほぼ、この言葉に凝縮されている。

幸せな人を不幸にしても、自分は幸福にはならない。

嫉妬するのではなく、他人の幸せを共に喜ぶこと。

そして、自分が今ここに生きていることに感謝すること。

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