ディヴィッド・ライク

(ハーバード大医学大学院遺伝学教授)

ヨーロッパ、インド、アメリカ大陸などの

現生人類集団について

私たちは「いま目の前にしている集団は

遠い昔の分岐を反映している」と思い込んでいる。

しかし、そうではなかった。

現代人のゲノム情報を解析すると

過去にそれが存在しないと辻褄が合わないような

「ゴースト集団」が見えてくる。

古代DNAは、そんなゴーストが誰だったかを

言い当てる。

いま遺伝的に一括りに見える集団は、

実は過去に存在した非常に異なる集団どおしの

移住と混じり合いの繰り返しで生まれた

交雑物だったのだ。

集団間で遺伝的な違いがあるは明らかだ。

ただし、その集団とは近代国家の枠組みで

定義されるものではない。

ナチスによる「アーリア人純血」は

完璧に否定された。

古代DNAによって得られる結果は、

人種差別主義者やナショナリストの

誤った解釈を否定する。

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